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ベートーヴェンお誕生日に小尾さんはいない [音楽業界]

昨日、以下のようなリリースが送られてきました。

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弊社代表取締役小尾 旭 は2020年7月25日虚血性心疾患のため逝去致しました(享年90歳)。
ここに生前のご厚誼に深く感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。
なお、葬儀は現在の新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、ご遺族の希望によりご親族のみで執り行う予定です。
ご遺族の希望により、ご香典、ご供花、ご供物の儀は謹んでご辞退申し上げます。


ミリオンコンサート協会
事業部長 岩永直也
‪〒105-0001
‪東京都港区虎ノ門1-21-10-702
TEL 03-3501-5638/FAX ‪03-3501-5620
‪classic@millionconcert.co.jp

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誰もそんなことは口に出して言わないだろうけど、やくぺん先生とすれば、小尾旭氏は本当の意味で「萩元晴彦的なる価値観とやり方に対抗軸を示した唯一のプロデューサー」でした。昨日、享年の数字に接し、ふたりが同じ歳だったと知った。なるほど…

この話をし始めると、延々と長くなる。ってか、新書本一冊くらいのネタになる。幸か不幸か、あまり人々が気付いていなかったかもしれない両者の80年代から世紀終わりまでの決戦の舞台となった津田ホールとカザルスホールは、2020年のコロナ禍を前にとっくにぺんぺん草さえ生えない古戦場と化し、コロナの時代に新しい業界を作っていこうと闘っている若い世代とすれば、神話時代の伝説となっている。

ま、それはそれで、いいのでしょう。


小尾旭マネージャーと最後にお会いしたのは、恐らくは彼を知る多くの人と同じく、昨年の大晦日のことだった…と思う。
DSCN4841.jpg
もしかしたら、226アベ要請の当日に上野で開催されたえんれん主催のエクの演奏会だったかな、と思わないでもないが、なんせあの頃のことは記憶が定かではない。いずれにせよ、「現場」だった。

小尾さんがプロデュースをする「大晦日ベートーヴェン弦楽四重奏ラズモ以降全曲演奏会」、何年やってるか知らないけど小尾さんと参加団体が一緒に入ってる記念写真なんて、今まで撮ったことないでしょ。いや、こんなこと言っちゃいけないんだけどさ、そろそろちゃんとひとつ撮っておかないとマズいと思うよ。

…小尾会社ミリオンを実質上現場で仕切るI氏にそんなことを言って、神楽坂の某音楽専門誌出版者の編集長に押し込み、強引に取材にし、インチキカメラマンとして一眼レフを抱えて大晦日の上野に向かった。なんせ演奏者の数が多く、みんなを並べるなど至難の業、小尾さんにしてもどこでふらふら誰かと話し込んでるか判りゃしない。猛烈にタイトなタイムラインの中、5分間だけを捻り出して貰い、文化会館小ホールの舞台裏という極めて狭い空間に椅子を並べ、撮影したのがこの記念写真。
DSCN4855.jpg

無事に記事として掲載され、写真もミリオンに「ご自由にお使い下さい、クレジットはいりませんから」とまわしたら、「小尾がすごく喜んでました」という連絡が来たっけ。

ベートーヴェン250回目のお誕生日記念にはならなかったけど、無茶してやっておいて、よかった。じゃあね、おとーさん。そっちで、ベートーヴェンにどうしても会いに行くと騒いでる岩淵先生を押さえつける役回りを押しつけちゃって、ゴメンなさい。

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