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富山県内コンサート・スペースのベストはどこだ? [Music in Museum]

旧こしのくに音楽祭、「とやま室内楽フェスティバル」も大詰め、サントリーホール室内楽アカデミー学生らが魚津の合宿所に籠もって積み重ね、アウトリーチに出かけてブラッシュアップした成果の発表も行われ、後は明日の学校アウトリーチが残されるだけ。爺らは一足早く、立山日本アルプス飛び越えて東京湾岸に戻ります。来年もあるそうですので、県内の皆々様、若い連中を宜しくお願いいたしまする。春にはまたオーディションが行われ、来年はフレッシュな顔ぶれでの登場の筈。

さても、今回、川1本越えるとガラリと文化が変わる富山の各地の公共施設や民間のコンサートホールではない場所での演奏会を数日でゴッソリ眺めました。列挙しますと、「ウィングウィング高岡1階ロビー」、「富山県高岡文化ホール大ホールロビー」、「富山県民会館1階ロビー」「富山水墨美術館エンタランスロビー」、「富山県立近代美術館ロビー」、「高志の国文学館ライブラリーコーナー」、「岩瀬町酒商田尻本店」、以上です。県がやってる音楽祭なので、当然ながら県立の施設が中心で、支援する民間の関連施設も加わる、ということですな。

以上のコンサート・スペースを「室内楽コンサート・ヴェニュ」という視点でやくぺん先生の独断と偏見による評価をさせていただきますと、トップは圧倒的に水墨美術館であります。数日前に「皇帝」第2楽章のビックリ映像をアップした場所でんがな。
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富山駅やら市役所やらからチンチン電車で神通川を超えたところ、殆ど川原にあります。広大な敷地に平屋の和風モダンな建物がL字型に置かれ、川に沿って長い辺があり、展示室が並び、反対側はすっきりした芝生の庭が広がる。エンタランスなどの短い辺が付いており、その入りっ端をコンサート・スペースにしてます。当初、入口右横のレクチャールームを会場にしようとの意見もあったそうですが、最終的には庭を眺めるオープンスペースになった。

この場所、意外にも音が良いんですわ。高さがあるわけでもないし、全部ガラスで弾いてる連中には後ろからがんがんと自分らの音楽にガラス面が共振しているのが感じられるそうですけど、でも何故か音はまるで石造りの教会堂の中みたいな響きがある。とてもそうは見えないんだけど、必要な音がまわってきます。無論、こういうコンサート・スペースとしては比較的良いということで、コンサート用の空間とは比べものになりませんけど、これだけちゃんとしてれば問題もないでしょう。こういう場所でのアウトリーチではお喋りが必ず入りますけど、スピーカーを通しての声もワンワンになったりせずに必要な情報が伝達されておりました。

この先、この場所でレギュラーで開催されるのか知らないけれど、富山在住の音楽ファンは注意して告知を眺めているとよろしいんじゃないでしょうかね。

この会場、もうひとつ楽しいのは、山側から富山湾に向けて風が吹くときには、神通川川原空港に向けて飛行機が頭の上を下りてくこと。なんも知らないと、相当にビックリします。
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地元の方は慣れっこになってるみたいだけどさ。条例で都心部上空は絶対に飛行機が通らない巨大な田舎東京都民とすれば、博多とか富山とか、市内を飛行機が突っ切ってく街って、なんかスゴイ都会って感じがするなぁ。幸か不幸か福岡や伊丹ほど頻繁に離着陸はなく、練習中とコンサート終演後に演奏者の皆さんが地元ケーブルテレビだかの取材に対応しているときに787が下りてきたんだけど、意外にもそんなにうるさくない。うるさくない筈がないのだけど、あまり気になりません。不思議なもんです。

美術館としては「こしのくに音楽祭」時代から美術館コンサートを行っている近代美術館、ここはポスター収集で有名だし、滝口コレクションもあるし、なんといってもシモン・ゴールドベルクの個人収集していたものが収まっているわけで、美術館としては出かける価値がある場所なんですが、コンサート・スペースとしては今ひとつであります。上は高いし、それなりに良い筈に思えるのだけど、チェロばっかりがんがんに聴こえる空間になってしまってます。
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なお、耐震基準の問題からこの建物は近く廃止され、美術館は駅の北口のオーバードホールの隣だかに引っ越すそうな。建物を新しく作る、ってことなんでしょうかねぇ。太っ腹だぞ、富山県!

もうひとつ、昨年に完成した元知事公邸跡地の「高志の国文学館」は、もの凄く近くで演奏してくれて雰囲気も良いのだけど、天井がまるで反響が期待出来ない空間で、全部音が抜けちゃう。ちょっと残念です。

民間ヴェニュでは、岩瀬の造り酒屋さんのコンサートが雰囲気最高でした。ここ。
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北前船で栄えたかつての港街で、裕福な商家が並ぶ街並みは一種の保全地域になっている。その中の酒屋さんの奥でエクが弾きました。木造で、天井も高く、良い音になるかと思ったら、ちょっと弦楽器とは違うかなぁ。ももちゃんさんによれば、弦の音色的にはとても良い空間だそうだが、後ろの方にいるとまるで音が届いてこない。かぶりつきなら最高なのかもね。ちなみに、前の方は座布団席でした。

てなわけで、富山県内、コンサート・スペースのベストは水墨美術館ロビー、ということで決まり。聴きたい人は、来年の「とやま室内楽フェスティバル」をお待ちあれ。

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