SSブログ

ミロQは作曲順です [弦楽四重奏]

先程、キュッヒルQのある意味で日本演奏史にきっちり記録されるべきベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏会が終わりました。アペンディックスの弦楽五重奏になるといきなりキュッヒル御大のピッチが微妙に下がる、なんてはっきりした展開があって、微笑ましいというか爆笑というか…いらした方には意味が判るでありましょうぞ。

このサイクルの感想は、日曜朝に更新になる「アッコルド」にそれとなく書いておりますので、ま、そっちをご覧あれ。ぶっちゃけ、「こういうのもあるんだねぇ」です。それだけ。

さても、今年のサイクルが終わって、いよいよ明後日から、来年に向けてミロQが動き出します。

おっと、話が先に行ってしまった。来年のサイクルは、数日前にブルーローズに速報が出ましたのでご存じの方はご存じの通り、ミロQでありまする。
006.JPG
ま、このところの当電子壁新聞などの流れをご覧なら、やっぱりね、とお思いでしょうけど、やっぱりそーです。

んで、上のチラシをよくご覧あれ。スゴイでしょ、そー、とうとうやってくれます。ベートーヴェン全曲演奏での最初の見せ場、演奏順が発表になっていて、ほれ、作曲順ですよ、作曲順!

作品18に関しては、作品18の4がボン時代からスケッチがあるなどという説があったり、いろいろな話があるのだけど、既にサントリーホールにはジョンから作曲順を巡る大演説が送り付けられているそーな。考えがあってのこの並べ方でんがな。

ここまでやるなら、ホントは「作品18」、「ラズモ」、「ハープ&セリオーソ」、「作品127、132、130大フーガ」、「作品131、135、オルターネート130フィナーレ」という究極のやり方まであと一歩なんだが、流石にそれは長さが余りにバランスが悪いもんねぇ。

目の前に楽譜3冊置いて、殆ど初見みたいな連中集めて、さあ頭から弾いてくか、って調子のサイクルの後は、ハーバード出た奴が考えに考え抜いた対極にあるようなサイクルが待ってます。余命いくばくもないと言われている貴方でも、なんとか頑張って来年の6月まで生きなさい。これを聴かずにあの世に行っちゃいけません。いや、ホント。

なお、ミロQは来年の溜池に向けて何度か重ねるサイクルの初回を、来る月曜日から開始します。
http://www.miroquartet.com/schedule/
1週間で全部弾きます!場所がちょっと遠いのが残念、ワシントン州外れのシアトルの北、ってか、ヴァンクーバーから国境を越えてちょっとの島で開催される音楽祭です。来ないのか、と言われてたんだけど、流石になぁ。

それにしても、このやり方でやられちゃうと、その次からの団体がどう並べるかますます頭を捻らねばなりませんなぁ。

nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

MT

初日のみチケットを入手できたので行ってきましたが、まさかの全曲落涙。考えてみれば(①ウィーンフィルの弦の音が好きである)+(②ウィーンフィルの1stVnからはキュッヒルさんの音しか聞こえてこない時がある)=(③キュッヒルさんの音が好きである)に違いないのに③については自覚ゼロでした。やはりあの方々は誰にも到達できない領域を確実に持っていることであるなあとただただ詠嘆するのみでした。時折モーツァルトのオペラの重唱のように響く瞬間があったりして、結局全部そーゆーのに持ってかれてしまうというか。でも、キュッヒルさんの弾き姿をほぼ真横から眺めていたら、②の現象が起きる理由が何となく納得できた気がします。弦楽器触ったことないので単に見た目の印象に過ぎないんですが、体の動かし方、その組み合わせパターンの多さといったら在京オケのコンマスの皆様とは全然違うよなあ、と。

ともあれ。来年は早割使えるうちにきっちり予約しようと思います。楽しみです。
by MT (2014-06-22 23:58) 

Yakupen

MT様

在京オケのコンマスどころか、世界のどこのコンマスとも全然違います。あんなコンマスの在り方、他にありません。小生も最初の数日は「まろとか小森谷さんとか、来れば勉強になるのに」と思いましたけど、あるところから「これは学べるものではないし、これを真似しても笑われるだけだなぁ」と思うようになりました。

あのタイプがお気に入りなら、是非とも最晩年のアマデウスQの録音を聴いてみて下さい。ブレイニン御大が「ナチスが来なかったら俺がヴィーンフィルのコンマスだった」といつも仰ってた意味が、今更ながらに納得されます。

by Yakupen (2014-06-23 09:14) 

MT

お気に入りも刷り込みもないつもりでいたんですけど、今回の自分の反応で完全に自信失くしましたねー。ウィーンフィル恐るべし。弦楽四重奏としては、もしも彼の地に住んでいたなら半年に一回くらいのペースでふらっと聴きに行くかもなあというところでしょうか。「弦楽四重奏聴くぞー!」と気構えることなく、オペラやオーケストラでお馴染みの顔を見に行くというようなスタンスで。

録音ご紹介ありがとうございます。探してみます。自分が思ったことながら「誰にも到達できない領域」ってつまり何?とちょっと引っ掛かっていたところだったので。
(先の送信、重複があったようで失礼しました)

by MT (2014-06-23 11:38) 

北

会場で配られるパンフレットの巻末、次回予告を見て「クスQも来るのか(鶴見は大変だなあ)。でも夏には田舎に引っこむし、聴けないねえ」と思ってましたら最終日にチラシを見つけました。100枚から印刷のオンデマンドチラシでしょうか。情報が早いのは有難いことです。

初日の耐久レースは別として、残りは「木曜19時&土曜19時」を2回ということで、これなら土曜に飛行機に乗っても間に合いますし、無理をすれば木曜も聴けそうです。
とりあえず情報が入ってすっきりしました。

…今気が付きましたが、今年のチクルスは「金曜19時&土曜19時&日曜14時」「木曜19時&金曜19時&土曜19時」の組み合わせだったのですね。切符を買えなかったので気が付きませんでした…

ミロQ、もしかしたらボロメーオQのようにレクチャー的な要素も加えてくれるのでしょうか。楽しみです。
by 北 (2014-06-23 18:32) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0