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死んだ子の歳を数える話:ヴィドマン編 [現代音楽]

226アベ要請をニッポンのどの業種よりもバカ真面目に直ぐ実行した我が業界、もう日常がなくなってまるまる2ヶ月が経とうとしています。その間、本来だったら出会える人に出会えず、あったかもしれないアーティストらの出会いがなくなり、生まれたかもしれない音楽が鳴らなかった。

そんなひとつに、3月上旬に予定されていた作曲家兼クラリネット奏者ヴィドマンの来日公演があります。今更予定をアップしても、ホントに死んだ子の歳を数えるようなもんだけどさ…
http://www.oek.jp/event/1969-2
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202003091900.html
特にトッパンホールの公演は、この本番に向けてエクは既に何度も演奏している弦楽四重奏曲第3番の練習は始めており、大いに共演を期待していた。ポール・メイエ以下、いろんなクラリネット奏者と共演してきているエクとしても、現役で最も売れてる作曲家でもあるクラリネット奏者との共演、ましてやその人の作品を直前に演奏するなど、こんなチャンスはホントに一期一会。大いに学ぶところがあったでありましょう。やくぺん先生としても、なんせヴィドマンが世界的にはまだ全く無名で売れてなかった90年代半ば過ぎ、ベルリンのカール・クリングラー弦楽四重奏コンクールの課題曲でヴィドマンの最初の弦楽四重奏曲をクスとかアルモニコとかディオティマで聴くという今となってみればなんとも凄くラッキーな出会いがあって以来、常にすれ違いながらもなかなかサシで話をする機会などがなく、なんとか練習眺めさせてもらおー、と無茶苦茶期待してたのでありました。ふううう…

そのヴィドマン、コロナ騒動で全く盛り上がりようがなくなっているベートーヴェン生誕250年記念年の東京での最初の大きな盛り上がりとして、こんなことが起きてました。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20200222_M_3.html
このページを眺めるに、後にコロナ・ヴィルス陽性になったムター様、この演奏会の頃から既にちゃんと来日出来るか、演奏会が可能なのか、という状況になっていたわけですな。何を隠そうやくぺん先生、この日はお義母様のお誕生日を祝うためにご家族で出かけており、この演奏会、そもそも行けなかった。ってか、あの頃は、「ああ、ヴィドマン、6番書いたんだぁ、っても、なんでこのメンツでやるかなぁ、まあ、今年あちこちでみんなやるだろうからまあいいやぁ」と気楽に思っていた次第。ひとつひとつの演奏会がこんなに貴重だと、全く感じていない平和な、やたらとみんな忙しがってばかりいた時代だったなぁ…。

なんだか、もう戻ってこない遙かな昔のことに思えます。実際、コロナ後の世界は、2020年2月末までとはまるで質が違うものになるんでしょうけど。

もとい。んで、ヴィドマンでありまするが、これまでに5曲の弦楽四重奏を書いており、いかにもこの作曲家らしく、それらは全曲通して演奏するとまるでマーラーみたいな2時間くらいの巨大弦楽四重奏曲になるような作りになっている。結果的にそうなったのかもしれないけど、《狩》が真ん中の巨大なスケルツォになるアーチ型構成の配置になってるともいえなくもないんですな。実際、前回のアムステルダム・クァルテット・ビエンナーレではそういうやり方でシグヌムQが全曲演奏が成されてます。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2018-01-28
って、当電子壁新聞に中身の記述がないなぁ。表の商売用メディアに書いたんだっけ。ここにプロモーション映像はありますな。
https://www.youtube.com/watch?v=ct5FsUSzeIs

ま、とにもかくにも、ヴィドマンの弦楽四重奏曲は実質の連作だったわけだが、今年、いきなり2作が書かれることになった。ほれ。
https://www.joergwidmann.com/werke-en.html
コロナ禍休館となる直前にサントリーのムター祭りでやられた6番、そしてその前にアルテミスQが初演している7番と、ふたつのベートーヴェンへのオマージュ作品が立て続けに出てきてるんですね。

いやぁ、これ、どんなもんだったのか、あちこち探しても良く判らない。どうも、いろいろ狭いゲンダイオンガクや室内楽業界の連中が議論し始める前に欧州もコロナ・パンデミックに突入してしまったようで、やりっぱなしで放り出されてる、って感じ。

まあ、楽聖生誕250年は幸か不幸か12月だったので、秋以降はなんとかなる…と良いんですけど。

さても、そうこうするうちに、ベルリン国立歌劇場の「今日の24時間ストリーミング」で、ヴィドマンの《バビロン》改訂版上演、昨年の暮れの映像が日本時間午後7時から始まります。こちら。
https://www.staatsoper-berlin.de/de/staatsoper/news/unser-taegliches-video-on-demand-programm-kostenlos-fuer-sie.142/
まずは、世界中のメイジャーオーケストラが演奏し始めている《バビロン組曲》を聴いて、どんなもんか耳を鍛えておきましょう。

ちなみに、ミュンヘンでの初演の感想になってない感想はこちら。参考にもならんけどね。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2014-01-28
この世界コロナ・パンデミック、実際にヴィドマン御大のお姿を拝めなくなってしまった代わりに、御大の渾身の、というか、もうなんでもありぐちゃぐちゃの超大作が引き籠もりのお宅で眺められることで、少しは埋め合わせが出来たと考えましょうぞ。ちょっとでも、死んだ子を蘇らせましょ。

[追記]

全てセッティングし、葛飾時間午後7時過ぎにさて、拝聴するぞ、とサイトに行ったら、なんとなんとなんとぉ、《バビロン》の配信は5月4日になってしまいましたぁ!なぜかリブレットはアップされてますので、薫風香る皐の空の下、勉強しておけ、ということのようです。いやはや…これなら、ぶんちょうさんのお通夜に佃に戻れたのになぁ。うううん…
https://staatsoper-berlin.s3.eu-central-1.amazonaws.com/media/file/33142?response-content-disposition=inline%3B%20filename%3D%22Babylon_Programmheft_Auflage-2019%2BLibr-F.pdf%22&response-cache-control=public&X-Amz-Content-Sha256=UNSIGNED-PAYLOAD&X-Amz-Algorithm=AWS4-HMAC-SHA256&X-Amz-Credential=AKIAUCI3T77LYTYZSN4A%2F20200430%2Feu-central-1%2Fs3%2Faws4_request&X-Amz-Date=20200430T102356Z&X-Amz-SignedHeaders=host&X-Amz-Expires=600&X-Amz-Signature=fca10a9eb8185361985b67d99d40f5a11a094813203679111ad758fa3d8d1ff2

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Yakupen

結局、どういうわけか、4日の《バビロン》配信は直前に中止になってしまったようです。日本でも期待していた人はいたようで、残念の声が挙がっていました。なにがあったのやら、権利関係か、作曲家が何か言ったか、ショット社が何か言ったか?いやはや…
by Yakupen (2020-05-06 10:56) 

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