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新生ソレイユ沖縄の夕日に輝け [弦楽四重奏]

新生Qソレイユの演奏会を聴くべく、遙々沖縄は浦添市てだこホールまで来ましたです。
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なんでまた、と訝しげな顔をするなかれ。若い、ってか、中堅でも長老でもそうだけど、弦楽四重奏が自分らでコンサートを作っていく際の基本、「メンバーの地元で自主公演をつくる」というやり方をしっかり実践なさっているから。

新生ソレイユ、「定期」と名打った演奏会を去る4月1日に長野県上田で開催、横浜みなとみらいでも来る木曜日13日に開催いたしまする。
http://www2.hp-ez.com/hp/quartette-soleil/page1
両方とも「第1回定期」としてるところに、なみなみならぬ意欲を感じさせられますねぇ。って、ホントは「なんで上田の演奏会の前に中学ブラスバンドの演奏会が付いているのだろーか?」というところが気になって仕方ないけどさ。

で、その間に、定期、とは言わないけれど、沖縄は浦添市てだこホールでの公演がありました。このコンサートはゲストに沖縄のスター、フルートの渡久地さんを迎えての開催だったので、「定期」にはしなかったのかしら。いずれにせよ、3箇所ともメンバーの出身地とのことであります。沖縄での主催は「ソレイユコンサート企画」という自主団体だけど、後援にしっかりと「エフエム沖縄、沖縄タイムス社、琉球新報社」と入ってるのは立派なもの。地方公演の王道ですな。

とういわけで、丘の向こうには今話題のオスプレイの基地が広がる浦添市のもの凄く立派な文化スポーツ施設、恐らくはこんなものがここにあるのもミサゴ君の巣のお陰なのでありましょうが、ま、今はそこには敢えて触れません。どんな理由であれ、立派な施設があるならば使わなきゃ。ちなみに隣の別棟となっている大ホールでは、翌日の地元特別オケ演奏会に向けてマエストロ広上のリハーサルが行われておりました。沖縄、なかなかスゴいじゃないかい。

で、新生ソレイユでありまするが…以下は御本人らには終演後に立ち話で話したことなので隠すようなもんではない、良し悪しということではなく、初代ソレイユをご存知の当電子壁新聞立ち読み中の皆様に率直にお伝えするわけでありまして…ぶっちゃけ、まるで別物と思うべきでありましょう。
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初代ソレイユは、それこそ善くも悪くも、極めてスタンダードの高いところできちんと音楽を作ってきていた。なすべきことをきちんとし、まずは基本を固めて、そこにいろいろ入れ込めるようにしていこう、という圧倒的にまともなやり方。そりゃ、大学で始め、サントリーの室内楽アカデミーできっちり学んできて、ボルドーやら大阪やらメイジャー・コンクールのテープ審査を突破し、前者では1次予選も突破したわけだから、そうなって当然でありますな。

ファーストに沖縄のホープ、ヴィオラにどっしり構えたファーストの盟友を迎え、それなりに場数を踏んだお姉様たちが真ん中に控えるフォーメーションとなった新生ソレイユ、少なくとも今回の演奏を聴く限り、「ファーストのキャラクターを他のメンバーが信じ、きっちり支える」タイプであります。
それこそパガニーニが頭に座って弾いていた弦楽四重奏団に始まり、ヨアヒムQ、クリングラーQと続いた「第1ヴァイオリンのための弦楽四重奏団」というものが歴史上存在しており、まさか我々はそういう団体の姿を知るわけではないけれど、強いて言えばノーバート・ブレイニン御大の天才を3人が支えたアマデウスQとまで言うと滅茶苦茶褒めすぎだろうが…そーねぇ、ご記憶の方がどれくらいいらっしゃるか、最後の民音コンクールなどにも出て来ていた奇才斎藤氏が頭に座るキサQとかの感じかな。

ちょっと癖はあって、聴く人に好き嫌いというか、マルバツがハッキリ出そうなファーストくんの才能が爆発するところを、みんながしっかり見守っていく。そういうタイプの団体。正直言えば、今時流行の「偉い先生たちが講師に並ぶ室内楽セミナー」みたいなところでは、出て来難いタイプの団体であることは確かです。

スゴい失礼なことを言ってるのは百も承知なんだけど、とにもかくにも、現時点でキャラクターを訊ねられればこういう団体と説明します、ということ。実際、上田公演では最後のメンデルスゾーンでキレキレの瞬間がやってきたそうな。沖縄では、地元プレッシャーがちょっとたいへんだったかな、という感じだけど、作品80の2楽章などはしっかり「たかみやぎくんオンステージ」でありました。曲も曲だしねぇ。

無論、数を重ねることによって状況はかわってくるだろうし、プロとしてやっていくための安定感は絶対に必要なわけだし、そんなことはやくぺん先生なんぞが言わなくたってみんな判ってる。だけど、「新生ソレイユ」がこういう団体でしかない、と言えるような可能性があるとすれば、やっぱりこの沖縄の太陽くんであることは否定のしようがないでありましょう。

それをどこまで信じていけるか。ちょっと話した限り、ヴィオラ君が「僕がいれば…」という頼もしさを醸し出していたので、おねーさんたちもぐぁんばれるでありましょうし。

新生ソレイユ、キャラのある団体として育っていけますことを。まずは、お暇なら木曜日の横浜へどうぞ。

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