おおきなドリアンの真ん中で [たびの空]
シンガポールが誇る総合アーツセンター、エスプラネードは、大きなドリアンを真ん中でふたつに割って、マーライオンの隣りに並べたような形をしています。はっきりとシドニーのオペラハウスみたいな世界的ランドマークとなることを狙った設計ですな。
もっと良く格好を眺めたい方は、このページでもどうぞ。内装も出てます。ま、見かけ通りの20世紀末硝子様式ですわ。http://www.mosaicmusicfestival.com/venueinfo.html
さても、原稿はなんとか入れ、あと1時間したらチャンギ空港に向かうところ。本日あったいろんなことは、チキンライスが世界一旨い店とか、シンガポールのスーパーに売ってるものとか、この街の妙に自信に溢れている癖に直ぐ迷うタクシーのこととか、実はソフトに見えるこの国は滅茶苦茶成功している北朝鮮みたいなもんだとか、アホな話はいろいろあるが、眠すぎて書けない。で、ひとつ色物系の音ネタ。
昨日夕方5時半から、エスプラネードのマーライオン側半分ドリアン、音楽ホールでヴィーン国立歌劇場が地元音楽学生のための公開練習を始めていたのと同時に、演劇ホールと音楽ホールを繋ぐ真ん中の公共空間では、チャイニーズ・オーケストラが無料演奏会のための練習を始めていました。
チャイニーズ・オーケストラとは、その名前の通り、中国伝統楽器によるオーケストラです。写真でお判りのように、チェロやコントラバスという西洋の低音楽器を入れて、全体に高い響きばっかりになってしまうアンバランスを補正しています。無論、ガムランなどと同様に、20世紀の産物の「擬似エスニック」です。敢えて言えば、日本音楽集団なんかと同じ考えの団体。華僑系の多い文化ではきっちり存在していて、香港やらシンガポールにはプロの楽団があります。チョー・リャン・リンが共演していたりもする。
さても、どんな音がするか、どうやら学生による無料演奏会みたいなので、面白がって拾ってきた音がありますから、公開いたしましょうぞ。期待しないよーに。鼓弓の合奏って、なんか想像するだにスゴイでしょ。
大きなドリアンの下で、ヴィーンの「フィガロの結婚」と、華僑学生のチャイニーズオケが、一緒に鳴ってる。いろんな文化が混じらずに、まだらになって、サラダのように混交するシンガポールらしい瞬間。
さあ、これで夏の旅も終わり。永遠の夏が続く島から、いくらなんでも秋になったろう東京湾岸に戻りましょ。
※
さても、南洋の猛烈スコールにバナナの木が揺れるシンガポールの居候仮眠所兼臨時仕事場を現地時間午前4時に出て、同日日本時間午後4時に佃厄偏庵に戻って参りました。想像通り、帰りのNWクルーは往きと同じで、なにしてたんですか、と何度呆れられ説明せにゃらなんかったことか。ま、Seiji Ozawaという名前は北米人にも日本人にも判るホントにビックネームなんで、話が楽だったのは有難い。想定コストよりも、現地タクシー代が高かった他は、まあ予定通りでありました。あとは来月18日売り「音楽の友」11月号をご覧あれ。ふううううう。
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