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戻ってくる千葉の春は桜吹雪の中か? [弦楽四重奏]

上野の杜や北千住にインパーソンで居なければならぬ雑用ばかりで、なんのかんのずっと新帝都を離れられなかったお嫁ちゃまがたった1週間の春休みで温泉県盆地に戻れた朝、やくぺん先生が一足早く戻って以来ずーっと雨模様だった空も晴れ上がり、風はまだちょっと冷たいものの、由布岳もしっかり姿を見せておりまする。とはいえ、未だ久大本線に沿って咲き誇る筈の桜もちょぼちょぼ。菜の花畑はしっかり黄色く広がっているのに、観光地の方の大分川沿いに薄桃色のトンネルが出来るのはいつのことやら。

あの人この人、こんな世界からさっさとおさらばしたいとでも言うように訃報ばかりが届く今日この頃、少しは春らしい目出度い情報でも記して起きましょうかいな。

先頃のクァルテット・エクセルシオ記者会見でもちょっと触れられていたように、今や第3期エクのホームベースとも言える場所となった千葉県は房総の付け根あたり、夏の風が吹く時期に羽田空港に西から到着したら、半島の南の先端館山かすめ千葉の奥深い山の上を北上、BランやDラン着陸ならぐうううっと大きく左に旋回して東京湾に突っ込んでいく辺り、はたまた午後3時から6時の副都心上空通過大パノラマ展望着陸の場合は東京東から反時計回りに松戸朝霞と新宿上空に向けぐるり回り込み始める辺りに、長柄町というノンビリした田舎がありまする。バブルの頃から東京湾横断橋完成にかけて、山が開かれゴルフ場が沢山出来たりして、上空からもいくつものコースが眺められます。写真は、昨年秋の終わり、温泉県盆地から新帝都に戻るソラシドエアの機窓から見下ろした長柄町風景。大友宅の真上辺りじゃの。
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そんな長柄町で、「ながらの春 室内楽の和音楽祭」なる小さなイベントが始まったのは、もう7年も前のこと。クァルテットの活動がある程度の形を取ってきた頃から冗談のように繰り返していた「どんなに小さくても良いから、自分たちのフェスティバルが持ちたいですね」という言葉をどうやって現実にしたかはともかく、なんとか始めて、コロナ前の2019年まで続き、「東京春音楽祭」や「統営国際音楽祭」の完全な裏番組として千葉の春に輝く…というところまではまだまだ遠いなぁ、ってところだった。

んで、この音楽祭もご多分に漏れずコロナで2020年からは中断。コロナ禍が明けてからも、状況がいろいろ変化して初回から使っていた会場が使えなくなり、あれやこれやだったんですけど、昨年は規模を小さくして開催。今年はやっとエクも戻って来て、更にはこの音楽祭の最大のポイントたるセミナーも開催されることになりましたです。

無論、セミナーはとっくに閉め切られておりますが、どんなもんか、募集要項の一部をまんま引用すると…

※※※

このセミナーでは、プロアマを問わず、個人・グループを対象に、弦楽四重奏団クァルテット・エクセルシオメンバーの指導がうけられます。
個人での参加はエクセルシオメンバーと共演するリハーサル形式のレッスンとなります。
【セミナー期間:2024年 4月10日(水)~4月13日(土)】
4月10日13時セミナー会場集合 4月13日13時ごろ終了、解散
レッスン実施日:4月10日(水)~12日(金) 成果発表会:4月13日(土) 10時~(予定) 
指導者:クァルテット・エクセルシオ(以下エク)のメンバー(ヴァイオリン:西野ゆか、北見春菜、ヴィオラ:吉田有紀子、チェロ:大友肇)
【会場:長柄町都市農村交流センター“わくわくながら”】
セミナー会場:管理棟ロビー   宿泊:施設内コテージ
住所:千葉県長生郡長柄町山之郷70-15(無料駐車場あり)
JR外房線「茂原駅」より小湊鉄道バス利用、所要時間約30分
JR内房線「浜野駅」より小湊鉄道バス利用、所要時間約35分
宿泊コテージは、参加人数によって、同性のかたは相部屋をお願いする場合があります。
グループ参加で同性のかたは相部屋となる場合があります。(同グループのみ)
各コテージでは朝8時~23時まで音出し可能です。

【個人参加者のセミナー内容について】
 個人参加者にはレッスンで課題曲をエクのメンバーと演奏、リハーサルを通じて指導を行います。
 個人参加者は1曲(1楽章)につき、45分間のレッスン2回行います。(2曲で合計4回)
 成果発表会はリハーサルを行ったメンバーで演奏を行います。
【グループ参加者のセミナー内容について】
 グループ参加者のレッスンは1曲につき2回、合計4回(1回45分間)のレッスンを行います。
 レッスンの指導は4回ですべてのエクメンバーが一人ずつ行います。

※※※

どうやら現時点ではいろいろな参加者がいらっしゃるようですが、ま、それはまたそのうち。

このセミナーの会場、上の写真の真ん中左の辺りに見える人造湖の畔のセミナーハウス。そこに泊まり込むわけですが、この辺りは千葉市郊外でも有数の桜の名所なんでありまするよ。正に、人造湖の周囲に桜咲き乱れる場所で、この週末には桜祭りが予定されている。
https://nagaran-club.com/info/n-2024-02-01/

このところの例年ならば、弥生晦日の前には桜が満開になってしまい、まだだいじょーぶかぁ、って感じだったんだけど、今年は桜が遅く、ヘタすりゃこの週末のお祭りには間に合わないかも知れない。で、このセミナー開催中もまだまだ桜舞い散る、ってことになりそうじゃのぉ。

千葉の桜を愛でたい方は、エクも出演する通常の演奏会も用意されています。こちらをご覧あれ。
https://www.gauche-music.com/nagaranoharu2024

やくぺん先生も、来週の半ばに温泉県盆地から玄界灘の向こう統営には寄らず、新帝都に直帰。上野の杜の雑踏は可能な限り回避し、統営行きは諦めたディオティマQとシェーンベルク室内楽特集、それになぜか音楽監督で来ないアンサンブル・アンタルコンテンポランだけは顔を出し、他はずっと千葉の桜を愛でに参る予定であります。

果たしてどっちで舞い散る最後の桜吹雪を浴びることになるのやら。

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記者会見というもの [売文稼業]

去る木曜日に、当然桜咲き人々が昼間っから酒飲んでるだろーと思ってたらまだ二分咲きにもならんという春まだきの上野の杜は東京文化会館でクァルテット・エクセルシオの結成30年企画発表記者会見をなんとか無事に終え
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翌日に1ヶ月ぶりに温泉県盆地の仕事場に到着。「記者会見監修」としか言いようがないボランティア雑用でバタバタしていたために先延ばしにさせて貰っていた原稿の山を、ともかく慌てて1本はやっつけ、本日月曜日〆切の原稿はなんとか明日朝までにして貰い、午後1時半から遙か金沢で行われたオーケストラ・アンサンブル金沢の来シーズン主催公演発表記者会見に、オンラインで参加、というか、拝見させていただきましたです。
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ふううう…

「記者会見」というやくぺん先生の世を忍ぶ外の人の本来業務からすれば、前者は正に「隠居仕事」で、「記者会見で記者や参加者がどのような情報を欲しがり、記者会見で出された資料を原稿にするためにどのように利用するか」という視点から、会見の内容ややり方にアドヴァイスをする、という作業をしたのでありました。さらには記者顔をして会場にも座っていたわけで、なんとも中途半端な感じは否めなかったけど、なかなか興味深い状況ではありましたです。

一方、温泉県盆地の仕事場からパソコン画面の向こうに由布岳を眺めながら参加した後者は、コロナ禍以後の世界ですっかり一般化した「オンライン参加」という奴です。

これがねぇ、案外、難しいんですわ。要は、どんなにテクノロジーが発達したところで、現時点ではまだ「会見場の空気」というのがまるで判らない。記者席に着いている奴らは、実は向かい合ってる発言者だけではなく、席に陣取っている他の記者連中がどういう風にしているかを、案外とチェックしているんです。で、質疑応答になったときにどう動くかを考えている。オンラインでは、そういう周囲の空気読みがまるで出来ない。だから、「オンラインで質問はありますか?」と司会者から言われても、余程明快な質問したい事実関係チェックとかを除けば、挙手しにくいん。

今回も、現場に居ればいくつかのポイントで質問があったなぁ、と思いつつ、ぼーっと終わるのを待ってしまったのでありました。

これはちょっといくらなんでもなぁ…と、終わったら直ぐに司会者の方に質問のメールを入れたんだけど、考えてみたら、これって相手を知ってるから出来るんだよねぇ。だってオンラインじゃ、会見終わった後の名刺交換とか、やれてないわけだもんさ。

ええ、一応、やくぺん先生外の人がメールで尋ねたことと、そのアンカナさんからの回答をチョロッと記しておきます。以下。

質問:平日昼定期はやらないんですか?→回答:ランチタイムコンサートではやっているが、定期はやっていない。検討はしている。

質問:新作初演はないんですか?→回答:今シーズンは定期ではなく、岩城宏之メモリアルコンサートで行います。

てなわけでした。オンライン前提の地方移住、まだまだ難しいことはあるなぁ。

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エク30周年記念シリーズ発表 [弦楽四重奏]

昨日、東京文化会館大会議室で、クァルテット・エクセルシオ30周年シリーズ発表記者会見がありましたです。
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重要なポイントだけ列挙すると…

★春秋の定期演奏会で新作委嘱世界初演
★フィリップ・グラス初期弦楽四重奏曲5作品一挙演奏会開催
★幸松肇追悼演奏会開催
★モーツァルト《ハイドン・セット》録音及び2公演での全曲演奏

詳細は、以下に当日配布された資料及び説明スライドをまんま貼り付けますので、ご関心のある方は精読くださいな。この先のメディア情報は、記者会見で記者が直接質問をして出てきた情報以外は、基本的に全てこれがオリジナルのソースとなります。

結成30周年記者会見当日配布資料:https://x.gd/Zb9WW
記者会見スライド:https://x.gd/0A1vK

ま、個々の案件について話し出せばいろいろありますが、それは折々、ということで。とにもかくにも、この資料を相変わらずの家庭内手工業で作ったエクの面々及び関係者の皆様、お疲れ様でした。委嘱した作曲家の皆さんと並んで、はいポーズ。なお、権代さんはこの日、完成した総譜を持っていらっしゃいました。酒井さんは、現状、4楽章の意図的に古典的な作品の前半2楽章までは完成。第3楽章は一度書き上げたけど、捨てて書き直しているそうな。
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さあ、あとは弾くだけじゃ!

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エク30年記者会見あります [弦楽四重奏]

春の嵐が吹き荒れるニッポン列島、そんな中でもなんとかクァルテットで喰っていこうなーんて嵐に立ち向かうような無謀な人生を選んでしまったクァルテット・エクセルシオが、どうやら30年経ってしまったという報告とこの先の活動をお伝えすべく、記者会見を行います。

で、今時のテクノロジーを用い、明日3月21日午後1時50分から、オンラインで会見の様子を生中継いたします。こちら。
https://www.youtube.com/watch?v=t0pzKEH3GbU

ええ、些かお恥ずかしい話ながら、エクの4名はこの会見のために広告代理店やら広報会社を雇うなんて資金はなく、この数日、まるでベートーヴェンの後期だかバルトークだかを練習するような必死の形相で資料作成に励んでおりまする。なんとか明日の午後にはちゃんと資料がプリントされて参加記者諸氏に配れるよう、皆様、荒れる空を仰いで祈ってくださいませっ。

なお、そんな状況ですので、残念ながらライヴチャットとか書き込みへの対応とか人手不足で無理。なんせ、クァルテットですから。てなわけで、ライヴ映像中継のみで双方向的な対応は出来ないとのこと。

最近はすっかり巨匠の風格のエクですけど、久しぶりにみんなでチラシ袋詰めしたりNPO総会資料を作ったりしてた頃が蘇ったような、春の嵐のお彼岸であったとさ。

お暇ならご覧あれ。作曲家さんも2名、ライヴで登場いたしまする。

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緊急告知:本日のサントリーで売ってます [演奏家]

もう遅すぎるかもしれないけど、ともかく緊急告知です。

本日、サントリーホールで午後6時半開演のオーケストラ・アンサンブル金沢東京公演では、指揮者のマルク・ミンコフスキ氏の自伝の日本語版が緊急先行販売されます。
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既に去る金曜日の金沢公演では石川県立音楽堂ロビーで販売され、関係者の方に拠れば「入場者の10人にひとりがお買い上げになりました」とのこと。
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最近ではこんなに「本」という媒体が積み上がっている絵は余り見ませんので、ちょっと驚きですな。

ミンコフスキといえば、ヴィーンの不良反逆者に始まり同世代唯一のヴィーン系指揮者へと上り詰めたアルノンクールやら、みんながこれぞ古楽って思うような音楽をさりげなくエグくなく繰り広げてくれるガーディナーやら、所謂「20世紀末古楽スター」の長老達とは一世代も二世代も若く、もう「古楽器」などと肩肘張ったり大声を出したりしなくても良くなった世代の最初のスター指揮者のひとり。なにより、古い時代の音楽を専門にしているだけではなく、最初からオッフェンバックとかヴァーグナー初期オペラとか、ロマン派の舞台作品を大事なレパートリーにしてきた方なわけで、そういう視点からも去る金曜日のベートーヴェン交響曲第9番の再現は極めて興味深かったわけでありまする。

新しい視点というか、21世紀のパラダイムから「クラシック音楽」を見渡したいとお考えの方には、是非とも読まないといけん文献じゃないでしょうかね。

ま、中身に関しては、今週金曜日までの新帝都滞在中はもうグチャグチャに忙しいやくぺん先生ったら、まだちゃんとページを開けてません。ゴメン!来週以降、ノンビリ由布岳眺めながら縁側で紐解いて、またご紹介いたしましょうぞ。

とにもかくにも、今晩のサントリーには現金数千円、ちゃんと握りしめて来るよーに。お釣りはたぶん、ありますから。

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訃報:ペーター・ブック [弦楽四重奏]

大阪のコジマアーティストさんの公式Facebookページに訃報がアップされました。公式ホームページにはないので、Facebookを貼り付けます。
https://www.facebook.com/kojimaconcertmanagement

媒体の性格上、時間の経過と共に見えなくなってしまう可能性がありますので、まんまコピペ。

※※※※

【訃報】

20世紀のドイツを代表する世界的弦楽四重奏団 メロス弦楽四重奏団のチェリストとして知られた、ペーター・ブックが膵臓癌のため3月14日 17時50分(現地時間)にドイツ・シュトゥットガルトの病院にて永眠致しました。享年86歳。
ペーター・ブック(Peter Buck)は1937年 5月18日 シュトゥットガルト生まれ。
シュトゥットガルト音楽演劇大学に学び、ルートヴィッヒ・ヘルシャーやピエール・フルニエに師事。
1965年に結成したメロス弦楽四重奏団は数々の国際的な受賞を得て、一気に世界のトップクラスの存在にまで駆け上り、以後40年ほどの活動期間を通して、その評価は常に揺るぎなく、その足跡は膨大な優れたレコーディングからもうかがい知れます。
ペーター・ブックはこの功績により、ボン・ベートーヴェン・ハウス協会名誉会員やドイツ連邦共和国功労勲章を含む数々の栄誉を与えられています。
1980年以降はシュトゥットガルト国立音楽大学の教授も務め、世界中の国際コンクールの審査員や客演教授に任命されるほか、1992年にはオーベルストドルフ・ミュージックを創立して芸術監督を務め、2004年にドクター・ダーツェルト財団賞を受賞しました。
日本にはメロス弦楽四重奏団のメンバーとして度々来日していましたが、2016年10月と2017年3月の二度に亘り、ロータス・カルテットと共に来日し、シューベルト:弦楽五重奏曲やベートーヴェン:弦楽五重奏のための「クロイツェル」を演奏したのが最後となりました。
尚、ロータス・カルテットとの『シューベルト:弦楽五重奏曲』は2011年6月にドイツ・ハイデルベルク郊外のスタジオでレコーディングを行っており、レコード芸術特選盤に選ばれるなど極めて高い評価を得たその演奏は現在でも聴くことができます。 
LIVE NOTES WWCC-7713
http://www.kojimacm.com/recording/reco/lot_schubert.html
故人の生前の業績を偲びつつ深い哀悼の意を表し、ここに謹んで御通知申し上げます。
コジマ・コンサートマネジメント
代表 取締役 小島 裕

※※※※

やくぺん先生は、個人的にはそれほど付き合いのあった方ではないのですけど、ロータスQとバイエルン州近辺を動いてまわるツアーに同行したときにはなんのかんの話をしたこともあったです。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2008-01-24

メロスQとしての功績はいろいろ言い立てればあるでしょうが、やはり最晩年の「やたら厳しい好々爺」ってイメージばかりだなぁ。

メロスQという団体、演奏史的には20世紀後半のレコード会社が世界の(日本の?)音楽嗜好をコントロールする中で、ヴィーン系のアマデウスQ、アメリカ系のラサールQと並びドイツ系を代表する団体としてイエロー・レーベルに数多くの録音を遺した団体、という位置付けになるのでしょう。個人的には、第2次大戦前の情報コントロールもあり些か影の薄い存在であったメンデルスゾーンの弦楽四重奏全集を最初に世の中に出し、カルミナQが火付けとなった90年代以降の新世代クァルテットでのメンデスルゾーン・ルネサンスの基礎を築いてくれた功績は、大きく評価されるべきだと思うんですけどね。
https://www.hmv.co.jp/en/artist_Mendelssohn-1809-1847_000000000020551/item_Complete-String-Quartets-Melos-Q_3501587

あまり多くを言えないけど、お疲れ様でした。合掌。

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アヴァロンQの新譜 [弦楽四重奏]

山のように積み上がった作業をこなしている中で、久しぶりにNMLを開いたら、へえええ、と懐かしい名前に遭遇しました。このURL、貼り付けたところで日本のNMLと契約している方しか行けないし、何を隠そう北米の某音楽団体を通して北米の会員となってるやくぺん先生にも使えないんですけど、ま、当電子壁新聞を立ち読みなさるような酔狂な方の中には「俺は大丈夫だぜ」って方もいるやもしれんので、貼り付けておきます。
https://ml.naxos.jp/album/8.559941
今、LGBTQ大流行のアメリカ合衆国マーケットで突如人気作曲家に浮上した(のか?)フローレンス・プライスをメインに据えた今月新譜のアルバムであります。それにしても、ホントに昨年はなんとなんとイエローレーベルからヤニック指揮フィラ管の演奏する交響曲全集(にはまだなってないのかしら)のCDがガンガン出てきたり、今やアフリカン・アメリカンの交響曲といえばウィリアム・グラント・スティルの専売特許じゃないわい、って猛烈な追い風が吹いてる作曲家でありまする。
https://www.deutschegrammophon.com/en/catalogue/products/price-symphonies-nos-1-3-nezet-seguin-12476
https://www.deutschegrammophon.com/en/catalogue/products/price-symphony-no-4-dawson-negro-folk-symphony-nezet-seguin-13109

そんな勢いが弦楽四重奏の世界にも吹いて来たのか、とうとうナクソス・ジャパンさんが録音を出してくださいましたわ。めんどーなんで、公式な作品紹介は、まんまコピペしておきましょかね。ほれ。

「2020年代に入って急速に脚光を浴びる作曲家フローレンス・プライス。その弦楽四重奏曲第2番をメインに、彼女の師匠ともいえるサワビーの作品を合わせて紹介する、NAXOSのアメリカン・クラシックらしい1枚。 「アメリカ初の黒人女性作曲家」と呼ばれるプライスは、2021年のBBCプロムスで交響曲第3番の第3楽章が演奏され、2022年には交響曲第1番と第3番を収めたアルバムがグラミー賞を受賞、2023年には「アメリカにおけるエチオピアの影」が神奈川フィルにより日本初演されるなど、世界的に脚光を浴びています。彼女の作品の多くは死後も未発表のままで、その真価や全貌はまだ発掘途上と言えます。 レオ・サワビーは、ローマのアメリカン・アカデミーのローマ賞やピューリッツァー賞を受賞するなど国際的な名声を得ていました。プライスとサワビーは共に1930年代から40年代にかけてシカゴの音楽コミュニティのメンバーで、お互いの作品を尊敬していたことが知られています。このアルバムには両者の弦楽四重奏曲を収めています。最後に置かれたプライスの「ネグロ・フォークソング・イン・カウンターポイント」は5つの民謡旋律に基づくアフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れた作品。とりわけ第2曲の旋律は「雪山讃歌」として誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。 (ナクソス・ジャパン)」

というわけで、へえ、そーなんですねぇ、といえばそれまでなんじゃが、やくぺん先生とすればもっと興味あるのは、弾いてる連中なんですわ。そー、お久しぶりのアヴァロンQじゃあないかい。当電子壁新聞でも、我らがヴィオレッタが加わってた頃には何度も取り上げてましたけど…
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2007-09-24
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2005-08-18

ま、20世紀前半のシカゴ楽派のアルバムとなれば、かのフェルメールQの後を継いでノーザン・イリノイ大学のレジデンシィを務めているこいつらが登場するのは当然と言えば当然でありましょうね。ってか、シンフォニーの録音がシカゴ響じゃない方が不思議なわけで。

かつては天下のシュモル・アシュケナージ御大の下、上海Q以下数々の団体を生み出したノーザン・イリノイ大学のレジデンシィ、アヴァロンQになってもう20年近くなるんじゃないかい、その後どうなっているか、殆ど知らないんだけど、こうやってやるべき仕事をやってくれている姿を見るのは嬉しいものでありますなぁ。曲の評価は…まあ、皆様、お聴きになってご判断あれ。NECの学生団体が弾いてる映像がYoutubeにアップされてますので、参考までに貼り付けておきます。
https://youtu.be/DYu5eANh_x0?feature=shared
2026年アメリカ建国250年記念演奏会で弾いてみたい、なんて奴らもいるかな。楽譜があれば、なんでしょうねぇ。

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フィルハーモニー・ド・パリの五輪文化プログラム [ご当地五輪への道]

まさか、もう二度と用いることはないと思っていたカテゴリーを、ほとんどやけくそで使うのじゃ。

ニッポン列島にお住まいになられる日本語文化圏の皆々様におきましては、一部のスポーツ関係者以外は殆ど関心がないであろう「2024巴里五輪」でありまするが、すくなくともやくぺん先生が昨年の秋の終わりにウロウロしていた頃は、まあああったく盛り上がっておりませんでしたです。もの凄く地味なトートバッグをぶら下げたおねーさんをひとり地下鉄で見かけたのと、あとは宿から運河のボートで出かける巨大ショッピングセンターでセールス品で山積みになってた五輪タイアップ商品の大衆向けパスタがあったくらい。これじゃ。
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うううむ、地味じゃのぉ。今時、関西や博多小倉のJR西日本管内などで見かける謎の万博生命体なんぞのようなマスコット、というか、キャラクターみたいなもんに相当するものも、巴里では全く見かけなかったわい。ちなみに、これまたニッポン語文化圏の人はだーれも知らないだろう2030釜山万博に向けたキャンペーンで、釜山金海空港ロビーにはもうこんなキャラクターがアピールしているし(ってか、これじゃキャラクターってか、まんまやねん!)
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こういう20世紀型巨大国家イベントらしい盛り上げがあるもんじゃが、少なくとも工事はいろいろやってるドゴール空港から北駅辺りでも、フィルハーモニー・ド・パリがある会場からそれほど遠くないパリ市内北東の貧民居住地域でも、それらしきものは一切目にしませんでした。

んで、パリ原住民は殆ど誰も感心がなさそうなこのイベント、数日前に、やっとというか、なんとも驚くべきにというか、フィルハーモニー・ド・パリ広報さんからこんなもんが送られて来たでありますよ。ほれ。
DP Olympiade Culturelle Philharmonie.pdf
「フィルハーモニー・ド・パリの五輪文化プログラム」冊子でありまする。

へええ、ってパラパラと眺めて見るんじゃが…うううむ、なんというべきか、いかにも2024年の巴里っぽい「多様性」の世界が広がっていて、都内にある東京都とニッポン国のふたつの劇場が五輪記念で《マイスタージンガー》の同じプロダクションを出す、なんて爆笑ものの茶番劇やられるよりはまだいいものの、ああそうなんですかぁ、そうなんですねぇ、としか言いようがない出し物でんなぁ。

一部のプログラムはイースターの頃から始まるようです。まかり間違って関心のある方は、いらしてみてくださいな。

巴里五輪、確かスポーツイベントの本番はこの夏のゆふいん音楽祭とバッティングする日程じゃなかったっけか。よー知らんけど。

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