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20年代の作文作業で困ること [売文稼業]

生存証明です。昨年暮れからの、この歳では物理的に不可能としか思えぬ原稿の山も最後の巨峰にたどり着き、明日水曜日夕方前までにあと30枚ほど、前頭葉の内部では大きな画面一つ、中くらいの画面ひとつ、それに小さな画面が5つ開いている状況。普通に考えれば絶対に不可能な量でありまする。ともかく、やらにゃならん。

んで、当作文は単なる生存証明で、なんとか生きていますよぉ、でも今日明日は連絡されても反応しませんからねぇ、というステートメントでありますので、もうここで読み終えてくださって結構でありまする。作文の目的は達成しているわけですから。

さても、昨日もひとつ取材があり、これはこれで極めて興味深く、暇があれば当電子壁新聞にグダグダと綴るところだが、ま、いずれ時間があれば。ことによると商売作文になるやもしれませんので。

それとは別に、今やってる作文で困ること。愚痴です。

今やってる作業は、某専門出版社が「ムック」という形で10年に一度くらい改訂するカタログ本の細かい作業。だから、頭の中にはウィンドウがいっぱい開いてるみたいになるわけです。ひとつひとつ分の作業を終え上がったら、さっさと編集者さんに送っては、そのウィンドウは閉じていく、という作業が繰り返されている。その中身は、まあ、一言で言えば「生データを人々がアクセス出来る形にする」というもので、情報整理作業とすれば「データからインテリジェンスへの変換」作業ですな。いかなAI化、コンピューター化が進んでもいちばん最後までなくならない、ってか、この作業が出来るようになればそのAIはもう「生命体」と呼んでよかろーに、ねぇ、データくん、って部分のお仕事でありまする。

とはいえ2020年の今、データを整理整頓してインフォメーションとし、さらにインテリジェンスとして提供する作業の中で最も面倒なのは、データ収集作業なのでありまする。そんなのネットの発達でいちばん楽になったところでしょ、と思うかもしれませんがぁ…とんでもない、全く反対なのじゃよっ!

今、作文用のパソコンと検索用のタブレットになるパソコン、それにiPhone端末との大小3つのスクリーンが開いていて、その向こうには、葛飾巨大柿の木が冬の朝の光を浴び、めじろん夫妻がやってきては蜜柑をつつき、それをギャーギャーとヒヨちゃんが追い立てる、心温まる大自然の営みも眺められるのであるがぁ、問題はそのパソコン画面から拾い上げられる生データなんですわ。

ぶっちゃけ、多すぎる!

この作業を本格的に始めるにあたり、先週、編集部までノコノコ出かけ、過去の四半世紀ほどのバックナンバーを拝見させていただきました。ばらしちゃうと、世界のオーケストラのガイドブックみたいなもんをやってるわけです。いやぁ、面白かった。前回2009年版は、大小のコラムを流し込み、可能な限り多くのデータをアップしようという編集方針。その前、20世紀終わりくらいに出たものは、もうちょっと読み物臭い。更にその前、80年代終わりだかの版は、もう今の常識からすれば「情報としてあるのはメイジャーレコード会社から出てくるレコードと、NHKがFMでライブ放送する音源程度、あとは来日公演でのライブ体験、それでひょーろんかの先生方が好き勝手なこと言いまくる」ってもの。正直、今なら「ちょっといろいろ知ってる音楽ファンが、Web上に記すブログ記事」に限りなく近いテイストなんですわ。当時はまだ書き手に関西のDやんとか、ブルックナーはA先生にとどめを刺しカラヤンなんぞは資本主義の手先と漫談家の血がドクドクのU先生とか、やはりカラヤンの美しさは素晴らしいのではなかろうかと思わないでもないのではないかのKきょー先生とか、もの凄くクセのある方々が並んでいて、それはそれで読んでいてたいそう面白い。いやぁ、なるほど、これが「商売になる読み物原稿」だよねぇ、ってあらためて感心したりしてさ。

もとい。21世紀20年代の今、何が困るかに話を戻せば、ともかくわしらはいろんな生データに接することが容易になりすぎていて、それらを整理するだけで、もう頭がクラクラしてくる。もーいーよ、そそんなこと教えてくれなくっても、ってさ。

なにりも困るのは、生の一次情報を、関係者、場合によってはオーケストラのメンバーやら運営側のご本人たちに、直接この瞬間に質問だって出来ること。だってさ、今、iPhoneを手に取って、Facebook開いて、相手の名前を打ち込めば、時差を考えなければ直接某オケの事務局広報担当者と顔テレできちゃうわけだし、アルプスの山の中を列車に揺られてる指揮者さんと話が出来ちゃうわけだし、口さがないコンマスくんから常任指揮者への愚痴だってきけちゃうわけですよ。

やろうと思えば、それが出来る。

これって、困るでしょ。だって、そんなこと教えてもらっても、読者に生データとして提供するわけにいかないもん。使えるインフォメーションとして整理するには別の手間がかかり過ぎ、全体の中での意味づけをしてインテリジェンス化するには余りにも断片的。でも、そういう生データだって、取ろうと思えば直ぐに取れる。さー、どーするどーする…

具体的には、今、オルフェウス管について書かねばならないのだが、コンミスさんやらチェロさんの連絡先って、このパソコンに入ってるんだよねぇ、ってこと。北米東海岸ならまだ起きてるだろうしさ。

困った世界になったなぁ。いやはや…

さても、こんなアホな作文はこれでオシマイ。作業を続けます。その前に、ちょっと朝飯を食うべーか。ヒヨちゃんはあんなに美味しそうに林檎食ってるもんなぁ。

がんばろー、あたしっ!

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