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18ヶ月ぶりの… [売文稼業]

新帝都の狂気のパンデミック&炎天下世界運動会騒動を離れ、遙々南は薩摩の国、霧島高原の民宿畳四畳半に布団敷いて座ってます。隠してもしょーがないのでハッキリ書いちゃえば、この演奏会の下準備取材のため。ぴあさんのサイトをアップしているのはタイアップでもなんでもなく、単にチラシが簡単に出てきたからです。
https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_1_848fc56c-498b-47ff-aa72-b606cdc87660.html

松原編曲版弦楽五重奏の為の《ゴルドベルク変奏曲》、9月23日に浜離宮で演奏の前に松原先生とプレトークをせねばならず、そのネタ取りというか、打ち合わせというか、まあ、そういうもの。どんなもんか、楽譜や音はあっても、実際に聴いてみないと判らん、ってこと。演奏メンバーはコントラバスのしゅーさん以外はまるで別の長老ではありますが(チェロが病気で交代になってますけど、パンデミックの病気ではないそうな)、練習を眺めさせていだだくことが出来、とても勉強になりました。正直、練習を聴けて、先程、宿舎ロビーで松原氏と話をさせていただき、これで明日の本番を聴けば、ネタは充分。

とはいうものの、なんせ新型コロナの常事態下でありまする。そもそもこの取材、取材として成り立つかも数日前まで判らず、ともかく9月の浜離宮本番前にこの楽譜が音になるのはここ明日の霧島だけなので、最悪聴くだけでも聴けるだろうから…という状況だった。なにしろ数日前に札幌PMFで裏方にコロナ感染者が出て、今週末の野外演奏会を含め残りのプログラムが全てキャンセルになった、というとてつもない事件が起きているわけでして、霧島の裏方を支える財団のスタッフさんたちも、ピリピリしているという感じではないものの、もの凄く慎重に事態を進めていらっしゃいます。普通の意味での取材も、地元のローカル紙を除けば実質上は誰もやってないようですし。

関係者の皆様のご協力により、無事にこんなものをいただき
IMG_3588.jpg
おお、こういうもんを手にするなど、いつ以来のことか?思えば2019年暮れのアムステルダム、ヴァインベルク記念年取材以来のことではあるまいか。

コロナ禍でやくぺん先生の狭い業界もはっきりと世代間格差が広がり、SNSやネットワークでの取材に抵抗がない40代以下の書き手さんたちがどんどん表に出てきてます。正直、やくぺん先生ら旧世代は、ネットワークでの取材には「射角が限られてしまう」感覚がつきまとい、どうしても違和感というか、見えるべきものが全部は見えていない感がしてたまらないのでありますわ。「見せたいものをいただく中から、こっちの必要なものを拾う」という取材のあり方が存在するのは百も承知ながら、どーにもそれじゃ気持ち悪い。

とりわけ、この松原版《ゴルドベルク変奏曲》は、鍵盤楽器なら最後に向けて超絶技巧大盛り上がりになる25変奏から先辺りは、松原かっちゃん先生が意図的に「普通の意味での上手なアンサンブルは不可能」な楽譜を作っている。それを、海千山千の藤原はまお先生やら巨匠たなむらさんらがなんとか組み伏せようとする悪戦苦闘ぶり、果たして明日はつるっと綺麗に纏まってしまうなんてあり得るのか。そんな風に思えるのは、画面で練習風景を眺めていても恐らくはないことだったでしょう。やっぱり現場の空気は、直接に触れないと判らぬもんじゃわい。

一方で、9月お彼岸の浜離宮での本番では、かつて葛飾巨大柿の木の下で弦楽四重奏を合わせてた某チェロ女史を含むアンサンブル巧者の若手中低声陣がこの楽譜をどうするのかが興味の中心。まるで違う音楽が、大いに楽しみでありまする。

久しぶりの現場での緊張と疲労を温泉で休め、明日に期待する霧島の宿。これがあたしの、いつもの売文家業たびの空。

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