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ストラヴィンスキー没後50年なのじゃ [音楽業界]

あっという間に1ヶ月が過ぎてしまい、北京五輪まであと1年と迫った2021年。コロナの騒動未だに続き、残念ながらトーキョーはどう考えても無理なのは、選手村近隣住民に復帰するやくぺん先生の実感なのでありまするが、ま、それはそれ。

2021年は、運動会なんぞよりも余程大事な記念年がふたつもありまする。ひとつは言わずと知れた、ピアソラ生誕100年!なんとこちら、100歳のお誕生日が東日本大震災の当日って、ニッポンではちょっと困ったことになっているわけなのでありまして…うううむ、それはそれで大変だろーなぁ。

んで、もうひとつは業界的にはもっと大きな、恐らくはベートーヴェン250年にも匹敵する、はたまたもっと大きな記念年たり得るネタ。ストラヴィンスキー没後50年でありまする。

本来ならば花祭り前、ってか、イースター休み頃の4月6日の半世紀の命日に向け、そろそろいろいろと盛り上がってくださっていても構わない頃の筈で、世界のあらゆるオーケストラが《火の鳥》やら《春の祭典》やり、《詩篇交響曲》含めた三大交響曲全曲一挙演奏なんてコンサートがあちこちであり、世界中の弦楽四重奏団がアンコールに《3つの小品》を弾き、あちこちのバレエカンパニーが《ペトルーシュカ》とのダブルビルで《アゴン》ばかりかピアノごっそり並べた《結婚》どかどかやり、オペラハウスも《放蕩者の成り行き》の力の入った新演出を出す、小劇場系は最新テクノロジーを駆使した《兵士の物語》のあれやこれやの演出が嫌になるくらい出てくる…なーんてことになっていたのやも知れないけどさ。

現時点でのトーキョーで発表されている命日頃のイベントは、このふたつくらいかな。うううむ、両方とも、やれるんだろーか?それにしても、春までに日本で一度も《春の祭典》が鳴らないなんて、とんでもない事態になってるなぁ。
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/iolanta/
https://www.tokyo-harusai.com/program_info/2021_stravinsky/

そんなコロナ禍のお祭りがやれない現実の中で、頑張ってるのが出版社さんです。ストラヴィンスキーの出版事情って、修士どころか博士課程の論文になるくらいめんどーくさい話があるのは皆様ご存じの通り。ロシアからフランス、アメリカ合衆国へと時代に翻弄され流れ流れた個人の歴史がまんま世界史と結びついてるわけで、非常に興味深いもんです。そんな興味深い作曲家を世間に少しでも知っていただこうという意図か、ストラヴィンスキーの楽譜の多くを扱っているBoosey&Hawks社さんが、こんなサイトを立ち上げてくれてます。
https://boosey-news.com/p/2kd7-3dd/stravinsky-connections-podcast?utm_campaign=2866377_Stravinsky%20Podcast%20launch%20London%20b2b&utm_medium=Dotmailer&utm_source=Email%20Marketing&dm_i=2KD7%2C1PFPL%2C7L7AXE%2C5TOE7%2C1

能書きをまんま貼り付けておくと

Boosey & Hawkes presents a series of audio podcasts in honour of the 50th anniversary of the death of Igor Stravinsky, one of the 20th century’s most iconic composers. The five weekly episodes, commencing 29 January, are hosted by Jonathan Cross, a respected authority on Stravinsky, who invites listeners to explore this colossus of modern creativity.

だそうですわ。やってるのは、オックスフォードの音楽学の先生で、2015年にストラヴィンスキーの英語での大きな評伝を書いてる、世界でいちばん影響力がある言語圏でのこの作曲家の第一人者さんですから、まずは没後半世紀のこの作曲家像の定番中の定番をちゃんと出しておきましょう、ということですな。5回のシリーズでそれぞれ10分くらい、滅茶苦茶聞きやすいまともな英語でのナレーションですので、大丈夫。

第1回は、数年前に発見されて大ニュースになり、あっという間に普通のレパートリーに定着しつつある《葬送の歌》から、いかにも没後50年にやりそうな《レクイエム・カンティクルス》やらを聴かせつつ軽く概論をやってくれてます。でも、やっぱり最後はハルサイなんだわなぁ

他にもいろいろな記念のクリップなどがあるでしょうけど、まずはこの辺りから、ということでご紹介。やくぺん先生の当面の日程表の中に、残念ながらストラヴィンスキーは皆無。うううううううむ…

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rx1206

いつも情報などありがとうございます。既知情報かと推察しますが、生誕日近辺ではありませんが、10月に東京シティフィルが高関の指揮で結構攻めたストラヴィンスキープログラムが予定されています。好調のシティフィルの演奏で楽しみにしています。ご参考まで。

10月14日
小管弦楽のための組曲第2番
ミューズを率いるアポロ
カルタ遊び
3楽章の交響曲
by rx1206 (2021-02-01 09:15) 

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