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夏の音楽祭はやっているのか? [音楽業界]

お誕生日の前に天の神様に向かって「コロナでお金になる仕事が激減して困っています、神様、今年は良い子にしますからプレゼントにお仕事を下さい」と祈ったら、お誕生日イブの日曜夜に携帯に編集者さんから連絡が入り、超特急で急ぎのそれなりの大きさの仕事が入りました。おおお、編集者さんは神のお使いかぁ!

んで、その一般誌原稿のために久しぶりにバタバタし、いろいろと事実関係を調べたりして、昨日出したテスト稿は書き直しを命じられ、先程改訂稿を入れて、時間もないのでこれでオシマイだろーとボーッとしている。んで、この作業であらためて思ったんだけど…

今のご時世、演奏会をやったのか、それとも結局やらなかったのか、きちんと調べるのはすごーく難しいなぁ。

当電子壁新聞のような私設無責任媒体ではないまともな作文の場合は、殆どの時間が事実関係のチェックやら再確認に費やされます。無論、まともな表の媒体なら校正やら校閲がちゃんと入るわけですが、知識めちゃ豊富な校閲さんでも流石に無理だろうなぁ、という専門的というか、判ってる人にした判らない事実というものはある。で、これはこっちがやらにゃだめだろー、と判断される辺りは、自分で調べないとならん。

ま、具体的にはそれほど面倒なことではない。「果たして世界中の夏の音楽祭はきちんとやられているのだろうか?」というだけのことなんですわ。

北米はどこもダメ。タングルウッドもネット上のフェスティバル、って毎日有料配信していますからね。英国もダメ。プロムスは早々と中止、グライドボーンもやってないし、エジンバラもない。まあ、オールドバラは「国際的な大音楽祭」かどうか微妙なんで、まあパスしていいか。

問題は大陸で、イタリアはラヴェンナを筆頭に、規模を縮小してもなんとかやろうとしている。ドイツ語圏は州によりいろいろみたいだけど、ラインガウとかどうなってるんじゃ。ザルツブルクは規模縮小して、それでも8月いっぱい開催、開幕前のBBCの報道はこちら。一応、ソーシャル・ディスタンスは聴衆や表方スタッフには求められているようですねぇ。
https://www.youtube.com/watch?v=TaoHj20NK1Q
《エレクトラ》やら《コシ》やら、オケはヴィーンフィルがまらろくやら第九やらやってる(驚くなかれ、ORF収録の映像がどれも全曲Youtubeに挙がってます)。おいおいおい、大丈夫かぁ、って心配になりますな。こんなだもん。

お隣スイスは、どうやら当初中止と発表していたルツェルンが、8月14日から23日まで開催されたようだと、パリの同業者さんが教えてくださいました。こちら。
https://www.diapasonmag.fr/a-la-une/le-festival-de-lucerne-a-accueilli-plus-de-7400-spectateurs-30887?fbclid=IwAR3WiEUH1jiWFFEDIIu_E5t-SfxbaFT7l6pAR12bY55ZgEOCZw0H6uuA73M
ディレクターさんが映像で宣伝してます。スイス在住の音楽家だけでこれだけ豪華にやれるんですなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZCSxX7DySiU
ルツェルン祝祭管をブロムシュテット御大が振ってるんですねぇ。いいのかぁ、こんな高齢者をコロナの真っ最中に働かせて。

フランス語圏は、どうやら数週間前に5000人までの規模の集会が許されるようになったらしく、入国制限も随分緩んでるみたい。地方での小規模な室内楽や現代音楽のフェスティバルは、開催されているようです。実際、プラドの音楽祭の中継を見る限り、まるっきりいつも通りですからねぇ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-08-11

なお、秋以降の外国人演奏家来日について音楽事務所の方と話をすると、どうやらチェコはほぼ普通に演奏会が行われているそうで、ことによると言語の壁で情報が届いていないだけで、ベートーヴェン交響曲全曲をやっちゃう、なんて夏音楽祭がやられてるんじゃないかなぁ、と思わぬでもないです。だって、世界の人たち、川崎のサマーフェスタのことなんて知らないでしょうし。

てなわけで、完全に自分のためのメモだけど、音楽祭やってたりやってなかったり。「こんな音楽祭に俺は出演してきたぞ」とか「先週、こんな田舎でガッツリ音楽祭聴いてきました」とかいう情報をお持ちの方は、是非、ご教授くださいませ。もう商売作文には間に合わないんだけどさ。

さて、アークヒルズ横のドトールを出て、溜池夏の現代音楽祭りに向かいましょう。
IMG_6304.JPG
もう空は夏じゃなく、すっかり秋の夕方になってら。

[追記]

BBCプロムスは、8月28日から9月12日まで無観客ライヴをやることになったようです。
https://www.bbc.co.uk/events/rxxnc8/by/date/2020
しかし、最終日も無慈悲にも"It will not be possible to have an audience at the Royal Albert Hall."とありますねぇ。みんな、ラジオの前で盛り上がってくれ、ということなのか…

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椿紅子

https://www.lajollalight.com/lifestyle/story/2020-06-12/re-imagined-summerfest-announces-6-concerts
カルフォルニアのLaJolla で小規模なれど贅沢な音楽祭 新ホールは永田音響設計 トーレパインズ ゴルフ場ロッジ宿泊込み特別席もsold outとか
by 椿紅子 (2020-08-26 20:08) 

椿

失礼!上記はやはり配信ですね
by 椿 (2020-08-26 20:17) 

Yakupen

椿さま

情報、ありがとうございます。北米、ってか、アメリカ合衆国は、今年は夏音楽祭はどこも配信メインになってますね。まあ、そもそも小規模なすごい田舎の音楽祭が多いので、これをきっかけに「ライヴと配信」のハイブリッド型になっていくのでしょう。
by Yakupen (2020-08-26 23:40) 

yamadaharuo

私が昨年行ったワルシャワの「ショパンと彼のヨーロッパ」もやっているみたいです。オケものはやらず、ピアノや室内楽を大ホールで。オペラは昨年に引き続き、ビオンディ&エウローパガランテがモニューシュコ作品を演奏会形式でやっているようです。ブロムシュテット氏については、定期的に指揮しないと指揮できなくなるから、やるしかないのだろうと思います。
by yamadaharuo (2020-08-27 09:17) 

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