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古典Q我が道を往く [弦楽四重奏]

秋分の日、斜め隣のオペラシティ・コンサートホールではポピュラー系のスターさんが「コンサートホールにお客さんひとりライヴ」なんて突拍子もないことをやってるのを横目に
https://www.barks.jp/news/?id=1000186512
近江楽堂で古典Qのベートーヴェンを拝聴しておりましたです。
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ご覧のように演目は作品18の前3つ。いずこも同じ、生誕250年企画か、とお思いでしょうが、田崎さん曰く、「今年から始めて3年間、記念年に関係なくやります」とのこと。いかにも我が道を往く、ってか、我が道しか往かない古典四重奏団らしい企画ですな。

かつて新百合ヶ丘なんぞでやってたものを、甲州街道の入りっ端は内藤新宿の異常なまでに響きの大きな小さな空間で再度試みる、というもののようです。最初にまず田崎氏編曲で関連する作品のあちこちをちょっとづつ聴かせてくれるレクチャーがあり、後半というか、その後にがっつり普通の長さの演奏会がある。今回も、2時に始まって終わると4時半くらいでありました。ちなみに、席は控えめ60席で、こんなん。
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正直、このサロンみたいな規模の会場にはこれくらいが丁度良いなぁ、という埋まり具合でありました。

古典Qの作品18って、案外、珍しいような気もする。とはいえ、昨日のレクチャーは決して奇をてらったものではなく、夏の盛りに紅葉坂上でYamatoの諸君の艦長さんが吠えたような旧来のベートーヴェン観を意図的に破壊するようなものではなく、極めて真っ当なもの。ベートーヴェンの新しさとはモチーフ操作である、と作品18の1冒頭楽章をハイドンの《皇帝》冒頭楽章と比べたり、舞踏楽章をベートーヴェン風にしていることを示したり。極めて真っ当な話でありました。ひるむほど「ムズカシイ」話ではありませんから、ご安心を。

興味深いのは、最初は2分冊で出版された作品18の前半分をひとつのコンサートで弾くのに、第2番→第1番→第3番、という順番で弾いたこと。これはどのような意図なのか、コロナで楽屋に突っ込んじゃダメです、という風潮じゃなかったら、あとで田崎さんに尋ねたかったなぁ。♭や♯の数をひとつづつ増やしていく、ってことなのか。

ともかく古典Qって、何をやっても何か意味があるんじゃないか、と思わせてくれる貴重な団体であります。お暇な方は、明日ももう1公演ありますので、初台までどうぞ。
https://www.cre-a-tion.com/qc/sche/muzukashi2020/

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