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「インターネット配信」の違いの表記について [売文稼業]

昨日から、溜池の初夏恒例の室内楽音楽祭、「チェンバーミュージックガーデン(CMG)2020」が2週末のオンライン上音楽祭として始まっています。また、先程午後3時から、東京郊外は調布で開催されていた「調布国際音楽祭」がこれまた1週間のオンライン音楽祭として開幕セレモニーがライヴで流されました。

人と人が距離を取って生活する、他人に息や唾液を極力吹きかけない、不特定多数の人が触りそうな場所には極力触れないようにする、などなどの条件を付けられた生活が始まって早や2ヶ月以上。ゲーム感覚でやってるみたいなちょっと滑稽な違和感が、いつの間にやら「それが当たり前」って感じにすらなりつつある今日この頃、欧米は学校の卒業式も終わりシーズンオフの地方音楽祭の季節となり、ヴァーチャル空間上にはそれなりの規模や仕掛けの、ほんまもんのライヴが戻りつつあります。

今、ほんまもんのライヴ、と記しているのには理由があります。手元に携帯端末がありまともなインターネット環境でありさえすれば、一部の地域以外なら誰でも個人レベルで映像音声が(その地域の御上と、相手に受ける気さえあれば)世界中の不特定多数に配信できてしまうというグーテンベルク以来数世紀ぶりの驚異的な情報革命が起きている真っ最中に勃発したコロナ・パンデミック、お籠もり生活の中で、御上から電波の使用許認可を獲得した特定の組織のみが独占しコントロールしていた音楽演奏の生配信はもう電話くらいに普通のものになってしまいました。

そのような状況下、この数ヶ月で「インターネットでの音楽映像配信」は一気に常識を通り越して、必需品になってしまった。となると、実は「インターネットでの配信」にもいろいろな違いがあることが、配信側だけでなく、受ける側にもなんとなく判ってきた。

先週だか、インターネットでのライブ演奏配信を行おうというある組織の方のお手伝いで、受信テストのモニターみたいなことをやったのですけど、そこで問題になったのが、様々な種類がある「インターネットでの配信」の違いをきちんと違う種類のものとして伝える用語はないのだろうか、ということでありました。

一昔前ならば「NHKがこういう風に表記してます」とか「讀賣新聞はこうしてますね」とか、メイジャーなマスメディアの表記に合わせるのが常識でした。それがいかに滅茶苦茶で、学者先生やマニアさんが文句を言おうが、NHKがこう記してるんだからしょーがないでしょ、と応じるしかない。おお、今や古き良き大メディア情報独占時代よっ!

てなわけで、もう今や日本語表記のお手本になるにお手本メディアなど存在しない、と割り切って、「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任電子壁新聞としましては、勝手に「インターネット配信」の表記の違いを以下のように定義する次第でありまする。

ライヴ配信:端末で映像音楽が受信可能となっている瞬間に、実際に世界のどこかでその演奏が行われている配信。

限定ライヴ配信:特定の手続きをした視聴者のみに受信可能となるライヴ配信。配信プラットフォームが提供する有料電子チケットを購入する、主催者(パーフォーマー個人の場合もあり)への一定額以上のドーネーションを行う、などでアクセスコードを入手することで視聴が可能になる。

ヴィデオ配信:事前に収録し編集を行った映像音楽の配信。要は、CDやDVDなど「パッケージ」の配信のネット版。

重要な違いは、「ライヴ配信」なのか「ヴィデオ配信」なのか。それと、「視聴者限定」なのか「オープン」なのか。さらに、「期間限定」なのか「アルヒーフ(原則、いつでも視られます)」なのか。ま、その辺りをハッキリされられれば、今のところは用語としては充分なじゃないかしら。

なんのことはない、この表記、「調布国際音楽祭」さんの表記に合わせたものです。これ、現時点ではいちばん妥当だなぁ、と判断した次第。横文字系はどうなってるかとか、まだまだ議論はありますが、ともかくこんなところで。

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