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必聴!ピアノ三重奏のための協奏曲 [演奏家]

来る週末金曜日と土曜日、名古屋は愛知芸術劇場コンサートホールで、カセッラのピアノ三重奏とオーケストラのための協奏曲が演奏されます。こちらが案内。
https://www.nagoya-phil.or.jp/2021/0303113451.html
うううむ、相も変わらず名称表記の問題が起きているAlfred Casellaですけど、今回も名フィルさんは「カゼッラ」としてますねぇ。ま、昔は一字一句一致していないと検索してくれなかったWebの世界ですが、最近では「カセッラ」でも「カセルラ」でも出てくるみたいなんで、気楽にあたくしめの慣例を貫かせていただきまする。はい。

んで、カセッラのこの協奏曲、所謂「トリプル・コンチェルト」と総称される類いの作品ですな。ピアノ三重奏がオーケストラに独奏者としてゲストに呼ばれるとき、持ち出せる作品と言えば100回中の99.99回までがベートーヴェンの三重協奏曲になるのは致し方あるまい。他に曲があるの、って、なんとwikiで調べると、それなりにあるんですね。ほれ。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_triple_concertos_for_violin,_cello,_and_piano
勘定してみると32曲が挙がっており、なんとチェレプニンには2曲もあるじゃんか。

興味深いのは、やはりというか、その8割までが20世紀後半以降の戦後の音楽、所謂「現代音楽」であること。古典派やロマン派時代はベートーヴェンを除けばフンメルの弟子ヴォジーシェクなるヴィーンで活動した作曲家がひとつ遺しているだけ。15分くらいの単一楽章ロンド、なかなかお気楽で楽しい曲ですな。なんとNMLに入ってます!
https://czechmusicdirect.co.uk/product/triple-concertos-by-beethoven-and-vorisek/

楽器の発展やらを考えれば、まあ、確かにそういうことになるんじゃろーねぇ、と納得はいくものの、ベートーヴェン作品って、ホントに特殊なのね。

そんななかにあって、何故か1933年頃というのが奇妙なことになっており、カセッラとマルティヌー、それもマルティヌーは2曲も書いている。2年前にはチェレプニンが最初の三重協奏曲を書いていて、5年後にはマリピエロが書いている。なんとなんと、1930年代はまあ世の中の音楽ファンが名前を知っている作曲家がこの特殊なジャンルに総計5曲もの音楽を書いてくれていて、「人類史上稀なトリプル・コンチェルトの黄金時代」と呼んでもかまわない時期なのであーる…って、誰もそんなこと言わないけどさ。普通に考えれば「大戦間弦楽四重奏創作の黄金時代」と呼ばれる頃だわな。

どうしてこんなことになってるのか、調べればなんか理由がありそうだけど、ま、誰か調べて下さいな。チェレプニンはともかく、誰かその辺に居た奴に頼んで歩いたのかもしれんなぁ。

閑話休題。カセッラの作品でありまする。作品については、残念ながらYouTube上に楽譜付きの音はないようなので、ライヴ映像を貼り付けておきましょう。第1楽章など、音で聴いただけでは独奏とオーケストラの関係が判りにくいので、ご覧あれ。
映像と音がある曲をどうこういうのもアホだけど、やっぱりコンチェルトって第1楽章の作りが難しいなぁ。終楽章がいちばん成功している感がするけど、第1楽章みたいな曲想でピアノ三重奏の協奏曲やろうってんだから、ライヴで聴いてみないとバランス含め何やってるかよーわからんもんね判らん。

次に聴けるのはいつか判らぬ、ことによると葵トリオの定番演目になるやもしれない。それよりも、こういうのを聴くと、マルティヌーとマリピエロは聴いてみたいなぁ。お願いします、葵トリオの皆様。ちなみにこれがマルティヌー。後期ロマン派引っ張ったカセッラに比べると、圧倒的に新古典主義的じゃんけ。ところでアトス・トリオって、どこで聴いたんだけっけか?
https://www.youtube.com/watch?v=2mMOS4pYi9Q

残念ながら、マリピエロの作品はYouTubeにもNMLにも発見出来ないみたい。ううん、今時、そんな作品、あるんだなぁ。

おっと、忘れてた。チェレプニンはこちら。あっさりYouTubeにあるぞ。うううむ、これは野平一郎指揮オーケストラ・ニッポニカ辺りに持ち込めば、喜んでやってくれそう(トリオの方が面白いかは判らぬけど)。もうとっくにやってたりして。
https://www.youtube.com/watch?v=MUH1QECgd44

てなわけで、あたしゃ、土曜日に名古屋に参りますです。

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