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齢二十とふたとせにして… [音楽業界]

案外、知られていないかもしれないけれど、神田駿河台は旧お茶の水スクエアにある日大Cホールは、あの時代に造られた音楽ホールには珍しく、独立棟なのです。複合ビルの中に収まってるのではありません。

ですから、雨が降れば屋根に水が溜まってあちこちに落ちていくし、颱風が襲えば風が叩きつける。

そうして、20と2年の歳を重ねてきました。

本日、この場所からホンの数百メートルの「ぶらあぼ」オフィスで若くて生きの良いヴァイオリニスト松山嬢にインタビュー仕事があったついでに、90年代最後の10年程、自分の家だったみたいな場所のまわりをぐるりとしてまいりました。

で…泣きそうになった。

だってさ、あまりに痛々しいんだもん。

アップで撮った写真など、とても辛くて挙げられません。このくらいで勘弁して下さい。
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後ろに聳える高層部分も、かつてはお江戸の冬のからっからの青空にも負けないくらい、キラキラに輝いていた。CHの壁面は無残な有様で、当然、内側にも雨水が漏れ込んでいることでしょう。あの狭い狭い下手と上手を繋ぐ廊下の上辺りとか、聴衆の皆様は絶対に入れない2階下手側の非常口扉の先とかは、どんなことになってるのやら。ステージの板はどうなっているのか。

そして、こいつ。
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初代チケットセンター、後にアウフタクト事務所になった部屋の前、CHで商業録音セッションが殆どできなかった元凶たる地下駐車場に下りていく入口の前に、まるで数世紀も前からあったかのように据えられている。触ったら崩れそう。

1986年の秋、オープニングの日にサントリーホールに入ってまず、「この空間はどうやって古びていくのだろうか、古くなって風格が漂い出したこの場所が、どうにも想像できない」って思った。その翌年の暮れに開いたCHは、自分にとって余りにも日常的な場所になっちゃったんで、ここが古くなる、朽ちていく、なんて想像しやぁしなかった。

日大さん、せめてこの子を綺麗にしてやってくれ…とは、言いません。20歳にして、朽ちたり。そういう太く短い生き方も、死に方も、ある。

でもね、僕らの目の中じゃ、君はいつだってピカピカさ。

(注:この記事、グーグルなどの検索に引っかからないように、意図的に日大ホールとかCHにしてあります。)

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