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ともかく巴里行き準備 [売文稼業]

先週、温泉県にちょっとだけ居た頃には「年が明ければ帰国後隔離も3日くらいになってるんじゃね」ってコロナ終わった終わった感が漂ってたのから一転、昨日来のキシダそーりニッポン鎖国宣言(除く治外法権の占領軍関係者及び家族)のお陰で、我が業界は上を下への大混乱。先程も縦長屋シン・ゴジラ視点の勉強部屋で、某大手音楽事務所元幹部ご隠居さんと深刻なヒソヒソ話しをしてしまいましたわ。来週から公演予定されていたフォーレQはダメだし(後述:来日しており、公演はあるそうです。こちら参照https://www.philiahall.com/html/series/201003.html)、年末第九に来る予定のルイージやらシモーネおばさまやら、どうなることやら。練習期間を考えればノット様は列島に既に入っているんだろうし、以前から滞在期間がやたらと長いツィメルマンは問題ないものの、いろいろと影響があるだろうなぁ。新年おめでとーのヴィーン・フォルクスオパーだって、そーりが大見得切っちゃった手前、いくらS社さんでも無理筋を通せないだろーし…

世間では大絶賛らしいそーりの鎖国宣言、やくぺん先生のお宅では大騒動であります。なんせ、2022年1月12日から23日まで、遙かシベリアの向こう華の都ぱりぃで開催されるクァルテット・ビエンナーレに顔を出す予定で準備が進んでおったのでありまする。これ。
https://philharmoniedeparis.fr/en/calendar?weekend_i=784&startDate=2022-01-12T00%3A00%3A00%2B01%3A00

今を去ることもうまる2年も前の12月、アムステルダムで開催されたヴァインベルク生誕100年記念ダネルQ弦楽四重奏全曲演奏会からブリュッセル経由で戻って以降、その直後の前回のパリのビエンナーレは諸事情で(ってか、引退表明をした手前、己に向けた決意という意味もあって)参加をパスしたため、やくぺん先生のパスポートったら、それから延々23ヶ月の間、全く本来の目的で使われていない。使ったのは、葛飾から温泉県へのオフィス移転で必要となった「写真付き身分証明」としてくらいじゃないかしら。

その間の世界の変化ったら、まるでやくぺん先生の「世界のメイジャー室内楽コンクールは基本的に全て眺めて歩く」生活からの引退宣言を、天の神様だか守護天使様だかがお耳に入れて下さったかのようなタイミング。とはいえ、人生最期のステージを細々と生きていくために必要最低限の稼ぎは確保せねばならず、そのためにも必要最低限の商売上の仕込みはしなけりゃならぬ。

となれば、2週間弱の間にプロ団体14、それにこのイベントの最大の売りたる、朝から晩まで30分くらいづつ次々とコンクールファイナリスト級の連中が登場する一種の国際オーディションたるショーケースで20団体ほど
https://philharmoniedeparis.fr/en/activity/musique-de-chambre/23042-audition-internationale-de-quatuors-cordes?itemId=116789
欧州フランス系のメイジャー団体とヨーロッパのマーケットに最初に出てくるクラスの若手が一気にこれだけ聴けるのだから、まあ、隠居はしたといえ状況はある程度は押さえてますよ、と世間様に言えるくらいのことにはなる。これまでならば、この直後にハイデルベルクに移動して「ハイデルベルクの春音楽祭弦楽四重奏シリーズ」でマダム弦楽四重奏のオーディション(前回のロンドンで勝ったエスメが最初に出てきたのがここ)、そのままDBからオランダ国鉄に乗り継いでアムステルダムに向かい、2010年代にムジークヘボウで始まったアムステルダム弦楽四重奏ビエンナーレへと雪崩れ込み
https://sqba.nl/
来年だったら1月11日から2月5日まで3週間ちょいの欧州滞在で、若手から長老までなんのかんの50団体以上が聴ける、って2年に一度の大仕込み市みたいな期間だったわけでありまする。あとは、年に2、3回くらい世界のあちこちで開催されるメイジャー&準メイジャー級の国際コンクールを眺めておけば、ほぼ世界の弦楽四重奏業界の流れは俯瞰出来、商売としてこのジャンルの現役を保てたのでありました。

パリ→ハイデルベルク→アムステルダムと移動し、その間に出くわす副専攻(としか言い様がない)の「戦後のオペラ」を拾って歩けば、連日のコンサート・ヴェニュ通いで頭はパンパン、もー聴きたくない、なんて状態になる。いやいや、流石に体力的にも精神力的にもそりゃ無理。お嫁ちゃまがショーケースの審査員に名前が出ちゃってることもあり、それなら巴里だけはくっついていって、「おおインテグラくん、巴里はいかがじゃね、シンプリーくんたちもすっかり上海Q後続路線じゃのぉ、ぐぁんばりたまぇ」なんて隠居顔してノンビリ気分でえらそーにふんぞり返っててやろーじゃないかい。ま、引退オヤジなりの、ギリギリ最低限のネタ仕込みですな。

まかり間違って2週間の隔離が続いていれば、既に変更不可能なLCC激安チケットを取ってある成田温泉県往復と温泉県からの片道との総計3フライト約100USドル弱をドブに捨てることになってしまうが、隠居とはいえ商売の仕込みのためなら諦めるしかない、と腹を据えていたところに、昨日来の国境封鎖騒動が勃発。またまたわけがわからぬ状況に戻ってしまった。

現時点でパリ側の動きは全く読みようがない(無論、フィルハーモニー・ド・パリからはなんも言って来ません、「なんくるないさ」さもなきゃ「革命だぁ」のラテン系のお国でありますから)。とはいえ、ニッポン政府の今の動きを眺めていると、国を出られて仏蘭西国が受け入れてくれても、ヘタすりゃ帰国時の入国人数制限が厳しくなっていて予定日に戻れない可能性も考えねばならぬ。ここまで来たらもうギャンブル。あれやこれやの条件を考えると、さっさと東京パリ往復直行便、それもニッポン国大使館などに連絡が付きやすい日系キャリア、貧乏人のやくぺん先生が電動自転車を諦めれば買える最安値のキャンセル可能チケットを取ってしまうべきであろー。

かくて、先程、JALの羽田発巴里往復を押さえた次第でありまする。

自民党航空部局と呼ばれ今や日本国際線のトップレーベルたるいつものスタアラANAではなく、かつてのニッポンのフラッグキャリア、空飛ぶ運輸省航空事業部、親方鶴丸での渡欧って、我が人生でこれで3度目…かな。

最初は90年代初め、ベルリン統一直後にJALがなにを血迷ったかフランクフルト経由でベルリン・シェーネフェルトにジャンボを突っ込んだときに取材タイアップでいただいた、人生初のビジネス・クラス空の旅。その後はずっとノースウェストKLMの縛りがあり、青いジャンボで渡欧の入口はスキポールばかり。KLMがミネソタのヤンキーと離婚し仏蘭西のオシャレな奴と政略結婚、その混乱で何故かKLMで買った便がエールフランスと提携していたJALにされてしまい、マイルが付かずに怒りまくった、ってことがあったくらい。お嫁ちゃまに至っては、チューリッヒからアムステルダム経由で戻る筈が飛行機が離陸直後に機材故障で引き返し、一緒に乗っていたハンドボール日本ナショナルチーム一行のマネージャーと一緒になってクローテン空港でわいのわいの談判し振り替えのチケットを出させたら何故かJALだった、という騒動のときしか鶴丸さんには乗ったことないそうな。

さても、やくぺん先生2年と1ヶ月ぶりのシベリア越え渡航、果たしてホントに実現するや。続きは、多分、数週間後。

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とおりすがり

壁新聞,おもしろいのでたまにはフィードバックを
フォーレQ入国済みです
フィリアホールWEBに記載が.
by とおりすがり (2021-11-30 17:43) 

Yakupen

おおおお、昨日、トッパンの広報部長さんにお遇いしたのだが、痛々しくて話題に出来ませんでした(笑)。よかったよかった、なのかな。情報、ありがとうございます。
by Yakupen (2021-11-30 17:51) 

Yakupen

12月7日現在、まだ巴里側からとりたてて中止の連絡もありませんが、諸事情で最終日のベルチャ&エベネのオクテットというビエンナーレのハイライトとなる現在の欧州弦楽四重奏界両横綱揃い踏みスーパースター・イベントの日まで滞在出来なくなりそう。なんであれ、現時点では気分としては実際にシベリアを越えられる可能性は最盛期イチローの打率ほどもいかんのじゃないか、って感じてます。いやはや…
by Yakupen (2021-12-07 23:00) 

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