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曲がり角に来た無観客ライブ? [音楽業界]

今やってる商売もん原稿にモロに関わるのだけど、後の為の記録として記します。無論、この内容まではやってる原稿には入れる余裕はありませんし。

本日、鳥取県知事がこのようなアナウンスをなさったと報道されてます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20200402/4040004681.html?fbclid=IwAR0vveFzu7Wa_UcI0gMkVSu3sKgolCPycwr8ehN9hc99RbBaKcnrVB2kxeA
これがオリジナルソースかな。
https://www.pref.tottori.lg.jp/291061.htm#3
長くなるけど、必要そうな部分はコピペしておきます。2.というところ。

※※※※※

○中国新聞 小畑浩 記者

すいません。中国新聞の小畑です。関連してなんですけれども、ライブ配信経費というのは演劇とか、ステージのセッティングに関わる経費とその通信の経費、もしくは県外から来る場合は交通費とかもあると思うんですけども、どのあたりまでを想定されているのか教えていただけませんか。


●知事

そうした諸々の経費を踏まえて、一定額の補助ということになろうかなというふうに思います。もちろん、しつらえ全部やる[の]がいいかということでありますが、本来観客を入れて盛大にやろうとしていたものをコンパクトに、いわばテレビの画面の範囲内、VTRの画面の範囲内ということであれば、その必要経費というのもおのずから変わってくるのではないかなというふうに思います。そういうような形で文化芸術活動、小規模なものを中心としていろいろとあると思うんですが、支え得るだけの協力経費を考えていきたいと思います。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者

すいません。日本海新聞岡ですけど、知事、改めて文化芸術活動に対して支援を真っ先にされるというようなことに対する知事の思いみたいなものをちょっと聞かせていただけたらと思います。


●知事

実は本県、先ほどもちょっとちらっとお話申し上げましたが、例えば商工団体、商工関係向けには無利子、無担保、だから信用保証協会のことも含めて非常に有利な借入制度を既に創設をしていたり、それからサプライチェーンが切れたりして、それで販路を振り替えるとか、新しい施設を導入するだとか、その辺に対する助成制度というのは既に発効しております。それで、観光についても、今、当面まずバス旅行、小規模のものも含めて応援しようということを始めているところでございまして、様々な業態に対して、私どもとしては支援制度を今、県独自でもつくっております。


ただ、そうしたときに、最近、イベントのことがよく言われるわけでありますが、イベントを自粛をする。これは感染症の拡大防止としてやむを得ないところがあるわけでありますが、そこに協力していただくことで、文化芸術活動の芽が摘まれてしまう。収入面などについては、今、多分国が一時的な給付金等を考えられることはあると思うんですが、ただ、文化芸術の発表の機会自体が失われることが、このままで我が国いいのだろうかということであります。ドイツなどでは、そうした文化芸術活動を守るために、国家としてかなり大がかりな支援スキームも組んでやっておられるところでございますが、私どもは地域でできる範囲内のことで、その文化芸術活動を地域からも応援していけるのではないかというふうに考えたところであります。


今、演劇関係者とか、あるいは音楽のスタジオとか困っておられる所がたくさんあります。その経営の収入のこと等々は融資制度だとか、それから国のほうから追加の政策だとかいろいろと出てくると思いますが、発表という、そういう表現の自由の行使ができる、その場の確保につきまして、私どももお手伝いできることがあるんではないか、こういうように考えております。

※※※※※

以上です。

さても、具体的にはどういうイベントをイメージして知事さんが仰っているのかしら。先月来、当電子壁新聞でも盛んに取り上げている「定期演奏会などの予定されていた演奏会を予定されていた会場で無観客で演奏し、インターネットのライヴで放送する」というやり方のことを念頭に置かれているのとは、ちょっと違うような感じもするし。

少なくともクラシック音楽に関して言えば、鳥取県を拠点に活動し、鳥取県内の鳥取とか米子とか倉吉とかのオーケストラが演奏出来、オペラもやれるだろう規模のホールで、定期的に演奏会シリーズやオペラ公演をやっているプロ団体は存在していません。ですから、そういう「うちのオーケストラ」とかを念頭にしての発言ではないでしょう。強いて言えば、鳥取には世に知られた廃校を拠点とする「鳥の劇団」という全国に知られた(ってか、そのやり方からアートマ業界界隈では有名な)劇団がありますが、そこに機材を持ち込んで舞台をストリーミング中継する、というようなことをお考えなのかしらねえ。

現状、ストリーミングに関しては、昨日だかに専門家会議が発表した「10人以上の集まりの自粛」だかのお陰で、これまでとはまた違う様相を呈してきつつあります。要は、演奏者が練習に集まることも出来ない、ってこと。放送スタッフだって、映像のスイッチングをちゃんとするようなやり方でストリーミングしようとすれば、複数人が現場に必要になってくる。となると、奏者はせいぜい5,6人の、弦楽器や鍵盤など、口を使った作業が原則必要ない楽器による室内楽が限界になってしまうわけです。

それはそれとして、経済的社会的にもなかなか壁は高い。鳥取だと、例えば岡山フィルとか関西のオーケストラとかが、集団バス移動はダメでしょうから、楽器は個々人が抱えて自家用車で鳥取まで移動し、練習し、ステージ上で演奏を行う…って、もう経費や日程がなんぼかかるやら。それに、ヴィルス感染が広がっていないところに、感染者が多い都会から人がいっぱいやってくるわけですから、地元の方々が喜んで受け入れてくれるのやら

となると、まあ、あり得るのは、スター弦楽器奏者が米子駅前の労音さんが使ってるホールで無伴奏のリサイタルをやるとか、ピアノ独奏をするとか、かなり限られたものになりそうな…それだったら、今、家に閉じ込められてる世界中のスター演奏家が自分ちから放送してるのと同じだしなぁ。ヨー・ヨー・マの独奏チェロとか、ヴェンゲーロフのピアノ・トリオとかが無料でおうちから放送されてるわけで。

冷静に考えればどうしたらいいか、やっぱり頭を抱えちゃうけど、たとえば今はともかく事態がもうちょっと落ち着いてくれば、鳥取県の地元高校ブラスバンドがライブ配信でも発表会やりたいとか、バレエ団が発表会をやりたいとか、そういう話には対応出来るかもしれないですな。っても、ブラバンの練習なんて、今、やれないだろうなぁ。

とはいえ、知事さんが文化のことをここまで発言されている事例は他にはなさそうなんで、有り難いことであると鳥取を讃えましょう。あと数ヶ月で新総理の地元になるかもしれないわけだし。

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