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非常事態宣言下の花祭りの朝に [パンデミックな日々]

うらうらした春の良き日、花祭り、おめでとうございます。なんだかこのところ殺風景な誌面ばかりなので、我が葛飾巨大柿の木下のシジュウカラ・レストラン常連客さんの近影ご紹介。
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春になって桜も終わり、ツバメさんもいらしていて、レストラン周辺には小さな虫さんも飛び始め、めじろん夫妻やヒヨちゃんはもうご飯は要りません。シジュウカラさんたちは子育てに向けて栄養が必要なときで、まあ、しょーがないなぁ、という感じで最後のナッツは提供されており、この数年いらしているシジュウカラ奥様がひたすら食べまくってます。旦那の方は、緑になり始めた柿の枝の上の方でつつぴぃと叫ぶばかり。荒川放水路東の新開地、一昔前は0メートル地帯に町工場がひしめいていたこの辺りは、今は空き家とそこで暮らしてる野良猫さんがいっぱい、ハクビシンや狸まで出る小さな飛ぶ方たちが子育てするにはちょっと危険な秘境なんで、シジュウカラさんたちにはおうちを提供してあげるわけにはいかんのが残念でありまする。

さてもさても、風雲急を告げるニンゲンの世界の話。

このところ、毎朝起きてパソコンを起動すると世界各地から山のようなメールやら連絡やらが入っていて、それに対応しているだけで午前中が終わってしまう、という日々が続いておりました。かくて、当電子壁新聞なんて一銭にもならぬもんを相手にしている暇はなく、書きかけばかりが増えていく日々が続いております。どこそこのオケやオペラ、個人の集団がネットワークでライブやりますよ、とか、どこそこの音楽祭が中止になりました、とか、そんな書きかけ記事にしてもあっという間に告知期間が過ぎてしまったり、はたまたその後の情勢の変化で中途半端な情報はいかなこんな無責任媒体とはいえ出さない方が良いと判断し完全削除にしてしまうものも数多く、かくて記事スッカラカン状態が続いております。体悪くして伏せってる、というのではありませんので、ご安心を。って、やくぺん先生がおっ死んでしまおうが困るよーな立ち読み読者諸氏はおらんじゃろてに。

この間にも、世界に薄く広く広がる「クラシック音楽」業界の間でもコロナvirus旋風は吹き荒れ、先週には当電子壁新聞にもレギュラーのように登場してくる某音楽家ご夫妻が外国某都市で罹患、病院に行くこともならず苦しみ、なんとか無事に帰還なされたそうな。流石に個人名は特定しませんが、このパンデミック、やくぺん先生が関西に行っていた頃に「知り合いの知り合い」レベルでの感染が伝えられこれは他人事ではないと思わされてから一月、「一緒に飯食ったことあるお友達や知り合い」レベルに近づいてきている。

さても、昨日、所謂「非常事態宣言」なるものが新帝都にも発令されたらしく、これでホールや図書館などの公共文化施設は5月の連休明けまでは閉館が確定、民間も小規模コンサートスペース含め自主的な休業が続くことは確実となってきました。やくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿としましても、商売でやった原稿が発表されることなく埋もれていくこと数知れず。今や中止の連絡無く最後の唯一残っているのは5月3日だかの福井の演奏会だけなんだが、これって請求書を送ってくれという連絡も来ていないところをみると…ふううう。全面的に現場がなくなってしまっている舞台裏方関係者の皆様に比べれば、まだ被害は小さいということなのでしょうけどねぇ…

やくぺん先生個人におきましては、佃大川端の塒は公共施設のシン・ゴジラ目線の勉強部屋が閉鎖になっていまっていて、塒ではぶんちょうさんたちに襲われて仕事が出来ない。かくて、基本的に葛飾オフィスに単身引き籠もり予定でありまする。どうやら都心に出て行くのに御上の発行する通行手形やらは必要ないようだし、京成電車も都営地下鉄も、はたまた都バスも動いている不思議な「非常事態」のようなので、チャリチャリと清澄通りから水戸街道を遙々荒川放水路越えねばならぬこともなさそう。週に2回くらいは佃に寝に帰る、というなんだか長閑な非常事態期間中になりそうであります。

マスクやパスタ、カップ麵はなくなっても、電気水道交通などのインフラと物流については何故か都民はまるで不安を抱いてないのは、最後の最後でノンビリした平和な社会である、ということなんでしょーかねぇ。

とにもかくにも、現時点での情勢を纏めておきましょうぞ。あくまでも、「非常事態宣言が出た翌朝の纏め」という後の為のもの。後になれば笑い話になると良いのですが。

◆大規模舞台の無観客ライヴ配信は実質上不可能に

3月6日の神奈川フィルの練習場からのライブ配信を嚆矢に、翌日のびわ湖《神々の黄昏》、その翌日の東響ミューザと続き、3月半ば過ぎには豊中と京都でライヴがバッティングする事態にまで至る盛況ぶりをみせていた「無観客ライヴ」ネット中継ですが、4月1日に専門家会議が「5人以上の集まりを控えるように」という要請を出したところで大きく風向きが変わりました。

同日に行われ、初の有料ストリーミングライヴとして注目されたサントリーホール・ブルーローズからのピアノと管楽器の室内楽ライブ中継も、当初予定された室内オケライヴから規模を縮小してもやはり難しい状況になったようで、その後の予定は発表されていません。

オリンピック中止発表までは4月になれば規制を緩和して…という話が内部から流れていた東京都の文化財団、オリンピック中止以降は風向きが一転、昨日の非常事態宣言に向けた流れになっておりました。結果、今週末に予定され練習開始の動きもあった都内拠点の某オーケストラ無観客ライヴは中止になっていました(意外にも、3月中に都内からの無観客ライヴをやったのはアマオケがひとつあっただけでした)。「非常事態」が宣言された今、大人数の人が集まることそのものがダメなので、観客がいようがいまいがオーケストラが練習や演奏に集まるのも無理な事態であります。

世界を見ると、プラハの春音楽祭が完全にネット中継音楽祭にしてしまう、という歴史的な決断をしております。大丈夫なんですかねぇ、チェコの演奏家の皆さんは。管楽器はマスクして練習できないだろうし。
https://festival.cz/en/alternative/

◆アルヒーフ映像の提供へ

以上の流れを受けて、桜が散ってから初夏の五月連休明けまでの過ごしやすい時間、家の窓をガラガラあけて本を読んだり録音で音楽を聴いたり、可能な空間があれば自分で演奏したり長大な私小説を書いたりしていなさい、という極めて文化的な四月になってもーた。ことがこうなると、オリンピックなどという無駄な足枷がなかったために一足早く引き籠もりを決断したヨーロッパや北米のオーケストラやオペラ劇場がそうだったように、各団体も過去のアルヒーフ映像を無料配信するのが基本になりつつあります。とはいえ、幸か不幸か日本にはそんな映像を保存しているオペラ団体は初台くらいしかなく、初台はまだこの時期に過去アルヒーフをネット上にオープンにするつもりはないみたい。

オーケストラにはきっちり収録された定期演奏会などのアルヒーフを所有している団体もあり、まずまたまた先走るのは東京交響楽団さんのようでありまするな。これ。500円の有料での配信を本日だかから始めるようです。最大のアルヒーフ所有者はNHKの筈なのだが…
https://tso.futureartist.net/video

今やYouTube上にはタダで見られる同じようなコンテンツがいくらでもあると百も承知で、敢えて有料化を試みるのは、褒められるべき挑戦と言えるでありましょう。さても、どうなることやら。

◆タイムラインは秋口

誰にも判らないこの先の業界のタイムライン、本日の時点では、「欧州北米など9月がシーズン始めの社会では、今シーズンはもうオシマイで来シーズン頭からのスタートを期待する」という流れが見えてきてます。夏の音楽祭もイースター休暇入りを前に次々に中止が決まってます。秋以降に予定されているコンクールなど、予備審査などが必要なイベントがどうなるかは、まだなんとも判りません。その辺りは、まあ、適当に当電子壁新聞でもフォローはするつもりですが。

なお、シーズンが微妙に異なるアジア圏では、中国からは「公演中止」の連絡が某音楽事務所や香港、シンガポールの主催者から来るくらい。韓国からの情報としては、トンヨン音楽祭がなんとか7月くらいには出来ないかと思っている、という連絡があっただけです。実質、まだ全然見えてないのが現状ですな。

とにもかくにも、この沈黙の春をなんとか乗り切りましょう。

[追記]

なんとまぁ、こんなことを書いたら、本日午後に押っ取り刀で初台もアーカイブ配信に参入するとの告知がありました。だから今は、全ての情報はタイムスタンプが何よりも重要だ、ってこと。
https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017336.html


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