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壊滅だったりギュウ詰めだったり [弦楽四重奏]

石武オフィス最初の仮滞在から戻り、未だ温泉県側ではネット環境が整わず、結果として実質1日締め切りひとつという四十代から五十代のパワー最盛期のような前頭葉の肉体労働を佃仮オフィスに持ち込むことになり、そこに急な飛び込みのそこそこデカい作業が入り、ぶっ倒れそうな大川端での日々を過ごしておりました。やっと昨日から一段落、大川端旭倉庫仮オフィスの撤収がこの金曜日午前中に迫り、今度は引っ越しバタバタ状態となる。週末からまた温泉県で、いよいよここ旭倉庫オフィスと豊洲倉庫からの家財搬入なのだけど、なんとなんとご町内の長老にインタビュー、原稿締め切り超速でお願い、という無茶ぶりが飛び込み…

ま、そんなやくぺん先生のどーでも良い日々はともかく、コロナの日常は中途半端なままにダラダラと続き、秋のシーズンになった。で、日程表を開いていると、うううむ、と腕を組んで天を仰ぐしかないような気分となってくる。

だってねぇ、この秋のシーズン、共闘の列島を訪れると予定されていた外来の弦楽四重奏団、全ての来日が中止となってしまったのでありまするよ。

夏の終わりには、昨年のベートーヴェン記念年での後期作品集中演奏が予定されていたミロQの来日中止が発表になる。続いて、トッパンさんやらいずみホールさんやらというメイジャーどころでメイジャー好きなお客さんを集める秋の目玉だったハーゲンQ(うううむ、外国ツアーはやるんだなぁ)が中止。中堅大御所ばかりか、若手も若手、すったもんだの挙げ句に(ホントにすったもんだをしてくれたならまだしも…)日本財団さんからパガニーニ・セットを借りることになった遙かな昔に感じるこの前のメルボルン優勝のゴルドムントQも、来日叶わずという告知が。

招聘元の音楽事務所さんが頑張る方なので、なんとかなるんではないかと淡い期待を寄せていたドビュッシーQも中止。そして、現在の日本列島で最もパワフルなマネージャーさんがやってるプラジャークQ、これまた昨年来延期となっているカニュカ氏が最後にメンバーとして加わるベートーヴェン、鶴見での全曲、大阪などでの抜萃というこの秋の弦楽四重奏業界での最大のプロジェクトも、来日後2週間の隔離を受け入れて敢行との話が流れていたのだが、諸事情で中止と発表になりました。

ううううむ、こうなると、この延期公演がヨーロッパのこのシーズン終わりに派投げ込まれることになり、現在発表されている来年の春の終わりから初夏にかけてが、もう体がいくつあっても足りないギュウ詰めになりつつある。なんせ、2022年6月には、溜池で2年引っ張ったアトリウムQのベートーヴェン全曲が終わるや、直後から鶴見でプラジャークQのチクルスが始まる。その間にも複数の海外団体が予定されているんだから…どーするんねん。

かくてこの秋は、いろいろな興味深い動きが出ている日本国内拠点の団体を一生懸命聴くことになるわけですけど、そちらも一部では盛り上がる広島のマイハートQの国内ツアーが中止になったり、相変わらずやるんだかやらないんだか、って状態が続いている。

そんなスッカラカンな秋が続くと思ってたら、なんとなんと、ホトホト困った特異日が出現してしまいました。来る10月12日、これらの演奏会が開催されます。

★タレイアQ ハクジュホール
https://www.thaleiaquartet.com/post/%E3%80%90%E5%91%8A%E7%9F%A5%E3%80%912021%E5%B9%B410%E6%9C%8812%E6%97%A5-%E7%81%AB-19%EF%BC%9A00%E9%96%8B%E6%BC%94-%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AB-hakuju-hall

★ウェールズQ サントリー・ブルーローズ
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20211012_S_3.html

★The Four Players Tokyo 杉並公会堂
https://www.suginamikoukaidou.com/concert/2728/

長老率いる話題の集団、今や中堅のキャラがはっきりした連中、そして若手注目団体のひとつ、それぞれキャラクターは違うものの、それなりの形で現在の日本での現実的な「常設団体」を目指す団体が、それぞれなりに興味深い演奏会を、東京首都圏同じ日同じ時間に開催なさるのでありまする。

タレイアは、なんといってもヒンデミットの最後の弦楽四重奏を弾いてくれるのが有り難い(生誕100年でショットさんが番号を整理したとはいえ、混乱が収まったとは思えないのは困りもの)。ウェールズは、いつのまにやらすっかり大人になってしまった矢部息子殿が加わるクィンテットが聴きもの。なんといっても4人のアンサンブルに異質な要素が加わるとすっかり別物になる団体ですので、どうなるか想像がつきませぬ。そして、人気指揮者のプロデュース、というある意味で弦楽四重奏にとって永遠の禁断のやり方を敢えて敢行しているエンカナQ(などと言ったら叱られるんだろうなぁ…)は、何故か殆ど弾かれない林光作品をちゃんと全曲やる。なんせ、世間に流布するアルディティQの録音は1楽章しかない、というこれまた困りものの作品ですから、貴重な機会でありまする。

さあ、どーする。マジ、やくぺん先生ったら、この日は温泉県に逃げてしまいパス、ってことにするしかないかとすら思う中秋の名月雲間に輝く秋の夜長なのであったとさ。いやはや…

[追記]

この演奏会はまだキャンセルが出てない、との情報がありました。うううむ、どうなっちょるんじゃろね。鶴見はなくなった、という話だったんだけど。
https://www.kyotoconcerthall.org/calendar/?y=2021&m=11#key21339


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