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成田空港→湾岸晴海過去最短達成記録更新 [たびの空]

昨日は無事に、東京湾岸晴海で午後3時過ぎから鳴り始めた三善晃ギター五重奏曲「黒の星座」初演以来恐らくは2度目の公開演奏に間に合いました。関係者の皆様、ご心配かけましたです。以下、フェイスブックではライブでお伝えした玄界灘越え移動のやくぺん先生的過去最短記録の詳細です。

午前7時半、釜山西面地区某ホテル発。地下鉄2号線にて西面駅から軽便鉄道に乗り換え、釜山空港に8時過ぎに到着。土曜日朝でも列車運行本数は普段と変わらず。空港方面に働きに出るお父さんたちとちょぼちょぼの旅行者のみの軽便鉄道であった。山の向こうの市街の方から、遅い1月末旧正月前の朝日が昇ってくるのであった。
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空港でチェックイン。デルタ航空でいただいた大韓航空の無料航空券のため、前日にウェブチェックインが出来ず、こんなに早く空港に来なければならなかった。「ともかく、前の方、席はどこでも良いから」とカウンターで言い立てたら、「隣が赤ちゃんだけど良いですか」と訊ねられ、なんでもいいからともかく前、と言い張って、ちょっとカウンターのおねーさんは渋々風だったが、出していただく。渋々の意味は数時間後に発覚するのであーる。

早すぎるし朝飯喰ってないので、空港出発ロビー上レストランで真っ赤な汁の中に麺と海鮮が浮かぶ「唐辛子ちゃんぽん」なるものをいただく。7000ウォン。
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しっかり海老の出汁などが取れている筈なのに、ひたすら辛いのみ。うううう…

ヴェトナム航空ハノイ行きと出国が一緒になり、イミグレーションがとても時間がかかったけど、なんとか突破。KALラウンジ前で漏れてくる無線LANを拾って細かい連絡仕事。釜山空港利用者の皆様、出国ロビー上層階の航空会社ラウンジ前の椅子は、穴場です。静かだし、無線LAN使えるし。

10時20分、搭乗の時間だが、機材遅れで搭乗が遅れる、というアナウンスがあり、おおおおこれは駄目だ、と諦めるが、数分後に搭乗開始の案内。結局、5分遅れただけで、10時25分過ぎに機内に入れました。極めて偏西風が強いという情報が東京から入ったので、このくらいの遅れはなんぼのもんじゃい、という気になってくる。

さても、指定された席は、A330の貧乏人席用搭乗口を入って直ぐ、貧乏人席の一番前の壁際真ん中4列の通路側。やったぁ、成田到着後ダッシュの為にはパーフェクトな席だぁ、と喜ぶ。やがて反対の窓側2列の席にお婆ちゃんとお母さん、それに乳飲み子さんがやってきて、ああこれが赤ちゃんだったのか、とラッキーと思ってたら、出発ギリギリに隣の空いていた席に赤ん坊を抱いた韓日完璧バイリンガルな若いお母さんがやってくる。おおお、両側赤ちゃんだぁ、と2時間の苦行を決意するのであった。

機内扉が閉まっても、隣の赤ちゃん席の後ろの窓際2席が空いている。タッパがあってスタイルが良くて綺麗で韓流アイドルみたいに歌って踊りそうなすちゅわーですのおねーさんに、そこに移っても良い、隣の赤ちゃんさんにはここは開けた方が良いでしょ、とまるで良い人のようなふりをして悪辣にも席替えを申請。すちゅわーですさんも隣のお母さんも、おお、なんて良い人なのだ、どうもありがとう、と喜んでくれ、やくぺん先生的にも窓際2席を占拠出来た上に、前から2列目で到着後も降機に時間のかかる赤ちゃん連れしか前にいないのだから実質一番最初に出られる席を確保出来る。良い人ぶれて、自分もうまい具合に出来て、こんなに良いことはないわけであーる。わぁっはっはっはぁ!

てなわけで、定刻10時50分発、ほぼ定刻くらいに(やくぺん先生は腕時計を持たないために、機内で携帯電話を切ってしまうと、細かい時間は全然判らなくなるのですぅ)釜山空港を北に向けて離陸。空港ターミナル北にある韓国空軍の施設は、到着時にはC-130とか、あのスペイン製だかのちっちゃな戦術輸送機とか、虎の子B737タイプの早期警戒機なんぞが並んでたんだが、そっちは見えない。土曜日の朝で、軍隊はお休みっぽい感じ(掩体壕の中に戦術輸送機を入れてるのは、流石に本気で戦争をやる気のある軍隊だなぁ、と感心しますね。なんせこの地では、地上戦では補給がなにより大事という事実は、釜山にまで南軍を押し込んだ北軍の兵站線が延び切って敗戦に転じた歴史としてしっかり記憶に刻み込まれているのでしょうから)。と、離陸した直後、東側の大韓航空整備エリアにF-16が2機と、その間にF-15がおるではありませんかぁ。なんか311直後のミネアポリス空港に州空軍のF-16数機がアラーとしてたのを思い出すぞ。警備上の理由でコリアン・イーグルの姿は丁度翼に隠れたショット。
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んで、ぐるりと左に旋回して釜山市内を横切り、ヘウンデ上空から玄界灘に出ます。赤ちゃん席では、前の壁面にでっかい赤ちゃん用ベッドが設置され始めてます。確かにこりゃ、赤ちゃん席にいたら、もう気持ちはお父さんがおじーちゃんにならざるを得ない状況であった。KALカウンターのおねーさんが指定したがらなかったのも判りますわ。
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この数日の睡眠不足、ちゃんと寝ておかないとまずいと思いつつも、飯が出ればまた喰ってしまい、そうこうするうちにもう小松基地上空で、グルッと東にまわりこみ、アルプスを通過。
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この辺りで慌てて機内販売をやってるぞ。クルーは大忙しです。なんせ、偏西風が猛烈に強く、良い飛行機なんだけどどうにも鈍重でエンジンパワー不足で遅いなぁ、って感じは否めないA330をガンガンに後ろから押してくれる。お陰で対地速度は時速千キロを越えていて、787みたいな速い飛行機だったらこれは数字的にはマッハを越えてるんじゃないか、ってくらいの猛スピード。いわき上空手前でぐるりと南に向かって太平洋を南下、曇り空の下、いつもの横芝と松尾の間くらいを突っ切りAランに着陸。遥かに東京天樹が眺められる。
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タッチダウンは12時34分くらいでありました。

預けた荷物なんてないんだから、赤ちゃんのママに良い人ご挨拶をし、扉が開くや真っ先に降機、だあああっと走るように入国から税関を抜け(ヨーロッパ帰国便の遅いのがいくつか入る時間で、それなりに混んでいた)、地下の京成ホームに走り、12時58分発のスカイライナーに乗車します。流石に入国ロビーの京成カウンターでは、もう出発10分前を切っていたので切符を買えなかったけど、まあ、それでも4分くらいの余裕はありました。かくて、セシウムがうっすらと降り注いだ麗しい印旛沼を横切り、遥かに筑波も眺め、葛飾厄偏舎駅を通過し、京成上野駅到着が13時41分。さても、今回のアクセスの最大のネック、大江戸線までの長大な地下連絡通路です。幸いにも上野駅側からだとダラダラと長い下り坂になっているので、思いの外無茶な接続ではなく、上野御徒町発13時50何分だかに間に合い、勝ちどき駅到着は14時11分。トリトンへの道を走るように進み、トリトンブリッジを渡り、第一生命ホールに到着したら
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前半の2曲目、シューマン第3番の第2楽章をやってる途中でありましたとさ。

かくて、成田タッチダウンから晴海第一生命ホールロビーまで、1時間と45分でありました。ま、最短記録と言えましょー。入国終了時点からだと、1時間25分くらいだもんね。

ちなみに、昨日はスカイライナーがうまい具合にあったから良かったんですが、プランBとして考えていたのは、「リムジンバスでTCATまで行き、そこから晴海トリトンまでタクシーを飛ばす」、プランCは「リムジンバスでTCATまで行き、嫁さんに自転車を持ってきておいてもらい、飛び乗ってトリトンまで向かう」でありました。勿論、「成田に誰かを呼びつけて車を飛ばす」とか「タクシーをぶっ飛ばす」という究極のプランZもあるけど、流石になぁ。ちなみに、「アークヒルズまでヘリコプターで行き、タクシー」というウルトラリッチな方法はあるけど、これ、ヘリコプターアクセス時間などが案外とかかるんじゃないかしらね。どうなのかしら。だれか、やったことある人、教えてちょ。

さて、成田空港は遠いか?なお、3月には羽田午後1時半着、晴海開演午後2時、という課題に挑戦する予定であります。ふううう…

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上野のおぢさん

先生、またまた飛行機の詳細な報告を有難うございます。A330はスピードがおそいのですね。やはり米国(主にBoeing)の飛行機の方がよいのでしょうか?
さて、カルテットのメンバーもあちらこちらで移籍が結構あるものなのですね。皆さん、後進の指導、独奏、はたまたオケに属したり、立派に生活していかれているのですね。
by 上野のおぢさん (2013-01-28 12:40) 

Yakupen

いや、あくまでも乗客としての印象です。でも、実際に330と340はかなりエンジンに無理してて遅いそうで、シベリア越えやら北太平洋横断などの超長距離便では他の機種と空路を別に設定しているそうです。アメリカ系とかってよりも、あの飛行機が、ってことなんでしょうねぇ。こういうことは滅茶苦茶マニアックに詳しい人や、ホントのプロの方がいっぱいいると思いますよ。

弦楽四重奏の生活は、やっぱりちょっと特殊なメンタリティが、もの凄いもーティヴェーションか、さもなければしっかり稼げる状況がないと、ずっと続けていくのはしんどいみたいです。年間に実質数回しかやらない、って形ならば逆に続くんですけどねぇ。

by Yakupen (2013-01-28 13:32) 

octavian

大変なご苦労でした。

でもあの大雪の日に上野にいったわけではないのだから、たいした苦労ではないですわな。

やくぺん先生的にはプロジェクトQなんて、オールムシなんですかね。
by octavian (2013-01-29 22:50) 

Yakupen

octavian様

クァルテット・アトムは行くつもりだったのですが、ともかく原稿が厳しくて。昼間の11時からやるのは酷いでしょ。丁度降り始めた時間でしたよねぇ。

プロジェクトQは、ちょっとしんどいです。無視どころか、最初の頃はかなり無理しても見物してたんですけど、コンクールレベルで必死に弾いてきてる若い連中ならともかく、正直、最初の頃に習ってた連中が、教えて貰うために無理に団体を組まされた上に、次々と別の先生が別のことを言ってくるので困るよなぁ、と漏らしていたのを眺めて、あああこりゃ駄目だ、と思ってしまったですよ。

まあ、今は少しは空気が違っているのかもしれませんが、ま、自分たちのお勉強のためにやってるのにこっちが付き合う必要はない、ってことです。本気でプロとしてクァルテットのキャリアを作ろうと決意した若い連中は多少無理してもみておかねばならないですけど(それこそ今はミュンヘンにいるノーヴスQとかね)、お勉強としてやってる連中は、やってる中身についてあれこれこっちが考えてもしょうがないわけですから、勉強が済んで本気になったら聴かせてちょうだいな、ってことです。そうしないと、体がいくらあっても足りません。だからJTでいろんな先生が出してくる若い連中も、ある時期から聴きに行かなくなりました。ゴメン。

てなわけで、名古屋の星、クァルテット・アトムは聴きたかったんですけどねぇ。今度のほんちゃんのときも日本にいないし。ううううん…

それに、もうひとつ本音を言うと、もう20代前半の世代は、小生なんぞが守備範囲にしてはいけないと思うのですよ。その世代は、30代の若いライターさんや評論家さんが観ていって、一緒に育っていかねばならない。小生らがハレーやらイグレッグやら、ロータスやらエクやらアルモニコやらを眺めてきたみたいに、若い業界関係者が付き合っていかねばならない。だって、小生が死ぬときに、やっと結成10数年なんてわけですからねぇ。

by Yakupen (2013-01-29 23:21) 

octavian

お答えいただきありがとうございます。なるほど、そういう背景もあるわけですか。わたくしも大した理解力はないのですが、最近室内楽が面白くなってきて、かつ若い人を応援したい気持ちもあるので、若者のお勉強の演奏であってもそれなりに楽しんでいるのですが。

やくぺん先生の後を継ぐ目利きの育成も、ある意味音楽界の重要な課題なのでしょう。
by octavian (2013-01-30 23:38) 

Yakupen

Octavian様

いえいえ、なんか偉そうなこと言ってますが、ぶっちゃけ、たくさんありすぎて体がもたんぞ、ってことに理由付けしてるだけなんですけど。お勉強の演奏でも、別に楽しめればそれはそれでいいわけです。ただねぇ、あああ今からやっつけ仕事をやっちゃまずいよねぇ、ってのをいっぱい見せられるのはこちらも精神衛生上宜しくない、ってことでありまして。

たぶん、プロジェクトQそのものが、今や毎年必ずやるみたいな感じになってますから、学生たちの感じ方も違っていることでしょう。なんせ、最初の、まだシリーズになるなんてだれも思っていない一回こっきりのイベントだと思ってたベートーヴェンのシリーズでは、エクもまだ習う方に加わってて、上海Qに習う、なんて爆笑もののこともあったそうで、随分とバタバタしたものだったみたい。

小生の商売の後続者、制作側には何人か信頼できる若い人も出て来ているんで、そんな中から書き手にまわる奴もでてくるかなぁ、とは思ってるんですが、こればっかしはなかなかねぇ。ヴェールズQが結成40年になるときに彼らのことを書いてやれる奴がいないとまずいんだけど。

by Yakupen (2013-01-31 06:39) 

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