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アムステルダムの《光》抜粋視聴月末で終了 [現代音楽]

溜池現代音楽夏祭りの真っ最中に、久しぶりに急ぎの仕事が入って、些かなりと心地よい疲労感に浸っておりまする。その仕事の中で、いろいろ「世界の夏音楽祭」について調べねばならず、結果として今日は1ヶ月ぶりに朝からオペラの全曲配信をネットで眺めておりました。4月末から7月くらいまでは、ほぼ毎日オペラ全曲を眺めており、確実に視力を悪化させたコロナの副作用でありましたが、川崎に始まり谷保、溜池と実質の東京首都圏夏フェスが3つ立て続けにあり、その間に横浜は紅葉坂上でプチ・ベートーヴェン祭りまであったこの1ヶ月の疲労が肩にのしかかる今となっては、コロナお籠もりの頃が懐かしいとは言わないけどさ…

そんなわけで久しぶりにネット上のオペラの状況を眺めたら、なんとなんと、ヨーロッパ系の芸術コンテンツを配信するサイト「Arte」のオペラのページで配信されていた昨年初夏のアムステルダム、シュトックハウゼン《光》全7作を3日に纏めた抜粋版上演を、さらにぐぐぐっぐぅと1時間半に纏めたダイジェスト映像の無料配信が、8月いっぱいでオシマイになるではありませんかぁ。こちら。
https://www.arte.tv/en/videos/089150-006-A/aus-licht-by-stockhausen-at-the-dutch-national-opera/

これはマズい、と慌てて眺め、今、やっと通したところ。うううん、まあ、なかなか収録が難しいし、どこを拾うかも判断が大変。要は、《指輪》抜粋を40分でやっちゃうみたいなものと思ってくださいな。その意味では、なかなかよく出来ていたんじゃないかしら。扱いが難しいオペラ・バレエの《金曜日》が全然ないのは、そもそもアムステルダムでの上演の時点で電子音の後奏曲「さよなら」しか無かったわけだし(ても、この部分が無性にカッコいいんだわさ)。

あのアムステルダムの長い初夏の日々から1年と2ヶ月、なんだか別の世界で起きていた遠い遠い昔の話に感じられる。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-06-03
今、あらためて抜粋を眺めてみると、とりわけ10日程でクセナキス祭りやアヴァンギャルド祭りで耳をひっぱたかれてた後で聴くと、やっぱり《光》は一柳先生の最近の管弦楽曲みたいに手慣れた仕上がりになってるし、その後のいろんな「現代音楽」の試みが全部入ってるじゃないかぁ、と思わされます。とりわけ《ヘリコプター四重奏》は、分割画面であちこち遠くに離れた人々がオンライン上合奏する姿に見慣れたコロナ以降の我々には、「おお、こんなこと昔からやってたんだっけ」とひれ伏し、神様仏様シュトックハウゼン様、と唱えたくなりますな。ホント。

なお、最後の各曜日の出演者が次々と写る映像ですが
IMG_6321.JPG
これ、実際にアムステルダムで最後にスクリーンに映されたエンドロールそのままです。

あと数日しか視られませんので、時間のない方は50分くらいからの《火曜日》第2部のミカエルとルシファーが音響ミサイルを撃ち合う惑星大戦争シーンだけでもご覧あれ。α号やβ号が発信し、モゲラが出現しそうだが(ラスボスはX星人ではなく蛸のピアニストですけど)、伊福部みたいな音楽は鳴りません。悪しからず。この映像、伊福部音楽に取っ替えたら、絶対に野外大ヒーローショーにしか見えないわなぁ。《ヘリコプター四重奏》も、70分過ぎくらいからしっかりアムステルダム上空を編隊飛行する勇姿まで納められています。やくぺん先生が聴いた日にはヴァイオリン嬢が落ちた話をしてますね。それにしても、やっぱり低音部が聴こえないんだよなぁ、この曲。そもそも電子音型の再生って、低音はほぼ絶望なんですけど。

夏の終わり、頭が地底人のようにパーになってるなら、度を超したアホっぽさに残暑を忘れてみてはいかがかしら。気に入ったら、秋吉台に来週の土曜日にいらっしゃいな。低音がぐあんぐあん体を揺すぶる電子音に浸れますよ、たぶん。

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