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お彼岸の佃堀 [新佃嶋界隈]

「暑さ寒さも彼岸まで」という諺(というのか、こういうの?)が、今世紀に入った頃からは「暑さ暑さだ彼岸まで」と変更になった帝都、今年ったら中秋の名月も過ぎ、お彼岸の中日を過ぎてもまるっきり夏みたいな気の触れた湿気と熱気が漂い、東京オリンピックは大丈夫か…って、いつの間にか地域住民が気付かぬうちにとっくに終わっているんだっけか。

とはいえ、日に日に夕暮れは早くなっており、5時を過ぎれば夕方の空気が漂い出す大川端。釣り船の五輪警戒船アルバイトも終わったか、もうコロナ禍なんてどーにでもなれの都民を乗せて朝晩出て行く佃堀は佃小橋辺りは、なんだか知らんがこのところ、やたらとハゼ釣りの老若男女で溢れかえっておりまする。いつも、こんなだっけね。

なんせ、本日までの半年とすこし、葛飾オフィスを失い、縦長屋のシン・ゴジラ視線勉強部屋は緊急事態宣言発令で使用禁止が続き、文字通り「居場所がない」やくぺん先生ったら、仕方なく仮オフィスとしていた佃大橋南東詰めの旭倉庫にてこてこ通う道すがら、佃堀を眺める日々だったのであります。

んで、石武新オフィスも本格化し、いよいよ旭倉庫仮オフィスの撤収が始まったのが数日前。あれやこれやと小間物を段ボールにぶち込み
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南の温泉県とはいえ高度450メートルの盆地、冬はガッツリ氷点下で雪も降る。新帝都の半端な冬には不要なミネアポリスやらボストンの冬用の着るものを縦長屋から仮オフィスに運び込み
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あとは搬出を待つばかり、ってことになってきた。

昨日の昼前、もう仮オフィスとすら言えなくなってる倉庫に向け、夏のような水蒸気の中を歩いて行くと、ドバドバたちが壮大に植わってる藪の向こうから、甲高いジジジジという聞き慣れぬ声が響いてくるぞ。おおおお、目の前を、翡翠色の飛翔体が水門の方にすっ飛んで行き、水辺に着陸するではないかぁ!
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お判り…にはならんじゃろね、なんせふるういiPhoneの解像力じゃから。

あああ、とアホ顔晒して眺めてると、佃堀のことならなんでも知ってる元佃のご隠居が、でっかい長球ぶら下げたカメラマンさんと一緒にやってくる。曰く、「先週くらいからね、子どものカワセミが来てるのよ。この人、もう写真いっぱい撮って、インターネットにアップしているんだってさ…」。どうやら、佃小橋南側のハゼ釣りの人々とバーダー系カメラマンさんたちの間には微妙な空気があるようで、ご隠居もやれやて、って苦笑気味でありました。

かくて本日、10余年使わせていただいた旭倉庫から荷物を完全搬出、豊洲倉庫の家財と一緒に来週の石武オフィスへの搬入までしばしの別れとなる作業の立ち会いのため、朝もはよから佃堀脇を通勤していく。と、おおお、いらっしゃいました、佃小橋の下の、例大祭の幟が埋まっているのを示す杭の上に、ちょこんとお座りのちっちゃな水辺のスター。
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まだよくわからないけど、お嬢さんみたい。じっとご飯の動きを眺め、ぷっと壮大なうんちして、住吉さんの方に去って行きましたとさ。

ヘンっだ、あたしだって綺麗よ、と向こうでイソヒヨねーさんがキラキラと真っ黒い美肌を光らせてる。そー、貴方もホントにステキですよ、隠れた佃堀のべっぴんさんですからね。
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それにしてもここ佃堀、マジにハゼ釣り人の糸や針などが放置されていたら、カワセミお嬢さんには危険な場所だわなぁ。居着いても良い条件がそろっているのに、なぜかここにはカワセミが居着かないのは、それなりに訳があるのだろう。チョウゲンボウはいるけどツミはみたことないといえ、なんせドバと違わない大きさで静かにやってくるシティハンターだからなぁ。

おっと、いつまでも眺めていられない。倉庫で搬出の立ち会いをせねば。
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佃堀通勤路、綺麗なお嬢さん達に見送られる最後の朝でありました。

秋の朝 暑さ切り裂け ぶらっく・あん・ぶるー

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