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みんな試行錯誤ちゅー [弦楽四重奏]

ひとつ全没原稿が出たお陰で作文作業の予定が全部おかしくなり、連日締め切り1本なんてアホみたいなことやってた頃に比べればまるで暇な隠居爺状態とはいえそれなりに作文仕事が詰まってしまってる中、プチお籠もり状態の川向こうは新開地葛飾を抜け出し、荒川放水路渡り、帝都中心部突き抜け、遙か多摩川の彼方、相模の地は鶴川まで行って参りました。クァルテット・ベルリン東京(QBT)が昼間の1時間の演奏会をやるんで、聴きに出かけた次第。
なんせQBTとQアマービレとタレイアQが纏めて聴ける便利でお得な日曜日には、裏番組にもうこの先絶対に聴けそうもない間宮オペラの演奏会形式上演なんてもんがあるわけで、そっちにいかにゃらん。来る週末は笑っちゃうくらい演奏会が重なってて、ホント、困ったもんだわなぁ。

んで、ともかく、演目はK.387とメンデルスゾーンの作品13。これにアンコールとしてハイドンの作品76の6なんて珍品から第3楽章を弾いて下さったでありまする。聴衆はまあ、8割くらいは入ってたかな、あちこちでお馴染みのマニアさんを除けば、基本的にはみんな地元近辺のご隠居さん。木戸銭1000円也ですからねぇ。マニアさんは「電車代の方が全然高いです」と仰ってました。葛飾からだと、あたしもそーかな。

なんだかもうすっかりお馴染みの、って感じのQBTだけど、創設メンバーのヴィオラ嬢が抜けてフィンランドのオケに入り、ブレイク前にあの問題のヴィジョンQを辞めていたヴィオラ君に交代。更に今シーズンの頭からフリアントQのヴィオラを7シーズンくらいやってたという新しいヴィオラ君になりました。この前、ベルリンのクスQのナイト・キャバレーでお遇いして挨拶したんだけど、恥ずかしながらこのフォーメーションで音を聴くのは今回が初めて。これはやっぱりちゃんと聴いておかないとね、ってこと。

なにより吃驚した、というか、へええええ、と思ったのは、誰が見ても判ることだけど、配置でした。エクVer3.1後期仕様、最近はエルメスQもやってる、ファースト、ヴィオラ、チェロ、セカンド、という座り方です。

実は、一昨日の一柳先生をお迎えしたエクVer3.0の演奏会では、ヴィオラがいちばん外に座るなんだかとっても懐かしいポジショニングで、終演後に吉田さんに「スゴく久しぶりにでっかい音で聴こえました」なんてアホこの上ない感想を洩らして笑われたりしたわけだが、この配置、どうなんでしょうねぇ。確かにアンコールの珍曲(だろうなぁ、なんせライブで聴いたのは数年前にケープコッドでボロメオQが弾いたとき以来じゃないかしら)ではヴァイオリンが向かい合っている効果はハッキリ耳で判るけど、他ではどうなのか。作品76はふきのとうホールのレジデンシィのご褒美として全曲録音したそうで、その関係かな?終演後に立ち話で尋ねてみたら、「試行錯誤中なんです」とのことでありました。YouTubeで聴けます、って言ってたけど…これですな。あれ、このヴィデオクリップでは、配置はノーマルですねぇ。

これまた実質的にVer3になったQBT、本日の短い演奏会を聴く限り、メンデルスゾーンばかりかモーツァルトでも細かいアゴーギクが付けられたり、あれっと思うところがあり、縦の線ガチガチに揃えてガッツリいきまっせ、という伯林伯林した音楽ではなくなってきている。常に「弦楽四重奏なんだから」という拘束具を付けてるみたいなもりやくん、炸裂するまであと一歩、というところかな。新しいヴィオラくんはかなり職人っぽいから、コントロールはモーティに任せて突っ走ってくれる瞬間があれば、魅力炸裂じゃあるまいかぁ。

なんだか無責任なこと言ってるけど、隠居爺の戯言と呆れて笑ってやって下さいませ。

さて、学校帰りの生徒さんを満載したメトロ千代田線も、そろそろ藝大坂下から日暮里。葛飾オフィスお籠もりはまだまだ続く。若者も、もう若者じゃないおじさんおばさんも、みんな永遠に試行錯誤の真っ最中で頑張ってるのじゃ。爺も爺なりにまだまだ試行錯誤せにゃのぉ。

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