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情報格差? [演奏家]

本日、連休初日のノンビリ感溢れ、お日柄も良かったかホテルの宴会場は晴れ着や黒正装の老若男女で溢れる午後、都内某所でケレマン君にインタビューしてまいりました。いやぁ、とホテルロビーで出会うなり、「今年になって会うのは4回目だけど、いつも違うところだなぁ」と笑ってました。ま、それが演奏家の生活なんだわな。

さても、話の中身は流石にばらすわけにはいかないんだけど、絶対に記事としては使えない部分で極めて興味深いことがありましたので、記しておきます。

「東京はヨミウリオケと明日明後日のチャイコフスキーだけ。そう、オリジナル版の音がいっぱいある楽譜で弾くよ。僕は昔からずっとあの版使ってる。ここが終わるとクアラ・ルンプールでシベリウス。いや、指揮はアルミンクじゃない、それは前にマレーシアに行ったときさ…」

って話から、大方の想像が付くであろう展開になり、録音機のスイッチを止めて、実はね…ってひそひそ話。311以降の外国人演奏家のキャンセル続きについて、カウフマンのこと、バイエルン歌劇場のこと、などなど。

で、面白いことに、ケレマン君本人は来日で放射線がどうの、ってことを全く気にしていなかったんです。へえ、そんなに酷いんだぁ、って感じで拍子抜けなほど。あれこれキャンセルが続いたというのも、どうやらあまりご存じないようです。
ケレマン君はブダペストに住んでいて、ソリストとしてどっかに出かけているとき以外は、今はリスト音楽院で教えているのは週に2時間だけなので、もっと忙しい奥さんの代わりに子供を幼稚園に連れて行ったりしてるそうな。「こんなに子供と一緒に居るヴァイオリニストはいないぞ」と爆笑してました。つまり、普段はごく普通のハンガリー市民、ってこと。

そんな風に当たり前にブダペストに生きている人にとっては、どうやらFukushimaの話はあまり伝わっていないようなんですね。無論、ハンガリーは今、国内政治が大変なことになっていてそれどころじゃないだろうし、なによりケレマン君個人とすればこの半年といえば弦楽四重奏の楽譜に頭を突っ込んで生活してたようなもんなんだから、彼が特殊な例なのかもしれませんけど。

今回読響をキャンセルした指揮者さん(ケレマン君は凄く親しい友人だそうですけど)、彼も放射線がコワイわけじゃなくてホントに急な検査が必要になったんで、本人は日本の人に誤解されたら凄くイヤだなぁ、と言っていたそうです。指揮者の方が少しは事情通、ってことかしら。

まあ、ひとりの発言で「ブダペストに住んでる人たちは…」と一般論を展開するわけにはいかぬのは百も承知ながら、やっぱりドイツやオーストリアとドナウの東とでは随分と空気が違うようです。

いろんな意味で、世界は広い。

追記
本番直後、楽屋で撮影したケレマン君ポートレート。インタビューのときに写真を撮ってこいと編集者様に命令されていたのだが、だぼシャツみたいなもんを着てたんでこりゃダメだと撮影出来ず、しょうが無いから本番裏に撮りにいったときのもの。
007.JPG
なによりもオケに大受けだったのが印象的。チャイコフスキー、半分をG線つかってんのかぁ、って刺激的演奏でした。

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コメント 2

上野のおぢさん

ところで、ケレマン様は次はKLでマレーシア・フィルとシベリウスとのことですが、指揮者のエルツ氏はちゃんと指揮するようですね。病気も治ったのですね。
by 上野のおぢさん (2011-10-12 09:44) 

Yakupen

上野のおぢさん様

あ、そーなんですね。うううん、まあ、邪推はなし、ということにしましょ。ケレマン君自身は、ああいう陽性のキャラですので、もう日本に来るのは嬉しくてたまらないみたいでした。4月には紀尾井で、なぜかヨアヒムの協奏曲を披露してくれます。クァルテットは、小生がこれから騒ぎまし、興味を持ってるプロデューサーさんもいるようですよ。乞うご期待、と言えるのかどうかはなんともねぇ。

by Yakupen (2011-10-12 12:17) 

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