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まだまだやってるベートーヴェン! [弦楽四重奏]

「社会構造がひっくり返る戦乱の時代の作曲家」ベートーヴェンらしい大混乱の2020年記念年が終わり、さあて、始まってはや2週間になる2021年は、なんといってもストラヴィンスキー没後50年を筆頭に、ツェムリンスキー生誕150年、そして恐らく大本命として扱われそうなピアソラ生誕100年、なんて騒々しい年なのであるぞよ、皆の衆!
https://www.schottjapan.com/composer/anniversary/2021.html

やくぺん先生ったら、新年一発目は没後100年のサン=サーンスの代表作たるオペラで幕を開け、もうこの作曲家はこれで充分、って思ってしまったです。平時ならばストラヴィンスキーは大いに盛り上がり、弦楽四重奏はみんな《3つの小品》を演奏し、オペラハウスは《マブラ》と《ペルセフォネ》のダブルビルとか、著名ピアニスト総動員する《結婚》とか、《アゴーン》が舞台で観られるとか、いろいろあったんだろーけど…なんもないですな。うううむ…

そんな中、「生誕250年は尻すぼみだっけど、没後200年の2027年に向けての長い始まりの年なのでーる」とでも宣言するかのように、まだまだベートーヴェン、やってますぞ。すれっからしの音楽ファンは、「もうベートーヴェンは結構、他をやってくれ」と仰ってるのは知ってるけど、いえいえあなた、ホントに昨年、いやんなるくらい聴きましたかね?だって、ニッポンではひとつのオーケストラが交響曲全部を短期間でやる、なんてチクルスは、毎年恒例の大晦日上野しかなかったんじゃないかい。ひとりがやる気になればやれるであろうピアノ・ソナタだって、ショパン全部なんて無茶をやってる横山さんがやったくらいで、所謂著名スター外来演奏家のチクルスは結局なかった。室内楽ではヴァイオリン・ソナタは数チームが完奏、あっさりやれそうなチェロ・ソナタだって完奏は数えるほど。弦楽四重奏に至っては、例年なら必ずサントリーの初夏のフェスティバルで全曲がある上に、外来含めひとつや2つのチクルスはあるものの、結果はご存知の通り。《橄欖山の基督》は絶対に聴けると思ったのになかったし、各地で軍楽隊が大砲ぶっ放す《ウェリントンの勝利》があると思ったらひとつもないし。

そーじゃ、楽聖記念年、消化不良のままにまだまだズブズブとしつこく、まるで第8交響曲コーダのいつまでも終わらない和音連打のように、年が明けても続いておるのじゃよ。嫌だったらサン=サーンスでもブルックナーでも、はたまたフンパーディンクでも聴きにいきなされっ!

てなわけで、ふと気付くと、葛飾オフィス撤収のバタバタが本格化し始めるやくぺん先生ったら、昨日からなんとなんと、ベートーヴェンの弦楽四重奏ばかり三連発のポスト記念年なのであった。

※1月13日:浦安音楽ホール クァルテット・エクセルシオ ベートーヴェン全曲第3回目
ラズモ第1番、《大フーガ》、作品130最終稿版

※1月14日:石橋メモリアルホール クァルテット・インテグラ&チェルカトーレQ プロジェクトQラズモ第1番、《ハープ》
http://www.tvumd.com/program/detail/?event_code=projectq&program_id=this_time

※1月15日:晴海第一生命ホール ヴェールズQ ベートーヴェン全曲演奏会
作品18の1、《セリオーソ》、作品131
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2021/01/15/3167/

ってなわけで、こいつは春から…って調子でいっぱい聴けるんですわ。ともかく先生に習ったことをまともにぶつけるコンクール前の超若手、猛烈に明快なコンセプトで21世紀の混沌のマーケットを突破しようとするまだ若手、そしてもう「上手に弾く」ということそのものには関心がなくなりつつある巨匠への一歩を踏み出している中堅――今の実質鎖国ニッポン列島でもここまで広いスタンスの解釈が聴けるのだ、と驚かされるようなラインナップでありますな。実は、サイトをご覧のように、この三日間、プロジェクトQは別の若い人たちも出てきて、ずっとベートーヴェン弾いてるのじゃよ。

ちなみに、来月にはもうひとつ、若手の中でもしっかりファンもマネージャーもついて、更には先生達に凄く好かれるキャラのようで仕事もたくさんいただけていて、順風満帆としか言い様がないQアマービレが、はっきりと2027年を視野に入れたプログラム作りのチクルスを始めるようです。
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2020/20210221.html

ヴェールズにせよアマービレにせよ、現場で目の前で眺めた「あのミュンヘン第3位」ってのが、直後に大手のマネージャーさんが付いたとはいえ、こんなに一人歩きみたいに騒ぎになるとは思ってもみなかった。エクやアルモニコ、すばるなどの世代のときは、最高位になっても弦楽四重奏がこういう風に扱われることがなかったので、なんだか凄く不思議ではあります。ま、それはそれ、いろいろな巡り合わせがあるのでありましょう。

ところで、昨日無事に開催されたエクの第3夜には、こういう告知が出ていました。
IMG_8953.jpg
初回から出ているのですけど、要は「ライヴを映像収録して、DVD若しくはBlu-rayにして販売します」ということ。コロナ下で今や映像配信はすっかり当たり前になってしまいましたが、これは配信を販売するのではなく、複数カメラを会場に入れてプロが撮影し、編集し、プライヴェート・レーベルのディスクとして販売する、ということ。

冷静に考えると、なんとなんと、ニッポンの弦楽四重奏団でベートーヴェン全曲を正規の録音している団体はまだなく(現在、エクとヴェールズが初回となる栄冠をさりげなく争ってる真っ最中)、映像は勿論ありません。メイジャーレーベル崩壊後の自主レーベルという形であれ、エクがその最初の栄光を担うわけでありまするな。ちょっと意外だけどさ。

そんなこんな、小さい会場でもそれなりに年頭から演奏会は行われているといえ、二度目の緊急事態宣言のニッポン列島、どうも前回と違うのは、御上は言うだけで民衆の自己責任に任せる、って姿勢が顕著で、結果として「自粛警察」的な空気があらゆる場所に漂っていて、コンサート関連も例外ではない。どうも、主催者さんもヴェニュも、はたまた出演者も、演奏会の告知を控える傾向にあるように感じられます。「演奏会しますよ」というと「非常時に不届きな」という文句を言ってくる人がいる、若しくは居るような空気があるなぁ。

いやはや、を100連発くらいしたくなるけどさ、ま、ベートーヴェンはそんなんには負けない、ってか、気にしませんから。ぐぁんばろー、ポスト記念年!

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タッチ

前略
公演DVD&ブルーレイは通販で入手できないのでしょうか?
エクのウェブサイトにはアナウンスなさそうなんで、こちら(コメント欄)で照会させていただく次第です。
by タッチ (2021-01-20 13:30) 

Yakupen

タッチさま

スイマセン、チェックが遅くなりまして。ええ、一昨日だか、エクと話をしまして、どうするか返事をいたただきました。一両日中にBlogネタとしてきちんとアップします。基本、「直接、エクプロのWebサイトから買えるようにする」とのことです。もうちょっとお待ちを。
by Yakupen (2021-01-31 11:25) 

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