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Take Them Out to the Korakuen Kyujo! [音楽業界]

本日夕方締め切りの原稿、まだ格好がついてない。こんなことしている暇はないのだけど、ちょっとだけ。

去る8月2日の「デプリースト都響常任指揮者の指揮の下、野球場でみんなで楽器を吹き鳴らそー」プロジェクトその後。

この企画を実現したI氏から、最終的に700名ほどの楽器持ち込みがあった、との連絡がありました。3日のブログのトラックバックでご覧下さい。
http://blog.1artlinks.com/archives/50016469.html

で、まあ、ブログという媒体をどのように管理するか、「情報をコントロールする」作業を仕事とするプロの広報マンにはいろいろと難しい世の中なのだろーなぁ、などと思いつつ、全然どーでも良いことを思い出したのである。

昨年だか一昨年だかの夏頃、讀賣日本交響楽団の担当者から連絡があった。あまり仕事の付き合いはない団体なので、なんじゃらほい、と思ったら、「長嶋元監督がゲストとして読響の特別演奏会に出る。当日プログラム解説を書いてくれ」というのですね。聴衆は長嶋目当ても多いだろうから、出来るだけ難しくなく、という。
なんのことはない、毎度お馴染み、色物曲解ですな。

無論、プロとしては制約が多いほど燃えるものだ。二つ返事で引き受けた訳ですよ。
曲は、「マイスタージンガー」前奏曲、「威風堂々」、それになぜかモーツァルトのト短調交響曲の第1楽章とか、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」抜粋とか。
困ったのは、黛敏郎作曲「NTVスポーツニュースのテーマ」でした。で、苦し紛れに、以下のような解説を書いたんですね。ま、もう時効だから貼り付けちゃってもかまわないでしょう。

「黛敏郎:NTVスポーツニュース・テーマ音楽
題など知らなくても、「後楽園巨人戦中継やプロレスの音楽」といわれれば「ああ、あの曲か」とお判りでしょう。この勇壮なマーチは、日本テレビが本邦初の本放送を開始した直後の1953年に作曲されました。NTVスポーツ放送のテーマとして半世紀近くも使われ続け、耳にしただけで力道山や長嶋の活躍を期待させる響きとなったのはご承知の通り。
 作曲を担当した若き黛敏郎(1929-97)は、戦後最初期の留学生として渡ったパリ音楽院から帰国したばかり。のちに文化人としても知られる俊英は、前衛的電子音楽を発表し日本の芸術界にセンセーションを巻き起こす一方で、庶民の心をガッチリ掴む方法も心得ていたのです。なお、黛には『カルメン故郷に帰る』や『キューポラのある街』など映画音楽の仕事も多く、ハリウッド超大作『天地創造』も担当しています。」(読売日本響特別演奏会プログラムより著者により抜粋)

なんか、結構まともでしょ。♪てんてら・てんてら・てん・て・てらら…

当日の演奏会、日本にいなかったか、他の用事があったか、ともかく東京芸術劇場には行けませんでした。「長嶋が出る演奏会があるんで、取材してくれませんかぁ。へえ、曲解書いたの。じゃあちょうど良いじゃない。ええ、その日、ダメなのかあ、困ったなぁ…」、というやりとりが某編集者とあった記憶があるぞ。

もとい。というわけで、本来ならばテレビ視聴率低迷に悩む讀賣球団こそが、自前の讀賣日本交響楽団を持ち出し、後楽園で壮大にフルオーケストラでの巨人軍応援をやっても良いじゃないか…と誰でも思うわけですよね。なんせケネディ空港国際線出発コンコースに、「世界で唯一フルオーケストラを持つ新聞、Yomiuri」だかなんだか、そんなでっかいオケの写真を貼ってた頃もあるんだから。
ところが、現場が誰もそんなことを思わないのか、やったところで意味がないと誰かが判断しているのか、はたまたオケがそんなこと嫌だというのか、なんだかしらぬが、まるでやる気配などありませんねぇ。世界一の発行部数を誇る巨大新聞が、I氏の個人のパワーに出し抜かれちゃったわけです。
長嶋氏がトークをしたその演奏会では、オケのメンバーは多いに盛り上がり、楽屋裏ではこの一大カリスマスターにサインを貰おうと楽団員が列を成したという。弾く側は東京ドームに行くのもそれほどイヤじゃないんじゃないかしら。

というわけで、今日は「広報の仕事とは、どんな形であれ、企画を実現してなんぼである」という当たり前のことを述べただけでありました。

そういえば、新芸倒産騒ぎなどでTBSがカラヤン指揮ベルリンフィルの主催をすることになったとき、テレビマンユニオンという制作会社が、「名監督の激突」というアイデアで、野村監督をキャスターにカラヤンとベルリンフィルのいろんな動きを眺めさせた番組を作ったっけなぁ。あれ、正直、野村氏の困った顔がちょっとしんどかったですねぇ。
やっぱり「企画は実現するだけじゃなく、成功してなんぼである」なのかな。いやはや。

雑談終わり。原稿も時間に出来てなんぼ。


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