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初めての税務署・最後の税務署 [葛飾慕情]

なんとか、無事に納税申告を終えました。

この商売を始めて四半世紀くらいかな、もっとかな。まあ、なんにせよ、納税申告という作業はすっかりイースター前というか、春のお彼岸前というか、季節の行事として定着してしまった。日本語文化圏の方々でどれくらいの割合の人がそういう感覚を持っているか分からないけど、これをやらないと「日本国」という強制加入互助会のいちばん大事なことをやらんまま済ませるような感じって…ないんだろーかなぁ。消費税内税化以降、国会議員だって霞ヶ関の役人だって、はたまた上空を飛行する日本陸軍のバートルだって(葛飾は前総理の地元習志野空挺団が近いからか、立川の方からチヌークが数機編隊で上空を東西に横切ることが結構あるんですわ)、みんな俺の税金でやってるんじゃ、という気持ちを常に持つためには、日本国民全員が確定申告するように法律をあらためるべし、と小生は心から思っております。これホント。

大気に湿っぽさが戻ってくるこの時期、思えば始めての税務署は、多摩県の東の外れ、帝都との県境も近い天高く踏む土も足に優しき調布は深大寺のキウイ畑の中のアパートから坂を下って京王線開かずの踏切を超えた向こう、調布税務署であったっけ。あれから幾年月、上野駅の大ガード超え岩倉高校の向こうに出て、地下鉄の踏切超えた谷中税務署。ゲーゲキ裏と蔦の絡まる立教キャンパスの間の妙に入り組んだ路地に突然出現する豊島税務署。そしてこの10年程は、大川向こうの築地小劇場跡地の向こう、かの我らがテナーが新国劇役者としてデビューした場所と記録される新富座跡地に聳える京橋税務署。
厄偏庵が結ばれた各地の税務署を転々とし、とうとう今年からは何のかんのの挙げ句に、遥か荒川放水路東の新開地に連れ戻され、かつしかシンフォニーヒルズ聳え、西に東京天樹先っぽを眺める新開地の葛飾税務署が納税先となった次第。ことによると、たぶん、これが、最後の税務署、かな。

納税締め切り日の税務署はさすがにそれなりに混雑するわけで、ここも区の真ん中といえば聞こえは良いが、都心に向けての交通機関は発達しているが区の南北を結ぶのはバスしかない典型的な郊外。当然ながらお母さんもおとーさんも、工場のオッサンもオバチャンも、車か自転車で、かつて貧乏だった五木寛之だか野坂昭如だかが血を売りに来たという伝説が流れる保健所裏の税務署へとやってくる。んで、警備のオッサンがゴッソリでて、「駐車場は現在満車、こちらへどうぞ」なんてプラカード掲げて誘導して。
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土手の向こうの中川放水路から春の初めの蒸気が揚がり、沈丁花の香り漂い、南の風に乗って京成電鉄超えてコンサートホールの方に流れる。んで、無事に納税を終えた葛飾区民のために、「指定管理者」さんが明日土曜日の午後にご用意下さるのは、遥か荒川放水路向こうの天樹の麓は錦糸町からはるばるやっていらっしゃるは我らがNJP&宮川バンド!うううん、区民とすれば年に1度の我が団の来訪を歓迎したいところなんだが、昨今はやたらめったら演奏会が多い土曜の午後、諸雑の事情で延々と西の彼方、内藤新宿まで行き、天下の華の巴里ぃからヴァイオリン抱えていらっしゃる方をお迎えせねばならぬ。NJP諸氏、お許しあれ、納税申告書には、きっちり「寄付証明書」を貼り付けさせていただきましたぞぃ。

最後の税務署に、初めてのお通い。いろんなことがありすぎた昨年、この商売を始めて最低ラインの売上額に頭を垂れつつ、我が往く末なんぞヒバリの声と共に天に消えよと嘯き(畑もなくなったこの新開地、ヒバリなんて上がってないけどさ)、空駆ける燕と共にしばしの蟄居の後に南に去らんと誓う(燕はまだ香港でしか見ていないけどさ)、納税日でありました。

世は全て、こともなし。さあ、お江戸市中に戻るとするべぇか。まずは京成本線で上野に出てみれば、交番脇のこの辺りじゃいちばん早いんで有名な桜が、ほぉら、咲き誇り
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秋葉原の小学校跡地に寄って、それから神楽坂、んでもって、溜池、とお江戸市中転々の午後。そうじゃ、となれば、まずは納税申告終了記念、うさぎ屋のどら焼きでも拾ってきましょっかね。…と思ったら、なんとまあ、こんなに並んでら。
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とてもじゃないけど気の短いあたしゃ並ぶ気になれず、さりとて神楽坂ペコちゃん焼きは、もー結構だしさ。

税務署に 陽炎揚がり 納税日

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