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初の国内仕様「北京音楽祭」無事終了 [音楽業界]

ちょっと纏まった大きさの原稿をやっていて、世間の動きをフォローしていない間に、コロナの世界の秋はドンドン深まり、せめて「やってるよ」というくらいのお知らせはしようと思っていた第23回北京音楽祭も終わってしまったじゃないかぁ。

今年は世界いずこも同じパンデミックの中、期間も10月10日から20日と短めに設定され、この音楽祭の最大の売りであるロン・ユー監督の人脈で世界のメイジャーな団体や演奏家、オペラプロダクションを持ってきて北京市民に提供する、というやり方とはちょっと違うものに鳴らざるを得なかった。こちら。
https://blogcritics.org/beijing-music-festival-2020-virtual-covid-19-10-day-online/?fbclid=IwAR2SbjITcA6Mxv4vFcBSqUunipaqOCcV5Htys_HrNlSu2SbfG7d89M_ZlSE

恐らく、外国団体や著名外来演奏家、指揮者がいない「北京音楽祭」って、始めてなんじゃないかしら。やくぺん先生は、数年前の「NYフィル新監督指揮香港フィルがピットに入るザルツブルク音楽祭カラヤン演出《ヴァルキューレ》復活上演」というこれ以上派手な演目も考えられないもんを見物に行ったっきりなんですけど、その後も一昨年は《Written on Skin》アジア地区初演やったり、いろいろ頑張ってました。今年の演目は、上のURLから英語の紹介記事をご覧になっていただけばお判りになるように、メインはオンライン。初日に武漢響が披露する「2020年に捧げるシンフォニー」というベートーヴェンの第九編成に近い委嘱新作があったり。勿論、コロナ関連作品ですな。こちら。全曲聴けますよ。
https://www.facebook.com/BeijingMusicFestival/videos/2636183796598481

とはいえ、やはり最も興味深いのは、中国の若いヴァイオリニストだけを集めてベートーヴェンの10曲のヴァイオリンとピアノのためのソナタ全曲を演奏する、という演奏会じゃないかしら。いろんな意見はあろうが、ともかく北京で、というか、中国で、これだけの数の時前の若い演奏家が出てきて、これだけのことが出来るようになっている。有名な外国人演奏家が来なくてもここまでやれるようになった、ってこと。

これが今時のこの国らしい「愛国的」なイベントなのか、なんとも判らぬけど、「西洋クラシック音楽」のこれだけデカいフェスティバルが時前の演奏家でやれるようになったんだから、今年生誕100年がすっかりすっ飛んでしまったアイザック・スターンが上海Qの李兄弟を発見したり、小澤氏がオケの誰もまともに弾いたことないブラームスのニ長調交響曲を北京で奏でたりしていた文革直後から半世紀、こういう世界になったのだなぁ。

こちらのFacebook公式ページから、コロナ交響曲世界初演からベートーヴェンのソナタまで、全て視聴可能です。コロナ交響曲は、23rd Beijing Music Festival: Opening Concertってとこをスクロールして探してちょ。
https://www.facebook.com/BeijingMusicFestival
「中国共産党が第九禁止」なんて良く判らぬ情報が流れてビックリしていた皆様も、これらを眺めて少しは安心する…かしらね。

それにしても、やはり北京は遙かに遠し。

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