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価格破壊か東京シャトル [たびの空]

月曜日の午後に成田に到着、嫁さんと一緒に佃の厄天庵に戻ったわけですけど、ちょっといつもと違う道を通ってみました。なんと、京成本線から浅草線、大江戸線で月島駅に至るよりも安い、激安ルートです。

今月頭から成田空港は「東京のルートンやらスタンステッド」という新たな顔を持つようになった。そー、巷で話題の(なんだろーなぁ)LCC、空の長距離バスたる格安航空会社が本格的に成田拠点での運行を始めたわけです。
となると困るのが、成田へのアクセスの値段。東京東部やら埼玉なんぞに住む方は成田に行こうが羽田に行こうが変わらんでしょーが、なぜか世論形成の中心勢力になってる東京西部から多摩、神奈川地区の方々は、「成田は遠い、不便」と繰り返す。日本で沖縄に次いで米軍基地が多く、そのお陰で西側には民間空港が作れないという事実を棚に上げて何をさらすか、と言いたいところだが、まあ、あたしも人間が出来てるのでそこまでは言わないであげよー。うん。

もとい、で、成田へのアクセスはこれまでは「空港に行くんだから、多少は高くても仕方ない」という前提に則って出来ておりました。だから、高い。タクシーは論外にしても、バスも35ドル、本数が多くはないアクセス列車にしても20ドル以上する。これでは、LCCがどんなに安い運賃を付けようが、空港往復でガッツリお金がかかってしまい、羽田でも違わないことになってしまいかねない。

そんなわけで、滅茶苦茶高い日本の国内移動の価格破壊と同時に、鉄道とリムジンバスが平和に高止まりで棲み分けていた空港アクセスの価格破壊も始まらざるを得なくなったわけです。やっと成田も世界の普通の空港に近くなってきた。その名も「東京シャトル」。まんま過ぎるけど、誤解しようもないぞ。
http://www.keiseibus.co.jp/kousoku/day/nrt16.html

さても、シベリア横断の10時間とちょっとのフライトを終え、成田のAランの北側から到着。第1ターミナル南の端っこの方のゲートに入ると午後2時半くらい。乗り合わせた原田禎夫さんなんかにご挨拶し、荷物を拾い、税関ゲートを抜けます。と、目の前には市内アクセスの様々なカウンターが並んでる。JRやらには目もくれず、左端の京成バスのカウンターに直進しましょう。東京シャトルなる広告が小さく出てます。隣のリムジンバスさんを刺激しないように、って配慮なのか。それとも1時間に1本なんで宣伝しすぎて客に並ばれたら処理できないからなのか。ここで現金で800円也を払います。売り切れかな、と心配したけど、全然余裕のようでした。わああ、リムジンバスの4分の1弱じゃあないか。いくら9月末までの特別お試し運賃とは言え、やってくれるなぁ、京成バス。
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バス乗り場は、オレンジと白のお馴染みのリムジンバスの乗り場より南側、ずらりと並ぶバス乗り場の隅っこ、31番乗り場です。スターアライアンスからはなんてことないけど、スカイチームで到着するとかなり遠いですね。ANAの国内線カウンターがあり、手荷物宅配便屋さんが数件店を構えている前にかなり広いスペースがあり、椅子が並んでる。みんな荷物を入れ替えたりしてる空間です。バス乗り場は目の前に見えるので、そこで涼んでれば大丈夫。1時間に1本で、わしらは3時10分のバスが出た直後くらいに切符を買ったんだけど、バタバタしていると時間は過ぎていき、えらく待たされた感はありませんでした。

さて、4時過ぎにバス停前に出て待ちましょう。おお、TOKIO、涼しいじゃないかっ。リムジンバスのようにバス停にスタッフが何人もいて荷物のハンドリングをしてくれるわけではありません。小生らを入れて総計6,7名の客がぼーっと待ってます。
定刻の4時10分を数分過ぎ、東京シャトルと大書きしたバスがやってくる。「トイレ無しです」などと言うから、まさかと思うがネイビーブルーと白の京成路線バスが来るんじゃぁあるまいなぁ、と思わなくもなかったけど(関西空港の桃航空が空港内乗客運搬バスに南海の路線バスをまんま使ってる例もあるし)、幸いにちゃんとした高速道路運行用のバスでありました。
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このバスのメインターゲットたる第2ターミナル国内線到着口から乗ってきたと思われる乗客は、2列がけの席がほぼ埋まる、ってくらいの数。LCCの常識から言えばこんなもんでは困るのだけど、嫁さん曰く「リムジンバスって、3人くらいしか乗ってないこともあるもんねぇ。」ま、言われてみれば確かにそうだ。こんなもんじゃないと、最後の停留所たる第1ターミナル南国際線到着口までに座席がいっぱいになりかねないもんなぁ。

かくていつものように成田から高速に入り、延々と千葉の緑を眺めます。走り出せばとりたてて違うところもないわいな、と思ってたら、おっとぉ、千葉市内に入った辺りで違うこと始めたぞ。このバス、エアポートリムジンのように湾岸線を通らず、京葉道路に入って、昔の千葉の海岸沿いを一路東京へと進むのでありました。へえ、こんなの始めてだぁ。それどころか、バスの高い視点から千葉街道沿いを眺めたのも始めて。国府台の丘を眺めつつ江戸川を越え、中川放水路を跨ぎ、葛飾ハープ橋を向こうに眺める頃には、進行方向右側には天樹が見えてます。京葉道路は総武線から数キロのところをほぼ並行して昔の始発駅両国まで進むのだから、当然ながら、亀戸錦糸町の辺りからは、天樹がにょっきりと聳えている。起きてる乗客にはきゃーきゃーのカメラタイムでありますな。
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ぐるっと大周りする首都高湾岸線に比べれば、京葉道路は圧倒的に距離は近いんだけど、問題は箱崎前の両国橋南大川上での合流。月曜夕方は幸いに全く混雑もなく、あっさりと江東区から我が中央区に入れました。新大橋の向こうからだと、厄天庵は最上階辺りしか見えないなぁ。

かくて日本橋上空を抜けて、日銀の横から東京駅へと降ります。八重洲北口に到着というので、いわきからのJRバスなどが到着する大手町側のバス溜りに停留所があるかと思ったら、なんと、八重洲口から昔のお堀を渡った側、大黒屋なんぞが並ぶ辺りにバス停があって、そこで下車となりました。
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ここまでで55分くらい。これってリムジンバスで東京シティ・エア・ターミナルに到着するよりも短いんじゃないかい。箱崎向こうの合流から日本橋の上にかけての慢性的な渋滞に巻き込まれたら大変だが、うまくいけばこれは速い!

バスはこのあと、八重洲通りを通って、恐らくは厄天庵の前を抜けて、東雲の京成バス車庫に向かって、そこが終点。東雲車庫は乗客は殆どいないようでした。豊洲の人ならばそっちがいいかなぁ、でも、使いにくい場所ですからねぇ。

以上、成田空港発の激安アクセス、東京シャトルでありましたとさ。やくぺん先生とおくちゃまは、この後はいつも東京駅から都バスで戻るのと同じ調子であと200円で帰ってくるつもりだったけど、流石に荷物が多くて都バスに乗ろうものなら顰蹙をかいそうだったので、諦めてタクシーで760円也で厄天庵に戻りました。総計成田から2人で2360円!リムジンバスのひとり分より安いし、最後はタクシー乗って厄天庵地下まで乗り付けてるのに、京成電鉄&都営地下鉄よりも安いではないかっつ。

東京シャトル、通常料金になると、予約で1000円、飛び込みで2000円だそうな。うううん、ちょっと微妙だけど、京葉道路が流れていれば全然OKじゃないかしら。利用するかどうかは、東京駅からどこまで行くかによって判断が違ってくるでしょう。少なくともジェットスターやエア・アジアで札幌から戻ってきたときには、使わない手はなかろーに。

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上野のおぢさん

先生、バス好きの私にはうれしいニュースです。たとえ、飛行機に乗らなくても一度のってみたくなってきました。
いいお知らせ、有難うございました。
by 上野のおぢさん (2012-07-13 08:54) 

Yakupen

上野のおぢさんさま

珍しくも大阪に向かう新幹線の真ん中席から。ええ、このバス、成田に向かうときにはきっちり警備のコントロール抜けますので、飛行機のチケットがない場合は写真付き身分証明書をお忘れなく。持ってないとどうなるのか、実験してもらいたい気もするけど。
by Yakupen (2012-07-13 10:15) 

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