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キャロライン・ショウいよいよ日本でも [現代音楽]

新年初荷、ではないんだけど、最初の大物原稿をともかく初稿だけでも入れ、終わった終わった、と倒れ込みたいところなのだが、なにやら明日月曜以降は妙に取材などが立て込み、その先には次の大物原稿がまだ作文レベルでは手つかずで待っているので、少しでも作業を進めておかねばならない。若い頃ならもうドンドンやれたのだけど、すっかり爺となった今日この頃、ひとつ原稿入れるともうその日は頭が動かなくなってしまう体たらくぶり。せめて必要なものを聴いておくだけでもせねばならぬと、こんなものを聴き始めたわけでありまする。ほれ、10分くらいだから、騙されたと思ってお聴きあれ。


一昨年前くらいから、アメリカ合衆国の若い演奏家連中からはやたらと名前を聞くようになったキャロライン・ショウという作曲家がおりまする。「最も若くしてピュリツァー賞を獲った作曲家」という謳い文句も付けられ、オペラなんかじゃないのでメイジャーというよりもちょっとインディーズっぽい空気の中で出てきている若い女流作曲家さんです。なんだか芸術系大学院の教室に座ってそうなお嬢さん、って感じの方なんだよなぁ。こちらが公式ページ。
https://carolineshaw.com/

それにしても、この「女流」という言い方は、もう21世紀20年代にはほぼ無意味なんだろうけど、ま、勢いで付いちゃってるだけだと思って下さいな…

もとい。やくぺん先生は、この作曲家のクァルテット全集(現時点で書かれている弦楽四重奏作品をだああっと集めた、という程度の意味ですが)を入れているアタッカQが、録音の前後にやたらと弾きまくっていた頃に、正にこの《間奏曲》という曲をブルックリン図書館だかの無料演奏会で聴いて、へええええ「才気煥発」って言葉を使いたいけど、なかなかしっとりしててよろしいんじゃないかい、なーんて無責任に感じてた。

日本ではなかなか名前が出てこないなぁ、と思っていたんですけど、意外なところで出くわすことになった。こちら。
https://www.nagano-arts.or.jp/stages/%E3%83%AA%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3-1/
これまたどういう風の吹き回しか、オープニング以来、今や日本でいちばん売れてる世界的音楽家久石譲氏を頭に置いたオケをつくってベートーヴェン全曲やったりとかしてた長野のホールが、今年から3年、自前の弦楽四重奏団をつくって演奏会をやります、ってこと。毎年、現代曲をやるそうで、今年はなんとなんと、キャロライン・ショウを取り上げるという。担当の方に「なんでやねん?」と身も蓋もない質問をしたら、別に演奏者の中にキャロライン様のお友達がいるとかいう訳ではなく、純粋に面白そうだからやる、ということだそうでありまする。ただ、チラシなどを眺めても、この人を紹介するということには特に触れてはいないようですねぇ。

何を隠そう、ぶっちゃけ、この演奏会の曲目解説をこれから書くのであーる、って状況。んで、送っていただいた楽譜を初めて眺めてみて、へええええええ、こりゃ確かに面白いねぇ、とあらためて思っていたところなのであります。せっかくだから、当無責任電子壁新聞で宣伝しちゃえ、ってことです。はい。

正直、この作品の曲としての解説を書けと言われても、さあ何を書きましょうか、としか言いようがない。商売としては、なかなか難しい対象なんですわ。「貴方は曲目解説で何を知りたいですか」って尋ねて歩きたくなっちゃう。ぶっちゃけ、聴けば絶対に面白いし、すれっからしは「あれ、どうなってるのかな」と楽譜が見たくなるでしょうし。

とにもかくにも、来る2月2日に長野で、この興味深い曲が演奏されます。アタッカQの映像眺めて聴いてみたいと思ったら、新幹線で東京駅から2時間弱、長野にいらっしゃいな。

おっと、せっかくだから、彼女の出世作たるピューリツァー賞を30歳で獲得した《8声のためのパルティータ》の映像がYouTubeにまるまるあるので、ご紹介しておきましょう。ぶっちゃけ、冒頭など、ラップの流れを汲んだとしか言い様がない声楽曲です。敢えて「合唱曲」とは言いません。これ、日本でもやりたい人たちがいるんじゃないかなぁ。まあ、東海岸出身の20代が書いた英語ラップはネイティヴでないとノリはかなり難物かも、と思わんでもないけど。

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nahokomusic

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
Caroline Shawさん、最近BBC Radio3で知りました。
先週この番組のプレゼンターをしてました。
https://www.bbc.co.uk/programmes/m000cl27
by nahokomusic (2020-01-05 20:17) 

Yakupen

情報、ありがとうございます。いろんな意味で、この人の作品なんぞを聴いていると「クラシック音楽」も変わってきているなぁ、と思わされます。まだまだ未来はある、って思いたいですね。
by Yakupen (2020-01-05 22:33) 

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