SSブログ

巴里遙かなり… [たびの空]

いろいろと考え、ワクチン・パスポート(ってか、中央区発行の証明書でんな)も用意し、あれこれ方策を巡らせてみたものの、最終的には貧乏人には決定的な予算の壁に阻まれ、来月のパリ行きを断念しました。これで、2019年12月にブリュッセルから成田に戻って以来、2020年、21年とまるまる2年間以上、一度としてこの列島を出ないことが確定しました。うううむ、国際線の乗り方を忘れてしまいそうだわい…

後の笑い話として纏めておきましょうかい。そもそもの話の発端はこれ。
https://philharmoniedeparis.fr/en/activity/opera/22671-stockhausen-donnerstag-aus-licht
先頃、2021年東京のベストのひとつに挙げられること必至の《ルル》上演のために池袋に滞在していたパスカル氏とちょいと話す機会があり、《光》チクルスのコロナによるすったもんだ、で、ともかく今年はこういうことになった、と上のURLのイベントを教えて貰う。当然、来るんでしょ、という勢いで、こっちも売り言葉に買い言葉(なんか、正しい表現ではないような気がするけど、まーいいや)、おお行ってやろーじゃないかい、と応えてしまう。

とはいえ、後で冷静になれば、遙かシベリア越えて欧州は華の都に至る道程は、未だそんなに楽ではないのであーる。

ワクチン・パスポートとやらを用意し、それなりの手続きをすれば、ドゴール空港から先へと足を踏み入れるのはそれほど難しいことではないようだ。だけど、問題はニッポン国に戻ってから。10月上旬の時点では、ニッポン国は羽田やら成田やら関空やらに降りたあと、「10日間の隔離」が必要だという。

そもそもこの日数の数え方が良く判らないので、もう何度も欧州とニッポン列島を往来している方々などに教えを請うたところ、「到着した日は0日と換算されて、10日に交通機関を使わずにテストを受けその結果を保健機関に送り許可が降りてから。なので、動けるのは早くても11日目から」、「10日目に検査を受けて、その日中に検査結果を得るのはかなり難しいはずなのと、隔離明けの許可はどう出るのか未定なので、本当に11日目から動けるのかはよく分からない」、等々、いかにも我が業界らしい極めて具体的で他人事ではない貴重なアドヴァイスをいくつもいただきました。

うううむ、11月15日の晩にフィルハーモニー・ド・パリで《光の木曜日》2幕の「ミカエルの世界旅行」を堪能し深夜過ぎに宿に戻り、翌16日の朝っぱらにドゴールに向かい、フランクフルトで昼前便に乗り継いで翌17日朝っぱらに羽田に戻ってくる。さても、そこから帰国第0日が始まり、羽田から隔離パックに含まれたタクシーだかでどっかに送り届けられ、その晩から籠城生活。27日に御上のご命令による監禁が終わり、上手くいけば翌日から無罪放免となる…ってことらしい。

ああそうですか、なんだけど、ここに問題がありまする。11月27日土曜日午後、由布院町は新設なった公民館Lack Hall(誤植じゃありませんっ!)で、秋のゆふいん音楽祭「山崎とこさん&津田氏デュオ演奏会」が開催されるのでありまする。ううううむ、これに間に合うために、なんとかソウルや台北経由で福岡は板付空港に到着し、我らが糸島のスーパー庭師さんに頭下げて石武新オフィスまで運んで貰い、そこでオフィスの整理をしながら10日間の籠城生活を過ごし、晴れて堂々と新公民館に出かける、という計画も考えたのだけど…どうやっても1日足りない、ってか、拘束が長い、ってか。

そこにもってきて、石武新オフィスの水まわりリフォームが11月のいつまでかかるか、現時点では見えていない。

そんなこんなで、温泉県での隔離も現実的ではない、ってか、無理。

更に更に、巨大な壁として予算の問題が立ち塞がる。なんせこのような日程、ギリギリまで確定出来ないので、現時点で羽田パリ往復航空券を抑えたとしても、最安値で16万円くらい。安く行くためのUAEやら経由、板付に入るための仁川やら台北経由、なんて考え始めると時間がもっとかかる。しょうが無いから羽田と諦めても、今度はご家族が同居する新帝都は大川端縦長屋での隔離生活は実質上不可能。隔離パックを利用せざるを得ず、安くても8万円だかくらいはかかってしまう。更に、まさかパスカルくんちとかフィルハーモニー・ド・パリのディレクターさんちとかに転がり込ませろというわけにも行かず、パリのいつもの宿に数日逗留すれば、それもそれでお金がかかり…なんのかんの、最低でも30万円台の超豪華ツアーになってしまわざるを得ない。

パリで披露してくれるのが、昨年やれなかった《月曜日》とか、来年以降に予定されているという《金曜日》だというのならば、老い先短い命、これは払うだけの価値はあるだろうと考えることも出来るがぁ、うううむ、お馴染みの《木曜日》、それも音楽的にはいちばん難しい第3幕がないとなるとなぁ…

かくて、これはこういう巡り合わせだっのだ、と11月のパリ訪問は断念することにした、というわけでありまする。ふううう…

今のやくぺん先生、冷静に考えれば葛飾オフィス退去時にドサクサ紛れに破棄してしまった洗濯機とか、葛飾から持ってくることは断念した自転車とか、リフォームが終わった温泉県の新オフィスで用意せねばならぬものはいろいろある。シベリア越える金があるならそっちに使いなさい、と守護天使様が仰ってるのであろーと考えましょうぞ。

巴里、遙かなり。沈み往く太陽を追いかけシベリアを越える日が、ホントにまたやってくるのであろーかっ?

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。