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高関健ベートーヴェン作品127を振る! [弦楽四重奏]

敢えて断固として「弦楽四重奏」カテゴリーなのじゃ。

来る日曜日、隣には今やっと話題の東京オリパラ選手村跡地(?)を臨む晴海は第一生命ホールで、こんな演奏会が開催されます。
https://ensemblefranc.jp/

いつもこの会場で演奏会をなさってる、ジュネス卒業生のエリートアマチュア合奏団さんの定期演奏会、コロナで昨年の初夏の演奏会はやれなかったらしいが、この冬はなんとかなさるようです。

この団体、さりげなくなかなか凄い指揮者さんが、普通のオケの定期ではなかなかやれないし、なぜかモダン系をやってくれる常設のプロ小規模弦楽合奏団が存在しないトーキョーとしては貴重な、しっかり骨のある演目をガッツリ聴かせてくれてる。で、今回は、恐らくは生誕250年記念だったのでしょうねぇ、なんとなんと、あの現代日本を代表する最高峰のオタク系指揮者(褒めてます!)高関健指揮で、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲!それも、選りに選って作品127を披露してくれるというではないのよ、皆の衆!

ベートーヴェンの弦楽四重奏を弦楽合奏でやるという試みは、指揮者さんがすげぇやりたくて楽譜を自分で作っちゃうというマーラーやバーンスタインみたいな例から、隠居した元名弦楽四重奏奏者が指揮者になって自らの芸を若者やオケに伝授するというアレクサンダー・シュナイダーやらシャンドル・ヴェーグみたいな例まで、いろいろあります。録音も、前者の名指揮者の事例を中心にそれなりに積み上がっておりますし、NYPのデジタルライブラリーに行けば、ミトロプーロスが作った巨大弦楽合奏用の譜面が観られる筈。バーンスタインのヴィーンフィルでの録音なども、その楽譜を使ってたという話ですな。

まあ、ともかく曲が強いからどんな演奏でも感動的に聴こえる作品132や、弦楽合奏で指揮者がいる方が整理されて見通しが良くなく傾向にある《大フーガ》なんぞはともかく、やっぱり鬼門は作品127でありまする。実際、所謂著名指揮者で作品127の大オーケストラ版を録音している例って、ないんじゃないかしら。弦楽四重奏奏者あがりではない例としては、たしか、何故かペライアが指揮してるディスクがどっかに会った筈なんだが。

実演でも、10年くらい前かなぁ、寺岡さんが大阪響を振ってこの曲をやったことがあり、わざわざ遙々聴きに行ったことがあったっけ。
http://sym.jp/publics/index/216/
ああ、大震災の直前かぁ。ぶっちゃけ、楽屋で「なかなか大変ですよね、この曲は」という話をした記憶が。

ともかく、弦楽合奏だと下の響きがないフワフワ感がやたらと目立ってしまうこの作品、そんな難しさは百も承知で知性派高関けんちゃんが挑むわけですから、勝算が無いはずがない。この冬のトーキョーで、いちばん面白い演奏会のひとつとなるであろうことは確実じゃ!

なお、コロナ対応で当日券は出ないそうなんで、さあ、チケットぴあに急げ!

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