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空調音 [音楽業界]

もしかしたら「パンデミックな日々」カテゴリーなのかもしれないんだけどね。

あたしら都民みんなが選んだ(あたしゃ、この人には入れてないけど)我らが緑の都知事さんが「皆さん東京に来ないで下さい」という後にこのパンデミック史が書かれるときに確実にヘッドラインとされるネタ発言をやらかした翌日、大川と六郷川と、はたまた鶴見川まで跨いで、神奈川県民ホールに参上した不届きな都民なのであーる。
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神奈川県はほぼ緊急事態宣言みたいな奴が出されているのかよー知らぬが、ワクチン接種も進んでいるのかニッポンより遙かに状況が落ち着いている占領軍さんのピアは静かなもので、大桟橋の北では我らがコストガードが盛んに訓練中。芝生に入ってはいけません、という大桟橋もなにやらアヤシげな雲行きなれど春の午後をノンビリ楽しむカップルやら、港ヨコハマを楽しむ観光客の皆さんがそれなりに出ている夕方なのであーる。

さても、ここまでやってきた理由は、ものすごく久しぶりに大桟橋向こうの神奈川県民ホールの大ホールで、プロのフルオーケストラを鑑賞するため。ま、ホントの理由は、来週やはり神奈川某所でショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第1から3番の演奏会のプレトーク司会をせねばならず、そんなタイミングでショスタコーヴィチの第5交響曲を鳴らしてくれるというのだから、これはやっぱり聴いておかないとねぇ、ってことでありまする。ちなみに明日は、溜池で第10番。ま、この辺りはまだ先だけど。要は、「第5交響曲の後に、鬱憤晴らしのように初めての弦楽四重奏に着手する」って話の相づちを打つため、気分を盛り上げときましょ、って。

そんなわけで、ホントに久しぶりに座った県民ホールの平土間。
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こういう、二昔前の「地方都市の巨大な公民館総合ホール」みたいな造りの舞台にしっかりと反響板を後ろに立てて巨大なシンフォニーオーケストラを鳴らす、って姿、うううむ、コロナ騒動が始まる直前に日本フィルさんに付き合った唐津のホールを想い出させるぞ。あのホール、ついこの前、取り壊しになったんだわなぁ。
https://www.fnn.jp/articles/-/162643

今や歴史的に貴重な構造の建築物となりつつある…かどうかは知らんけど、ともかく懐かしい「デカい市民会館大ホール」型の神奈川県民ホールで、我らが三鷹と大津のスター沼尻マエストロが、日本フィルを指揮なさりまする。その前には、このためにドイツから2週間の隔離を経てお帰りになった人気の若手ピアニストさんがシューマンを弾いてくれるし、なんと素敵な週末の晩。

ってわけで、この団体のヨコハマ定期らしい頭の白い熟年聴衆で埋まる会場に、妙なる音楽が鳴り始めるわけであります。いかにもロマン派なつくりの繊細な音楽が流れ、2楽章は猛烈な弱音で繊細な感情を語る…のだがぁ、なんだか騒々しいぞ。

弱音が極まってくればくるほど、頭の上からガーガー鳴っている空調音がドンドンクレシェンドしてくるんでありますわ。

一度気になると猛烈に気になる。あれぇ、この会場って、こんなに凄い空調音がしたっけ?それとも、コロナの換気のために、いつも以上にガンガンに空調マシンを稼働させてるのかしら。

終演後、だだだだぁ、っと吹っ飛んでいって、日本フィルのスタッフさんに「今日は空調を思いっきりまわしてるんですか?」と尋ねると、ああそうかな、とのこと。もうひとり、かつては名物ヴィオラ奏者で今は事務局を切り盛りしている某氏に同じ事を尋ねたら、「あ、やっぱりそう感じましたか。僕の耳がおかしくなったのかと思った」とのことでありまする。

いずれにせよ、この空調音は主催者の日本フィルさんがコントロールするものではなく、ホール側の責任事項だったようであります。ハードウェア側が県の意向を受け特別なことをしているのか、これは関係者に尋ねてみないとなぁ、と思いつつ、六郷川越えて東京湾岸に戻ってきたのでありましたとさ。

このネタをFacebookで挙げたら、いろんな意見があがってきました。みなとみらいホールが使用できない期間、既にこの会場でのオーケストラ演奏会はそれなりに行われているらしく、「確かに煩かった」とか、「昔からあんなもんだった」とか、意見はいろいろ。某評論家氏に拠れば、ここでフルオーケストラで演奏された《4分33秒》はたいそうな聞き物だったとか。ま、確かに、あれなら空調マシン独奏会になるだろーなぁ。

そんなこんな、神奈川県民ホールで弱音を聴くときは、心を広ぉくもちましょう。

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