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公共交通機関で秋吉台国際芸術家村から戻る最短ルートは [たびの空]

どうやら九州から対馬、半島にかけては颱風10号で大変なことになっているようですが、なんとか昨日の伊丹発羽田最終便で無事に新帝都に戻って参りました。一部の皆様には、ご心配かけましたです。

なにせこの取材、ぶっちゃけ、どうやっても赤字で、この収入大激減のときに本来やってはいけない類いのものなんだけど、とはいえ帝都の演奏会切符などを削っても行っておかねばならぬイベント。となると、徹底してケチをせねばならず、日程やタイムラインが見えなかったので往路はまともに行くしかないにせよ、復路はどうせ商売になる作文仕事なんてスッカラカンの今、いかにして安く戻れるか、やれるだけのことはやってみなければならぬ。んで、お馴染みの青春18きっぷが登場するわけで、7月の終わりに新橋親父街のチケットショップで3日間残り券を現金8800円也で購入。8月頭の茅野日帰りと、お袋の命日の千葉の田舎の墓参りで2日分を消費。あと1日分が手元にある。さああ、これをどう使って遙か本州島の端から真ん中の平野まで戻るべぇか。

結論から言えば、山口なり新山口から延々と山陽本線各駅停車に乗り継ぎ可能な限り東進、どこかの空港で最も安い便に飛び込んで羽田なり成田なりに戻ってくる、成田に戻っちゃったらまた成田空港駅から東京駅なり亀有駅なりまで青春18きっぱーになる――という作戦。

なんせJRは運賃の選択肢が猛烈に狭い。それに対し、空路は良くも悪くもなんでもありで、成田から本州島の西の隅っこ辺りまで5000円くらい、なんてことも。セールを探せばもっと安くなるのだろうが、今はコロナで社運を賭けた大減便中で、選択肢は極めて少ない現状。昨日日曜日の午後など、早朝に山口県の真ん中から動き始めてJR各駅停車で首都圏行き最終便までに辿り着こうとしても、使える便は笑っちゃうくらい少ない。そもそも山口宇部、岩国、萩、広島、岡山、はたまた北九州空港などは午後は欠航ばかり。板付は日曜午後の上京便となるとLCC含めがっつりお高い席ばかり。そのLCCにしたところで、板付、広島、神戸(スカイマークはLCCか、と言われると困るが、百里便のお値段はLCCクラス!)、はたまた関空くらいしか可能性がなく(山陰側の空港はどこも安くはなりません)、どの空港もGOTO需要回復期待VSコロナ減便のせめぎ合い状態だし…

てなわけで、最終的には「青春18で延々とJR各駅停車を乗り継ぎ伊丹まで戻り、ANAの特典航空券を利用し羽田に戻る」という策に決断。朝の6時に国際芸術家村宿舎を出て、新山口駅午前7時55分発岩国行きを最初に乗り継ぎが良すぎる東海道から、途中で赤穂線側を経由して相生での青春18きっぱー大量乗り継ぎを回避しつつ東海道線に入り、釣瓶落としの秋の日も台風接近の嵐の雲に隠れる午後4時52分だかに伊丹駅近辺まで至る。ここで数ヶ月ぶりに大阪室内楽振興財団のK氏夫妻と会い、しばし気楽な業界バカ話をし、最後は伊丹空港でコロナで首都圏から撤収しちゃった美々卯で饂飩食ったりして
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いつもなら満杯の筈が三分の二程度の客席のANA最終便で羽田に戻ってきた次第。これで後述のバス含め、山口県中央部から新帝都まで5460円弱也。ふうううう…

さてもさても、今回のLong way Homeの最大のポイントは、いかにJR駅にたどり着くか、でありました。正直、颱風に備えて午後からは止めるぞ、と盛んに車内で脅していたJR西日本さん、瀬戸内を阪神圏まで東進するだけなら、途中で岡山から姫路などいくつかの文化圏を跨ぐボトルネックはあるものの、基本的には猛烈に接続が良く、なんと新山口駅から伊丹駅までの乗車時間9時間弱で総計8本の普通やら新快速を乗り継ぐ間に、乗り継ぎの時間はトータルで20分ちょっとしかありません。福山など一度下に降りて別のホームに上がる手間がかかるのに、乗り継ぎ2分。反対側に列車が待っているとはいえ、播州赤穂駅も乗り継ぎ1分!いちばん長いのはなーんにもない糸崎駅での11分ですから(岡山でおとなしく山陽線を経由すれば20分の待ち時間があったのだけど、前述のように相生乗り変えの青春18きっぱー大混雑はすっかり恒常化している山陽線の大ボトルネックなので、赤穂線始発から乗ることにしたのであーる)。ま、よく言えば「JR西日本は各駅停車運用を本気で頑張ってる」と褒めるべきなのでありましょうが、うううん、しんどいなぁ、流石にこれは。

もとい、話を戻してJRの世界に至るまで。ええ、今回、興味深かったのは、google Mapさんのご神託でありまする。今や街往く人のポケットや胸元にほぼ必ず入っている中華世界を除く世界の支配者Google Mapさん、この方に「ぐーぐるさま、哀れなあたくしに秋吉台国際芸術家村から伊丹までの行き方をご教授下さいませ」とお願いすれば、よしよしバカな人間め、教えてやるべーか、と答えて下さる。ああありがたやGoogle様、あなた様のお陰ですう…

ところがどっこい、少なくともこの山口県の山奥に限れば、Google様はホントのことを教えてくれないのです。ひとつの理由は「お前、どれくらいなら歩いて良いと思うのじゃ?」という配慮はなさってくれないため、徒歩という無慈悲なご指示はせいぜいが15分から20分くらいまで。もうひとつは、どうやら全ての公共交通機関の情報がGoogle様のところに伝えられているわけではないようだ、ということ。

以下、やくぺん先生の用いたルート。これ、Google検索では出ませんでした。Google様は、芸術家村から徒歩12分の八重ヶ原というJRバスのバス停に向かい、山口駅行きのバスに乗れ、そこからJR山口線で新山口駅に向かえ、と仰います。ところが、もっと早い方法があるのだよ、皆の衆。

とにもかくにも、もの凄い経験をさせていただいた宿舎にバイバイし
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芸術家村の敷地を出たところで真っ直ぐ八重ヶ原バス停方向に向かわず、左の山奥の小さな集落に向かう道を上ります。中国地方の古い造山帯のノンビリした上がり下がりを繰り返し、数件の集落で番犬さんに吠えられ、ダラダラと20分ほどかけてバス通りまで下る。それにしてもこの集落、昨晩の110デシベルを越える大音響、とんだ災難だったろうなぁ。ゴメンナサイ、皆様、お犬様。
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大田という里の集落から秋吉へと山に入っていく道は、観光道路としては裏道のようなのですが、流石に山口県、もの凄く良く整備されています。深い緑を切り裂いた谷に朝の光が差し込み、高いところで動き回っているカラの群れから置いてかれたアホなコゲラさんが、みんなどこだじじじいぃ、と叫んでら。
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里入口の病院裏の松の天辺ではホオジロ大将が縄張りを誇示し、田んぼの上を颱風が開けたらそろそろ南に向かうだろう燕さんたちが低く舞う。なんのかんのダラダラと山を下ること40分程で、川の向こうに集落が開け、大田バスセンターが見えてくる。ここからJRじゃなく、萩の方から来る防長バスの新山口駅行きに乗るのであーる。
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ちなみに防長バスは「大田中央」というバス停名になるようです。なんでやねん。ちなみに、この東京駅に朝の8時に到着する萩エクスプレスなる深夜バス、現在はコロナで運休中とのことでありました。

素晴らしいバスセンターで1030円也現金のみの切符を買い、この先を考えるとなにか食い物、とオジサンに尋ねると、そこ、と指を差される。
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カレーパンと甘いバケットと、カープ応援ラッピングのサントリー烏龍茶を現金450円也で購入し、待つこと暫く、7時6分には驚くなかれ3人もの乗客を乗せたバスがやってきて…

結論:秋吉台国際芸術家村にアクセスするには、新山口駅から防長交通バスの新萩駅行きで大田中央まで行き、バスセンターのオジサンに「タクシー頼めますか」と泣きつくか、40分山をダラダラ登るのが最速コースです。バスは昼間は2時間に1本くらいはあるみたい(防長交通バスのWebサイトをご覧あれ)。無論、山口宇部空港から距離としては40キロもないので、レンタカーを借りちゃえばもーまんたい。道はしっかり整備されておりまする。秋吉台は遠くない!

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