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吹田メイシアター開館記念パネルディスカッション「関西の芸術文化の行く先は?」4割くらい速記 [劇場法]

遅くなりました。地獄のデータ作成作業をやっと終え、ヘバヘバで何も出来ない状態。ともかく、去る10月23日吹田メイシアターでのシンポジウムの後半、パネルディスカッション部分、根性の入ってない速記です。この続き。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24
せっかくだから、メイシアターの写真。駅の側からじゃなくて、裏手になる西側からアプローチしたところ。意図的に寂しそうな絵面を狙ってるんじゃぁありません!
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ぶっちゃけた話、かなりの部分が「吹田メイシアターまんせー!関西まんせー!東京なんてなんぼのもんじゃい!」という内容で、所詮は田舎者が集まって仮住まいしてるおっきな田舎のTOKIOに向かってそんなに敵愾心をむき出しにされてもなぁ、と東京湾岸住民の東のバーバリアンたるやくぺん先生は怯んでしまうですよ。
今世紀初めから佃月島晴海地域に住み込み、地域文化NPOのスタッフから介護ボランティアのパワフルレディ、西仲通り商店街の煎餅屋や弁当屋のオバチャン、はたまた町会の愛すべき長老らの姿なんぞを現地で眺める羽目になった身としては、東京という場所でローカルな「足が地に着いたブンカ」をやるのがいかに困難か、つくづく思っているわけでありまして、大阪の皆さんには「東京なんて、相手にして怒るに値する場所じゃありませんから」って言いたいんですけどねぇ。

ま、それはそれ。そんなわけで、途中で速記の腕があちこち休んでしまい、かなりボロボロ。今、久しぶりに読み返してみても、なんだか判らぬ部分がいっぱいあります。

基本的には平田内閣参与の劇場法に向けての考えが垣間見える部分を中心に拾います。あんまり中身には期待しないよーに。なお、途中から文体が変わってるのは、語尾まで拾うのが面倒になってきたからで、他意はありません。
なーんの参考にもならないかもしれませんけど、一応、貼りつけます。これで当面の関西シリーズはオシマイ。某雑誌の大阪センチュリー鼎談も、昨晩(ってか、今朝の午前2時くらいに)、無事に赤入れが終わり、今月の18日発売の誌面に掲載される筈です。

毎度ながらの発言ですが、以下はあくまでも「4割くらいのえーかげんな速記」ですので、まんま引用したりしないで下さい。なんかあって、今後はこのようなことが出来なくなったら困るですからね。

※※※※※

吹田市政施行70年記念シンポジウム
パネルディスカッション「関西の芸術文化の行く先は?」

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金森重裕(大阪文化団体連合会事務局長):メイシアターについて皆さんからひとこと。

桂米團治:(略)このホールは吹田の駅前、歩いて1分。だけど、周りに店屋がなにもないのは20年間かわっていません。吹田に行くと、メイシアター以外、なにもない。会館にレストランがあるが、9時がラストオーダーです。なにかイベントをした後どこで一杯飲むかというと、十三、梅田にいく。結局ここは通過点なの、と思っています。メイシアターは素晴らしい立地条件なのだが、街造りは市民が誇れるような環境をつくることが必要。用事が無くてもフラッとくるような環境になるかが、この10年間の分岐点だと思います。

平田オリザ:1年に4分の1はフランスの劇場で働いていますが、フランスでは終演後にカフェで午前1時頃まで喋るものです。もうひとつ、先程の基調演説で最後にいったように、発信、創造型が課題になっていくと思います。日本はGDPで比べると文化予算は極端に低い。タリバン政権がバーミヤン遺跡を壊したのを世界中から非難されました。世界人類の財産だからです。日本政府は世界中で極端に文化予算が低い。文化政策は遺産を保護し、保存し、発展して継承させることにあります。保存だけしていたら必ず廃れます。日本の文化予算は保護は出来ているが、発展継承させていません。日本政府だけは創造活動していないのです。普通にやると東京一極集中になってしまう。科学技術は全国の大学が競って基礎科学を発展させようとしています。大阪からも世界水準の作品を生み出していかなければいけないのに、それが出来るホールが大阪市内にありません。市民の人たちのホールが最優先だが、そのバランスをどう取っていくか。最終的には市民が誇れるホールにどうしていくか。

藤岡幸夫:僕と関西フィルはメイシアターにはお世話になっていて、七夕と12月に第9を演奏しています。合唱団は始めて5,6年、第9の合唱団を関西一にしたいと本気で付き合っていて、人数は関西一になっています。夢を見させて貰っている。周りにお茶を飲むところはないけれど、駅がこれだけ近いのは集客に大事です。大ホールは極めて音響が良い。シベリウスを録音したときにホールを無償で貸して貰いました。このような付き合いが出来ているのは有り難い。関西フィルと付き合い始めて11年になる。毎年40回から50回やってる。世界中でも珍しいほどの数。どうしてかというと、オーケストラと指揮者は敵味方なので、20回を越えるとイヤなところが見えてくるのです。でも本当の個性派とことん付き合って判る、個性が出てくると思っています。関西フィルの前はイギリスで15、6年住んだが、そのときに思ったのは、ヨーロッパに行って直ぐ思ったのは、日本の素晴らしさ。その一方でおかしいと思うのは、東京への一極集中。東京のオーケストラに助成が沢山行っているように見える。あらゆる意味で東京が優遇されているように見える。こんなに東京集中が続いている日本は、発展途上国である。関西フィルと出会い、関西で仕事が出来るのは天命と思い、やって来た。地方の劇場文化の素晴らしいお考えを聞かせていただいて、これからの日本は、東京以外の人たちにどれだけ裾野を広げるかが勝負。ただでさえ遠いと思われるクラシック音楽をどれだけ近くするか。なんの知識もない人が、自分の町のホールにオーケストラが来た時に来てくれる人をどれだけ増やすか。演劇の地声の抑揚で客席に伝わるもので、落語も同じ。普段、身近に趣味としてないとしても、身近にリピーターとなってくれるライブを体験してくれる人を増やすこと。(略、同じ指揮者とオーケストラの組み合わせで何度も呼んでくれるのは関西だけである、など)小林事務局長が「今に判る、東京は田舎者の街。値段が高いものが良い、本気で応援しない、関西の方が文化度が高いよ、東京は情報量が多い。でも文化は関西。」という。文化の中心は関西。そのためには経済的にも。地元の企業が地元に根付いていれば、もっと発展する。関西フィルに全てをかけるので、よろしく。

(以下、関西及びメイシアターについての話、省略)

平田:富士見市で5年やった。30分で池袋にいけるから、ホントはいらなかったかもしれない。でも、出来ちゃったんで、交流事業に力を入れようということで、全ての公演に付帯事業を付けた。昼間の開いている時間帯を無料に貸して交流事業をさせた。市民に愛される交流施設を目指した。誇りになって貰うために国際交流事業をやった。先週、フランス演出家と富士見市民でパーフォーマンスを作った。メリハリ。吹田の地の利を生かして創造事業を。日本のアーティストは個別で負けるとは思わないが、劇場のプロデュース能力と劇場の教育システム。グローバルなマーケットは、劇場が作って売っている。新国立劇場の問題点。劇場のレパートリーにして買い取ってもらえない。音楽でも、企画コンサートを他の地域、国外に売って回せる。パッケージを作っていく。(以下、新国立劇場批判など、省略)

平田:日本では劇場の支援会員制度が発達していないが、アメリカでは会員が席まで決まり、相続の対象にまでなっている。だから劇場が街の社交場になる。それくらい時間を掛けて社交場を作っていく。その席の行けないチケットは、地元の若いアーティストの招待にする。そういう会員制度が充実すると、芸術監督が推薦するものなら観る、という風になる。そうなると、つまらないものでも納得してくれる。

(以下、吹田でこの3人でなにかやりたいという話が、桂と藤岡で盛り上がる。省略)

金森:芸術文化がなくてはならないものだと多くの人が認識して欲しいが、政治をする人に文化の大事さを知って貰いたい。なくてはならないものだということを、言葉でヒントをいただきたい。

平田:言葉では難しい。芸術監督になったとき、市に頼んで、市議会議員にワークショップした。地域と車座集会して理解して貰った。教育委員、小中学校の先生にワークショップした。客席で愉しむだけではなく、効果があると言ってまわった。行政関係、教職員のワークショップを地道にやること。

藤岡:確かに興味のない人に言葉でいうのは難しい。行政や企業の人に実際に聴いて貰うのが一番大切である。この10年間、初めての街とかでは地元の吹奏楽団とオーケストラの共演をする。学校のオーケストラをまわってコンサートの前に指導する。地道なことはありとあらゆることをしている。オーケストラの中で聴いて貰うチャンスをつくる。いろいろやっていくことが大切。それだけ裾野が広がれば、サポートしてくれる人に来て貰う。それをやってきた。

桂:参加するのは非常に良い。それはどんどんすべきだが、学生ばっかりが集まっていると、白けてしまう。学校公演はなくすべきである。やるなら保護者同伴。周りの保護者が笑うから、これは面白いと思うのである。子供らは考えることをしなくなった。5分辛抱することが出来ない時代になったので、その子供らを舞台に振り向かせるのは、高齢者の協力がいる。バブルの頃から客席がシーンとしている。今は高齢者の元気が日本に必要。本当の舞台芸術はこういうものだ、ということを教えて欲しい。

金森:子供の無表情はどうすれば。

平田:昔からの体育館で座らせて鑑賞させるのは時代に沿わない。観るのはこれだけ立派な劇場があるので、観るのは劇場に来て貰い、鑑賞教育の場なので、学校単位で一般観客と一緒に観て貰うのが大事。コミュニケーション教育が演劇ダンス、プロの実演家が入っていくというのが始まっている。そういう授業が始まっているので、感動を失った子供に、今の時代に、感動の質が違ってきている子供らがやっぱり生は面白いと思ってくれる仕掛けを工夫しなければいけない。

金森:実際に体験する場が大事、それを沢山持つのが大事。文化審議会の答申を見ていると言葉は良い物があり、記憶にあるのは、「文化芸術を体験することで、他の人を思いやる気持ちが育まれる」という言葉。

平田:コミュニケーション教育が異文化理解。オーストラリアとカナダで盛ん、市民を育てるために。演劇は役割分担がし易い。スポーツと芸術は多民族社会には重要。今後、研究者が増えてくる。優秀な研究者に阪大が来て貰うために、吹田が国際的な感覚を持った持ちになって貰わないと大学も衰退する。大学が吹田に協力するのは当然。芸術文化を使って国際都市にするのは大事。

(以下、質疑応答3件ほど、終わったのは9時10分くらいで、確かに会場を出たら周囲に飲みに行く場所のひとつもありませんでしたとさ。)

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