SSブログ

もうひとつの「プロシア王セット」 [弦楽四重奏]

新帝都滞在中はともかくやることいっぱい、当電子壁新聞なんぞすっかり放置、コロナも黒海北も事態は全然終わりが見えてない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本来ならばとっくに記しておかねばならなかった宣伝を慌ててやりまする。本日午後7時、日暮里サニーホール コンサートサロン(JR・京成 日暮里駅前より徒歩約 2 分、ホテルラングウッド 4 階)でこんな演奏会があります。
https://quartettooceano.wixsite.com/main/concerts

演目をまんま貼り付けますと…

G.ドニゼッティ:弦楽四重奏曲 ホ短調 第 18 番 (1836)
P.ヴラニツキー:弦楽四重奏曲 ハ長調 op.23-1 「プロシャ王セット第 1 番」(1793)
F.メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第 4 番 (1837)

そー、なんとなんと、知る人ぞ知る「もうひとつのプロシャ王セット」ってか、「モーツァルトの最後の3つ、ハイドン作品50に継ぐ、3つ目のプロシア王セット」でありますな。

ここで、こちらのwikiでもご覧下さい、とプロイセンの王様でデュポールにチェロ習ってたブランデンブルク候の音楽への功績が一覧にでもなっていれば有り難いのだが、そんな便利なものはないなぁ。ドイツ語ならここ、流石にベルリン国立図書館(フィルハーモニーの向かいにモダンな館がありますな)らしく、ベートーヴェンを筆頭に所蔵するオリジナル楽譜が並ぶしっかりしたサイトでありまする。英語版を貼り付けておきましょう。
https://blog.sbb.berlin/friedrich-wilhelm-ii-violoncello/

っても、いきなりこんなもの見させられても困るぞ。ま、この作品23の2の序文でも見て下さい、ってことにしておきましょ。
https://www.wranitzky.com/downloads/strqrt_op23_no2_parts.pdf
ホントは、これをダウンロードして勉強してください、と無責任な放り投げをしたいところ。
https://www.academia.edu/14331653/_Haydn_Boccherini_and_the_rise_of_the_string_quartet_in_late_eighteenth-century_Madrid_in_Ch._Heine_y_J._M._Gonz%C3%A1lez_Mart%C3%ADnez_eds._The_String_Quartet_in_Spain_Bern_2017_pp._53-120_

演奏するのは、「ガット弦の弦楽四重奏団」で売り出し中の注目団体。とはいえ、こんなキャッチフレーズで出てくる団体に一昔前は漂っていたカルトっぽさやマニア臭さ、はたまた「俺たちだけが判ってるぞ」感とはちょっと違う新世代。お気楽に楽しみに来て下さいな。ホントに古典派が好きな方、「ハイドンの弦楽四重奏はやはり作品50にトドメを刺す」などと仰りたい方(そんな奴いるのか?)は是非どうぞ。

[追記]

拝聴し、戻って参りました。
IMG_0759.jpg
ぶっちゃけ、《プロシア王セット》は、ホントにプロシア王のためのセットでありました。もうチェロ無茶ぶりに近く、中声はちゃっちゃっちゃっと合いの手入れてるだけで上と下がガンガンやっとるでぇ、って音楽が始まり、突然セカンドさんがデカい声出したり。なるほどぉ、ボンから出てきたベートーヴェン君、こんなのいっぱい聴かされ「弦楽四重奏書いてかいて」と周囲から言われたら、そりゃ意固地になって「俺は絶対書かんぞぉ」って言ったろうなぁ。いやぁ、勉強になりました。ドニゼッティも、シューベルトの初期みたいな弦楽四重奏のあり方がどんどん先に行ったらこんなになるんかね、って不思議な音楽でした。

まだまだ世界は広い。ありがとう御座いましたです。次回は12月23日だそうな。またまたトンデモなクリスマスプレゼントがいただけそう。それにしても、こういう音楽を面白がって聴ける聴衆が100人弱とはいえ存在するなんて、トーキョーはすごおぃところじゃのぉ、ホント。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。