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フィリップ・グラス「完璧なアメリカ人」あらすじ [現代音楽]

さても、これから見物に行く「完璧なアメリカ人」のあらすじです。当日プログラムに記されたまんまです。
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なお、日本時間7日午前4時からのライブストリーミングについては、明日にでもまた。有料みたいです。こんなお話でも眺めたい方はどうぞ。ちなみに、昨日だかに出たNYTの批評はこちら。
http://www.nytimes.com/2013/02/02/arts/music/the-perfect-american-by-philip-glass-at-teatro-real.html?_r=0

「完璧なアメリカ人」あらすじ

プロローグ
目を覚ましたウォルト・ディズニーは一羽のフクロウが近くにいて驚かされる。合唱はディズニーの魔法の世界を賞讃する。

第1幕
◆第1場:ウォールトと兄ロイは故郷マルセリーネの農場で、夢が現実になったことを喜んでいる。かつての雇用者ウィリアム・ダンティーニがやってきてウォールトに挨拶しようとするが無視される。
◆第2場:今や年老いたウォルトは病院で時が去るのを嘆いている。ウォルトが「白雪姫」と呼ぶ看護婦のヘイゼル・ジョージが額にキスをしてくれる。ウォルトは自分の名前が今や標章に過ぎないことを嘆き、治療法が発見されたら覚醒し再びメシアたり得るよう体を冷凍保存してくれと言う。妻子や会社の重役たちが見舞いにやってくる。ウォルトは彼らに「死」という言葉を決して口にしないよう命じる。
◆第3場:数年前、ロサンジェルスのウォルト・ディズニー・スタジオ本部。ウォルトとロイはガソリンスタンドやホテルやレストランやショップが周囲に進出しないようもっと土地を買っておくべきだったと悔やんでいる。自分はヘンリー・フォードやトーマス・エジソンと同じ資質だと主張するウォルトは、自分の忠告に従えばロナルド・レーガンだっていつかは大統領になれるだろうと説く。突然、ダンティーニがやってきて、自分を不当解雇したとウォルトを非難するが、マネージャーたちに追い返される。
◆第4場:ロサンジェルスのベルエアのディズニーの家。ウォルトの妻のシャロンに病状は悪くないと伝え、娘らと誕生日のプレゼントを渡す。ルーシーという娘が家の扉をノックし、フクロウのマスクを被って入ってくる。ウォルトがドナルド・ダックやミッキーマウスの生みの親だと知らされても、ルーシーは驚かない。ウォルトは、自分が7歳の時にフクロウに襲われ、殺してしまったことを思い出す。
◆第5場:ウォルトはアブラハム・リンカーンのロボットと会話している。だがロボットはきちんと機能していない。ウォルトは自分らは共に貧しい家の出身で、共にアメリカの精神を具現化した存在であるが、黒人の自由化は些か行き過ぎであると説く。リンカーン・ロボットは、世界中の軍隊でもアメリカには勝てないと熱狂的に演説するのだった。

第2幕
◆第1場:ロイ・ディズニーのオフィスにアンディ・ウォーホールが訪れる。ウォーホールは、自分と同じくアメリカの美しさを描写し醜さを排除するウォルトのポートレートを制作することを決断したと言う。
◆第2場:ホルムバイ・ヒルズの自宅庭で、ウォルトは妻や娘らとミニチュア列車に乗って遊んでいる。ダンティーニが姿を見せると、ミニチュア列車は脱線する。ウォルトは、この男が組合を作ろうとしたので頚にしたことを思い出す。ダンティーニは、ウォルトは彼を有名にしたキャラクターのどれも手がけていないと非難する。
◆第3場:集中治療室。入院中のウォルトは、病室が隣の少年ジョシュと知り合いになる。少年はこの老人が自分のヒーローのディズニーであると知り興奮する。看護婦は老人と少年に起き上がって足のストレッチをするよう即す。
◆第4場:医者がシャロンと娘らに、癌のためにウォルトの左肺を切除する必要があると告げる。
◆第5場:ジョシュとウォルトは病院の廊下を歩き回っている。少年は老人にどうやってあれほどたくさんのアニメのための絵を描く時間があったのか訊ねる。ウォルトは、ひとりでやったら何百年もかかる、描いたのは自分ではなくスタッフで、自分は物語をつくり決断をしただけなのだ、と説明する。では貴方は神様のような人なのだ、とジョシュが賞讃すると、ウォルトはその通りと応える。
◆第6場:ウォルトは病室で苦しんでいる。ルーシー(ジョシュと二役)がフクロウの姿で出現し、ウォルトを連れて去る。ウォルトの遺体を囲み、マネージャーやディズニー・キャラクターたちが出現し、夢が現実となる世界を歌う。

エピローグ
葬儀にやってきたダンテイーニは、葬儀屋の男と話をし、ウォルトは冷凍にされず火葬されると知り、泣き崩れる。美しさのみが存在し、誰も「死」という言葉を口にしないディズニーランドを合唱が讃え、幕となる。

※※追記※※

今、劇場から戻りました。どうやら当日プログラム原稿が締め切りになった後で、あちこちに変更があったようです。明らかに違っているところは最初にアップしたあらすじをちょっとだけ直しましたが、基本的には当日プログラムに記されたままにしておきます。
プロローグが上に記したものとまるで違っていて、子供の時にフクロウを殺してしまったというトラウマが1幕4場で明快に示され、それに対応するように冒頭にフクロウが襲ってくる映像をハッキリ示している。で、故郷マルセリーネをアメリカの心の故郷と賛美する歌詞になり、1幕1場の故郷マルセリーネに公共プールを寄贈するために里帰りしたディズニー兄弟登場するシーンとなる。それから、マルセリーネは鉄道街であることが盛んに強調され、それが2幕2場のミニチュア鉄道へのディズニーの愛着に繋がるようになってます。ま、あらすじを描いた人が余り判ってなかったのかな、という気もしないでもない。

音楽は、明後日に頑張って聴く方もいるでしょうし、商売原稿もあるので詳細には記しませんが、グラスも随分変わったなぁ、と思わされました。エピローグなど、ちょっとグラスとは思えなかった。

ま、お暇で朝っぱらに起きられる方はどうぞ、ってくらいにしておきましょか。なにも判らぬ観光客が終演後のアプローズを喜んで撮影したらボケボケになってしまった情けない写真をさりげなく。
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舞台上にあるグルグル回る巨大な腕がスクリーンをグルグル動かし、これがこの演出の最大のポイント。演出は一昨年だか日本でのメトライブでやった「サティアグラハ」の演出家さんです。

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コメント 2

ほ

なんとなくここクリックしたら観れました、って大丈夫なのかorz
by (2013-02-16 20:14) 

Yakupen

当電子壁新聞は安全性はなんの保証もしておりません!あしからずぅ。
by Yakupen (2013-02-17 09:12) 

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