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2020年回顧のために [売文稼業]

お正月の困ったことは、日程がワープしてるみたいに気付くとなんにもしない日が続いてしまうことでありましてぇ…まだ先だと思っていた締め切りが目の前にあったりする。

緊急事態宣言が再び出るのでは、学校の入試はどうなる、今月3回もある喋り仕事はどうなる、などなどアヤシい空気が流れる正月2日。気付くとなんと、もう締め切りが目の前にある「2020年回顧」原稿があってぇ、午後からいろいろオフィスじゃなくても出来る準備などをしているわけでありまする。

そんななか、春になるとあちこちの大学大学院からで出てきそうなコロナ期の状況を纏める論文を指導している方と話をし、いろいろ思うことがあったです。

2021年になり、事態が収まっていようがいまいが、コロナ禍時代の議論が様々にされるようになるでありましょう。そろそろ共通認識としてのタイムラインもなんとなく確定してきている感はある。となると、なによりも必要なメディアの仕事は、「時期区分及びその名称」の確定なのではないかい。

一昔、二昔前はNHKとか三大紙とかが使っている言葉やら認識やらに合わせればいい、という気楽な考えがあり、ぶっちゃけ、それが大手メディアの大事な仕事でもあった。だけど、グーテンベルクの印刷技術発明以来の情報革命の真っ只中にいて、コロナ禍がそれに猛烈な後押しをしちゃっている昨今、誰が決めてくれるか判らなくなってきている。

ま、そーゆー愚痴はともかく、「コロナ時代の記述の仕方の基本時代区分」の名称を確定しようではありませぬか。なんせ、この時期に関しては、「御上の決定」によって明快な時代区分が可能な珍しい時期なんですから。無論、「1945年8月15日」にしても、「終戦」と呼ぶか「敗戦」と呼ぶか、はたまた「解放記念日」と呼ぶか、いやミズーリ艦上での降伏調印が正しい敗戦の日だとか、樺太では戦闘やってたとか、いろいろ文句を言う人はいるだろうけど、ここがひとつの区切りとしても問題ないでしょ、ってくらいのこと。

例えば、ある若い研究者さんの論文に従えば

◆混乱期:2020年初頭から緊急事態発令まで

◆ロックダウン期:緊急事態発令から段階的な解除まで

◆再開模索期:段階的な解除から年末まで

ということになる。

日本語文化圏での議論なら、全土に緊急事態が発令された時期を「ロックダウン期」とし、一種の「戦時中」みたいな認識で捉え議論するのは、まあ、概ね誰からも文句は出ないでありましょう。問題は、我が業界に限れば、「ロックダウン期」よりも前の「混乱期」の半ばとされる2月26日が「開戦の日」と認識せざるを得ない状況であること。そのズレをどうするか…

要は、「戦中」を真珠湾攻撃からと認識すると、爆弾三勇士の上海事件やら重慶爆撃やらは戦争の外になってしまう。だけど、明らかにそこから戦争は始まってる、みたいなズレでんな。

というわけで、某年鑑の2020年回顧、締め切りまであと数日。初荷お仕事、ぐぁんばってやりましょか。

[追記]

ある方から、「日本政府の緊急事態宣言は法的な拘束力がない要請に過ぎず、国民が勝手にしたがっただけなので、法的な拘束力がある欧米のロックダウンとは異なる。だから、日本の場合は『全国緊急事態宣言発令期』とかにした方が後の誤解がないのではないか」という意見をいただきました。確かに二度目の緊急事態宣言を前にすると、仰る通りだなぁ、と思いますね。

なんであれ、情報が蛸壺化するソーシャルメディア時代、共通の認識を持つように努力しないとドンドン他人に伝わらない言葉が一人歩きする傾向が顕著ですので、なんとかしないと。

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