SSブログ

ゴールドベルク山根美代子追悼演奏会 [こしのくに音楽祭]

2月の半ば過ぎなのにまるで春のような陽気、永代橋西詰めの桜が一足どころではない早さでほころび始めた今日この頃、内陸はお堀端のルーテル市ヶ谷センターで、故ゴールドベルク山根美代子追悼演奏会が行われました。

人形町の日本橋小学校でパシフィカQのアウトリーチに立会い、トッパンホールに寄って今日中に必要だという書類を出し、夕暮れのお堀端は四谷へのダラダラ坂を中央線とチャリチャリ併走してると、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてくる。ルーテル市ヶ谷センターに滑り込む頃には、立派な雨。
そういえば、山根先生のお葬式は、ずっと冷たい冷たい雨模様だったっけ。今日の雨よりも、もっとうんとつめたぁい雨たち。

ぼーっとしてても、春になる。ぼーっとしてても、歳を取る。そして、そのうち死んじまう。

人が溢れんばかりの会場には、古部夫妻や花崎夫人など東京でのゴールドベルクの子供達、山根先生のお弟子さんたち、それに富山の人々の顔も。ほんの数ヶ月前なのに、うんと昔みたい。それでもやっぱり、「今日ね、音楽祭の新しい委員長になってくれる某企業の社長に会ってきて…」と、死者を追悼する席でも先のことしか考えぬ裏方の性。故人よ、哀れな我らをお許しあれ。

舞台の上に大きな山根先生の写真が飾られる。「こしのくに音楽祭」初日の故人とニックのデュオをゴールドベルク翁が見守っていたのと、まるで同じ場所。飾られる花まで同じに見えてしまう。

山根三銃士、トリオ・アコードが登場。ハイドンのト長調、「幽霊」、メンデルスゾーンのニ短調を、「追悼」なんて湿っぽさの欠片もない熱演で披露したあと、ヴァイオリンの白井圭君が満員の聴衆に向かい「先生に3年間お世話になりました。今も練習していると先生から「ユニゾン!」と叱られる声が聞こえて(苦笑)…」、ハイドンの第2楽章を故人に捧げます、と演奏。そして、長い拍手に背中を向けるように、写真に向かって深くお辞儀をする若者たちであったとさ。

会場を出れば、雲が切れ、夜空が覗く。蒸気が上がり、外堀近辺はすっかり春の宵。

さて、この稿をもちまして、長らくお読みいただきましたカテゴリー「こしのくに音楽祭」は打ち止めとさせていただきます。今後はこの内容、「シモン・ゴールドベルク・メモリアル」なるカテゴリーとなります。引き続きよろしゅうお願いいたします。過去や追悼はオシマイ、いろいろ新しくしましょ。

で、早速、最新情報。山根三銃士のヴァイオリンとチェロが加わるクァルテット25が、今年7月下旬のゆふいん音楽祭への参加が決まりました。久しぶりの若手クァルテット枠です。さあ、夏に向けて、ホントの音楽をやってくれたまえ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0