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「18人のプレアデス」本番迫る [現代音楽]

足かけ5年の大企画となってしまった打楽器奏者加藤訓子プロデュース、というか、芸術監督、というか、学長さん、というか、「18人のプレアデス」が、この週末土曜日にいよいよ1年遅れの本番を迎えます。
https://npo-artsworks.org/ja/inc

一昨日の6月1日から、このプロジェクトを支えてきたくにたち市民藝術小ホールで最後の準備セッションが公開で行わました。これが昨年夏のセッションの様子。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-08-17
本日も客席に少数の関係者を迎え、全曲がプレビュー披露されました。

上のURLでお判りのように、土曜日の本番までもう目の前ですので、細かいことは言わず、土曜日の演奏について、現時点で判っていることを記しておきます。

クセナキスの6人の打楽器奏者のための《プレアデス》を18人の若手打楽器奏者で演奏する本番は、「クセナキスと日本」という午後まるまる開催されるミニフェスティバルのメインイベントとして、2度演奏されます。時間は、午後4時と午後7時。

◆16:00 大ホール1回目 開演
「ルボンと舞」(Rebons a.b.) :加藤訓子(打楽器)+中所宜夫(能楽師・観世流シテ方/能舞)
「18人のプレイアデス」 :inc. percussionists

◆19:00 大ホール2回目 開演
「ルボンと舞」(Rebons a.b.) :加藤訓子(打楽器)+中所宜夫(能楽師・観世流シテ方/能舞)
「18人のプレイアデス」 :inc. percussionists

この作品をご存じの方は、どうやってスコアで6人のために書かれた作品を18人でやるのか、そしてなによりも楽章配列はどうなるのか、等々、知りたいことがたくさんあるでしょう。最低限の、明かしてもいいであろうことだけを明かしますと…

※楽章の並べ方は、本日国立で演奏されたチームの演奏順は「ごちゃごちゃ」「金属」「鍵盤」「皮」の順番でありました。土曜日の2度の演奏で同じ順番で演奏するかどうかは判らない、とのこと。つまり、2回聴いても良いんですよ、ってことです。

※話が前後しますけど、プロジェクトに参加した若手打楽器奏者は、18人×2+α。最終的に土曜日の目黒パーシモン大ホールに登場するのは、2チーム36人です。「金属」「鍵盤」「皮」各楽章はスコア通りにそれぞれ6人の奏者で演奏。ひとり楽章ひとつで、ひとつの楽器に張り付いて持ち替えはなし。結果として、総計18名となります。すべての楽器が導入される「ごちゃごちゃ」は、この全員が参加します。

※「ごちゃごちゃ」楽章は、加藤さん曰く「そもそも6人で指定通りに演奏するのは無理なんです」とのこと。ぶっちゃけ、ジクセンからシロフォンからの持ち替え、なんて無茶な指定があちこちにあり、瞬時の超短距離ワープをし、更に時間の巻き戻しをしない限り、絶対に不可能。今回は、恐らくは史上初の試みとして、それぞれの楽器を奏者が固定し、6パートを分割して無理なくアンサンブルとして再現出来るようにしています。ほれ。
DSCN6715.jpg
このような試みは、「多重録音で6パートを全部ひとりで演奏する」という無茶なプロジェクトを経験し、総譜の無茶さを知り抜いた加藤さんでなければ不可能な決断だったでしょう。要は、「ごちゃごちゃ」に限れば、ストラスブール・パーカッション・グループなど伝説の団体がライヴ演奏の際にせねばならなかった妥協を一切排した、ライヴで聴ける最もクセナキスの楽譜の意図に近い再現ということ。

この機会を逃すと、クセナキスの実質再現不可能な《プレアデス》という史上最大の打楽器シンフォニーのライヴでの聴取は、ほぼあり得ないでありましょうぞ。

絶対、来ないとダメでしょ。

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