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ヘンシェルQが凄いことになってる [弦楽四重奏]

ぶっちゃけ、宣伝です。毎度ながらの大手音楽事務所ではなく実質的に澤藝大学長が宗次ホールの協力で個人招聘のような形で日本ツアーを行っているため、殆ど宣伝もなく知る人ぞ知る状況になってるヘンシェルQ、いやぁ、凄いことになってます。

シュトゥットガルト放送響のヴィオラ首席だったお父さんの家に居候状態だったチェリビダッケに薫陶を受け、ってか子供時代からその辺にいるオジサンとして指導を受けての創設以来、かのモーツァルト《レクイエム》補筆完成のバイアー氏のお孫さんのマティアスがチェロとして固まって第2回大阪大会で優勝したときからの「アグレッシヴにして正確無比」なドイツっぽい団体というイメージが、四半世紀してうんと成熟し自由になった形で戻ってきた、ってかな。鶴見での終演後、サイン会の列もあとちょっと、お疲れさまでした。
IMG_1980.jpg

セカンドのマルクスくんが病気で長距離移動が出来なくなりニュルンベルク歌劇場オケに転身して以来、端正さの極みみたいなダニエル・ベルでサントリーで行ったベートーヴェン全曲は、ある意味で、マルクス後の彼らのひとつの完成像だった。その後、ぶっちゃけ、ルクセンブルク大学のレジデンシィが決まっていたのだが、国会予算承認が成らず流れてしまい、ダニエルが猛烈に多忙なエッセンのオペラとコンサート兼務オーケストラのコンマス掛け持ちは流石に無理で、家族のことを考えオケに徹する決断をして離脱。日本みたいにオケの首席が年に数回集まって、というのじゃないですから、やっぱりドイツでは類例のない「オケのコンマスやりながら常設弦楽四重奏のメンバー」というやり方は無理だった。

以降数年、なかなかセカンドが決まらない状況が続いていたんですが、今回の秋からの新人の若いお母さんたるテレサは、まるで昔からいるような相性の良さ。なによりも、マルクス時代に嫌でも漂っていた「判りすぎる関係故のヴァイオリン間の緊張感」とも、ダニエルが必死に手綱を締めていた「強引なスタイリッシュさ」とも違う、この団体本来の「新古典主義と表現主義のせめぎあい」みたいな、ある意味でチェリビダッケがやってた「古典とは拘束具なり」みたいな緊張感が、無理なく表現主義の方向に振れていけるアンサンブルになっている。
実際、シュルホフはロシアとかの「爆演」という言葉からは最も遠いところにありつつも、これはもうやはり「爆演」と言わざるを得ない音楽。アンコールのラヴェルの第2楽章なんぞ、まるっきりカンジンスキーの夜の世界でありましたとさ。

てなわけで、これはもう大変だぁ。今週末の長岡の澤Qとの八重奏は東京で(奇しくもヘンシェル優勝のときに大阪第2位だった)エク定期があるので残念ながらいけない。となると、もういけそうなのはこの日しかない。
https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/bunjyo/news/2019/11/-with.html
てなわけで、20日の和歌山に参上することにしましたです。

名古屋はさっき終わっちゃって、某関係者から「すげえええええ」という連絡が来たばかり。で、他の残された公演は、ひとつは問題のバッティングが多過ぎる日曜日の長岡
http://www.nagaoka-caf.or.jp/new_topics/21123.html
それから、火曜日には広島があるそうな。なかなか大変な移動だなぁ。
http://www.a-net.shimin.city.hiroshima.jp/anet/event/archives/60-14.html

関西近辺の皆々様、騙されたと思って、和歌山県立図書館までいらっしゃいな。駅からかなり遠い場所だけど、和歌山市内ではありますから、兵庫や京都辺りでもなんとか帰れるでしょ。ヘンシェルQも四半世紀、超高級スポーツタイプのメルセデスが「正確さ」を超えたところを狙い始めたような激演が展開されること必至!

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