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DGが収録時間35分弱の新譜発売 [音楽業界]

年末暇つぶし雑談です。

パリ行きが無くなったんで、内容的にかなり難しいので引き受けられるかちょっと躊躇っていた仕事をやることにし、2021年もあと2日というのに働いている編集者さんのところまで行き、もうホントは閉まっている扉を警備員さんに開けていただき、打ち合わせをして参りました。これで来月前半は温泉県お籠もりでガッツリ働くことになったわけで、ま、ボーッと本棚立ててるだけよりは余程よかろー。っても、お陰で明後日の朝にLCCで温泉県に向かうのに取扱注意で機内持ち込みで運ぶ以外無い重量3キロの資料が出来てしまい、さても、どーするべぇか。行きはお嫁ちゃまがいるから良いものの、帰りは資料を帝都某所まで手持ちで返却するためにまた機内持ち込みにせねばならず、他のもんのために預け荷物を買わにゃならんなぁ。うううむ、赤字仕事にならんか…ギリギリだわい。

てなわけで、少しはある他の仕事の予定を変えねばならず、来月頭に入れれば良いとノンビリしてた作文を慌ててやってる年の瀬。そのお仕事に必要なんで、どっかにラフマニノフのチェロ・ソナタの音はないかとNMLをひっくり返していたら、へえ、こんな新譜があるんかい。
yuja-wang-rachmaninoff-cello-sonata-in-g-minor-op-19-cover(1).jpg
https://www.deutschegrammophon.com/en/catalogue/products/rachmaninoff-cello-sonata-in-g-minor-yuja-wang-12563

天下のイエロー・レーベルさんから出てる、カプソン&ユジャ・ワンなる21世紀20年代の今、世界でいちばんメイジャーなスターさんの二重奏でありますな。一昔前ならさしずめマイスキー&アルゲリッチ、もっと前ならロストロポーヴィチ&リヒテル、って位置づけのレコードなりディスクなり、ってところ。これを聴いておけば、ま、今の趣味や技術水準がこんなもんと判る、ってタイプの録音でありまするな。

なぁるほど、今時はラフマニノフといえ背脂たっぷりベタベタ濃密な味付けとはちょいと違った、切れ味抜群系にふったテイストになるんじゃなぁ…などとノンビリしたこと思いながら聴いていて、終わって、アレっと思いました。

このディスク、ってか録音パッケージ、これだけでオシマイなのっ?

二重奏ソナタとしては大曲とはいえ、それでもたった34分14秒じゃんか。レコード時代後期なら頑張って片面にギチギチ突っ込んだ位の長さじゃあないの。CDだったら、当然ながらショパンのチェロ・ソナタとか、ロシア系チェリストだったらミヤスコフスキとかショスタコとかのチェロ・ソナタを入れて1枚にするのが常識。この曲しかないって、なんなんねん。

ビックリしてNMLの「この曲の他の演奏」というリストを眺めてみると、なんとなんと、ユジャ・ワンさんって、1年もしない前にリン・ハレルとのこんな録音もDGブランドから出してるんね。
https://ml.naxos.jp/album/00028948393114

へええ。まあ、これはハレル御大がお亡くなりになったんで、その追悼で古いライヴを引っ張り出してきて商品化した、ってことみたいなんで、ちょっと特殊な形態かもしれないけど、それにしても同じピアニストが同じレーベルから違うチェリストで30分ちょいの、シングルCDとはいわないが不思議な長さの録音を公式にリリースするって、ちょっと不思議な気がしますねぇ。

音楽を売る、というビジネスのフォーマットが完全にディスクやらのブツからデータ配信に移っているんだなぁ、と爺はあらためて時代の変化に感じ入る年の暮であったとさ。この音源、リアルなディスクとしての販売って、あるのかしら。

いずれ、録音は全部「1分辺りいくら」とかになるのかなぁ。流石に「バイト辺りいくら」ってなると、わしら老人にはもう感覚的に付いていけないけどさ。

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Yakupen

某CD業界関係者さんに拠れば、この録音はディスクでは出ていないそうです。なるほど。
by Yakupen (2022-01-01 10:07) 

新春

遅いレスポンス、済みません。
年末に読んだ音楽関係のブログのなかで、最も心に響いた記事でした。

私は、最近グローバル化の真の意味が判ってきたような気がしています。それは、事業化です。
我が国を代表する自動車企業は、CO2削減の目指すところを取り違え、EVへの決断ができなかったようです。この半年以上の遅れが、将来何を生むのか、注意深く観察する必要があります。要は、産業の転換にあったのだと思われます。

さて、DGという老舗レーベルは、英グラモフォン誌のLabel of the Yearの選定を受けたとのことです。このユジャ・ワンの録音を知った時、その謎が解けた気がしました。
30分前後のたった一曲の(まるでシングルCDのような)デジタル配信。無料のストリーミングしか試みたことがないので、比較の対象を知りませんが、二人のような人気者の新録音です。おそらく高価値、高価格では?だとすると、新しいジャンルの創出です。
やくぺん先生のブログは、そのことを教えてくれています。
今年も、素晴らしい記事を。
by 新春 (2022-01-01 18:24) 

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