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大雪のニューヨークを歩くには [マンハッタン無宿]

ピート・ハミルまんまパクリのタイトルだなぁ。

昨晩から早朝にかけてブリザードが暴れたニューヨーク地区、朝になればすっかり天気も回復し、先月にやくぺん先生が東京に戻った直後に街を襲い市民や旅行者を大混乱に陥れた年末ストームの二の舞になってはたまらんとあれやこれや先手を打ったNY市当局の対応に天も納得なされたか、さしたる騒動にもならずに済みました。ローカルテレビ局NY1は、「今日は学校、やりますよ」と盛んに放送してます。休みを当て込んでたわんぱくなチビッ子たちはガックリかもね。

朝の9時からヴィレッジの劇場で「音楽キャリア・マネージメント担当者連絡会」なるコンファランスがあり、中心人物のひとりがうちの奥さんが翻訳書を出しているピンク本の著者、アンジェラさん。となれば、取るもの取りあえず駆けつけねばならぬ。幸いにもストーム吹き付ける事態はなくなったとはいえ、うちの奥様ときたら知る人ぞ知るきょーふの方向音痴。毎年行ってる劇場なのに、雪なんぞ積もろうもんならもーどこがどこやら判らない。んで、連れてっておくれなもし、と哀れな目でお願いされれば、愛する妻のため、雪の数インチなんぞなんのことあろーか。かくてあたしも、朝っぱらから遙か南はワシントン広場の向こうまで出かけたわけであります。

マンハッタン厄偏庵を出れば、積み上がった巨大可燃ゴミの上に雪が積もってる。ほれ。昨日の真ん中の写真と同じもの(反対側から撮ってるけど)。
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歩道は雪かきされてる。でもなんのことない、雪をゴミになったモミの木の横に積み上げただけじゃないの。

んで、地下鉄で延々と下り、グリニッジ・ヴィレッジの駅で地上に出たら、目の前の7番街をNY市が誇る最強兵器、除雪車軍団が列を成して通り過ぎる。全部で10台くらいの巨大コンボイだぞ。早朝にブロードウェイの方からデカイ音を立ててたのは、どうやらこいつららしい。スゴイぞっ、NY市!
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雪かきという作業で困るのは、どこに雪を捨てるかです。この巨大除雪車コンボイも、結局のところ、雪を路肩に除けているだけで、溶かしてるわけではありません。ですから、雪の壁が車道とか、ことによると歩道とかに、どんどん積み上がっていく。市民の雪かきだって、こんなものだし。
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そんな作業の結果、大阪や名古屋の道のように広いマンハッタンなんだけど、車道ばかりか歩道も、実質的に通れる場所が極めて限られてしまう。車道は実質1車線潰れちゃう。普通の通りでは歩道も使えるラインはひとつになって、別のラインを取ろうとすると高く積もった雪に足をずっぽりと突っ込まねばならなくなる。

これが困る。

ニューヨークの生命体ってのは、普段は「赤信号は自己責任で渡れ」と信じていて、歩き方も好き勝手。だから、歩道で取れるラインが1本だけになっちゃうと、もの凄く動きが不自由になるのですね。
特にマズイのは交差点近傍で、信号待ちからどう飛び出るか、信号でやってくる車にどう対処するか、普段は相手を見ながら非常に自由な動きをしている(つまり、臨機応変に滅茶苦茶、っこと)、上海とか北京みたいに「多数決が勝ち」って無茶さじゃなくて、ひとりひとりが誠に勝手に動いており、雪の壁の御陰でそんな動きが封じられるんで、もうみんなすごおおくやりにくそう。

大雪の後のニューヨークには、いつもと違った、借りてきた雪上の猫のようなお行儀の良い街が広がってる。半日もすれば、またいつもの好き勝手に風を切って闊歩するペンギンか白熊の群れになるんだろうけどさ。

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