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変わっていくもの・変わらないもの・変われないもの [ゆふいん音楽祭]

ついこの前と思っていたけど、なんと5ヶ月ぶりのゆふいんです。

こんな短い間にも、冬が春になり、もう田圃では田植えも始まっている。あっちこっちこの地球の上をウロウロし、今やってる単行本作業で小生が担当している取材&執筆作業を停滞させているうちに、いつもはノンビリのゆふいん側では着々と作業が進行しており、難航していた収録CDの音源が決まってしまったどころか、なんとなんと道夫先生が新録音をすることになり、先月、ご自宅で小品3曲の録音も終わってしまった。

今回の滞在、湯布院町にサントリー地域文化賞などをもたらした長老おふたりへのインタビューというなかなか気を遣う仕事もあったけど、ま、それはそれとして、いちばん大事は前音楽祭実行委員長加藤さんのお宅のオーディオセットでマスターをじっくり聴く作業だったかも。金環食はどうせ天気が悪いだろうとすっかり寝過ごし(実際、曇りや雨でダメだったみたい)、のそのそ起き出して、「ちょっとこい、ちょっとこい!」ってコジュッケイの声を間の手に、小林先生は小川を挟んだ向こうでもうお勉強をなさってる気配を感じながら、隣家で収録されたシューベルトを聴き、黒沼俊夫御大のピチカートにしびれ、岸辺百百雄先生の一切の崩れのない端正さにこれぞほんまもんのヴィーン也なんて快哉を叫ぶ。至福の時間。

30年近い時間を経て、変わったもの、変わらないもの。それらをいきなりならべても、なんの違和感もない不思議。

さて、由布岳の麓から金隣湖まで下って、インタビューへと急がねば。実行委員長宅まで、新しいバイパスが田圃の中を通りました。上流に砂防ダムを造るための臨時の道路が、どうやらそのまま新しい盆地への近道になるらしい。
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変わっていくもの、変わらないもの、変われないもの…ノンビリした風景には些か不似合いな深刻な話をしながら、加藤元実行委員長と蛙の声の中を盆地の底へと歩く。小雨が落ちてきて、肌寒ささえ感じる観光シーズン外れの麦の秋。

「ゆふいん音楽祭の記録(仮)」、豪華特別CD付き、内容その他、詳細発表はもうちょっとお待ちあれ。

棚田抜け チェンバロ運ぶ 畦の道

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上野のおぢさん

先生、お忙しいから葛飾に籠もると仰せながら、湯布院をチョコマカなさって神出鬼没ですね。それにしても、黒沼さん、岸辺さん懐かしいですね。今日の日本のクラシック音楽界を創ってきた大御所ですね。演奏も格調高いのでしょう。
近年、一般の音楽愛好家のブログでのコンサート評を見るにつけ、「日本のオケの音が剛直、音量が小さい・・・、クライバーの演奏と比較すると格段に落ちる・・・」などいろいろな書き込みを見るにつけ、日本の愛好家(すべてではないにせよ)の音に対する美的感覚に疑問を抱いております。私の感覚が、日本のの愛好家の好みから大きくはずれてしまっているのかもしれませんが・・・
第一線を退いたイコール”チャンじい”という見方ではなく、一時代を担ったベテランの演奏にも耳を傾けたいです。演奏家が絶頂を過ぎて老境にいたる過程で、いかに音楽を創っていくのか興味があります。技巧の衰えをうまくカバーする仕方にも興味があります。(ただし、数年前、中村、海野、堤のトリオ復活演奏は、obsoleteで好きになれませんでしたが。)
今後とも、いいお話よろしくお願いいたします。
by 上野のおぢさん (2012-05-22 09:02) 

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