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もの凄く判りやすい弦楽四重奏編曲 [弦楽四重奏]

もの凄く暇なご隠居状態の昨今、ちょっとしたこちらのミスで昨日今日に予定していたクラリネットとピアノの些か特殊な演奏会に行けなくなってしまい、仕方なくというわけではないのだが、手元にあるホントに数少ない商売仕事をやってる湿っぽい日曜日の昼、皆様におきましてはいかがお過ごしでありましょうか。見下ろす大川の向こう、人形町の区民会館ではメサジュの《お菊さん》なんてもんをやってるそうだが、どうもそういう超珍品を喰らいに行くだけの精神のパワーもなく…

てなわけで、CDもオーディオもアクセス出来ないところに持ってきてコロナで公共音楽図書館が閉まっているこの瞬間、オフィス無し環境の唯一にして最大の味方たるNMLに数日ぶりにアクセスし、必要な音源を探そうとしたら、今月の新譜コーナーに引っかかってしまったぞ。へえ、オーマンディ指揮フィラ管の《運命》とか、凄いもんが入ってきてるなぁ、ああ天下のドイツグラモフォンの黄色いジャケットでロン・ユー御大指揮上海響の《カルミナ・ブラーナ》って相変わらずDG中国市場突っ込みは凄いもんじゃわい、バツェヴィチのポーランド語のオペラ全曲なんてどんだけ需要があるんだろーか…なーんて他人事みたいに眺めていく中で、ひとつの新譜に目が留まってしまったぞ。NMLはここでURLを貼り付けてもどーしよーもないので、Chandosrレーベルのオフィシャルページを貼り付けます。5月28日にリリースされたばかりで、もうNMLでは聴けますし、ダウンロードでの購入は出来ます。お皿が日本やら東京の輸入レコード屋さん店舗にまで届いているかは、ゴメン、知りません。
https://www.chandos.net/products/catalogue/CHAN%2020162
なんとなんと、解説のブックレットは無料でPDFがダウンロード出来るという太っ腹ぶり。ほれ。
https://www.chandos.net/chanimages/Booklets/CH20162.pdf

もうこれを読んでいただければオシマイなんだけど、一応、最低限のことだけを記しておけば、「皆様お馴染みのブロドスキーQ、ヴィオラ奏者さんはいろんな作品の弦楽四重奏編曲者としても知られている方でありますが、彼がバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全3曲を弦楽四重奏に編曲、ブロドフスキーQが演奏しました」というものでありまする。

思えば、バッハの作品って案外と弦楽四重奏への編曲がされていて、《フーガの技法》は20世紀半ば頃からの定番で、ヴィオラどうするんねん、っての含め、いろんな楽譜や録音が山のように出ていますな。ボロメーオQのニックが《平均律》全曲やら《ゴールドベルク変奏曲》を編曲して自分のとこでやったり、日本でも松原かっちゃんが五重奏に編曲したり、あれやこれやある。無伴奏弦楽器作品でも、《シャコンヌ》はいくつかの編曲があり、やくぺん先生も実際の舞台で耳にしたこともあります。わざわざ録音で聴く気はあまりしないけど、どういう編曲でやってもそれなりに格好は付くなぁ、と思わされる。あ、セント・ペテルスブルクQがヘンシェルQの音楽祭にゲストで呼ばれ、《シャコンヌ》弾いたっけ。その頃の演奏がYouTubeに上がってますな。
https://youtu.be/BJ3I39dptgo

そんないろんな編曲ものの中にあって、このブロドスキーのヴィオラ御大の編曲は、なかなか良く出来てます。ってか、全く違和感ありません。実際に楽譜も眺めずにチョロっと音だけをヘッドフォンで聴いてみるに、違和感は1ミリもなし。こういう弦楽合奏曲なんですよ、と言われれば、ああそうなんですか、としか思えぬもんになってます。特に、各曲の2楽章に置かれるフーガ楽章なんかは、もの凄く判りやすくなっていて、正直、判りやす過ぎないか、って感じちゃうほど。どうやらYouTubeにアップされてるみたいなんで、ご視聴あれ。これは公式な広報用としてのアップなのかしら?
https://www.youtube.com/watch?v=m-js_u3r8L4
まずこれを聴き、どういう曲か勉強し理解してからオリジナル楽譜をやってみましょうね、ってガイドブックみたいな音楽になってます。お仕事のながら視聴にはちょっと勿体ないちゃんとしたもんですわ。

弦楽四重奏のレパートリー拡大も、古楽奏法(HIP、というのが今風なのかな)が若い世代に常識になった今や、バッハより向こうに向けての発掘がドンドン進み、多声音楽であればなんでもあり状態になりつつある。そんな中で、今や重鎮クラスの団体がこういうもんをちゃんとレパートリーにし、コンサートでも弾いてくれるのは、有り難いことでありますな。

それにしても、ブロドスキーはハレーと、ペテルスブルクはイグレッグと、最後から3つ前と2つ前の民音室内楽コンクールで争って共に2位だった団体、ってのはなんの因縁なんだろーなぁ。

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