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これがアメリカンメイジャーが推す「現代の弦楽四重奏曲」だっ! [現代音楽]

一昨年来のコロナ禍で最も大きく環境が変化したのが、「映像配信で世界中の最先端の動向が無節操に流れ込んでくる」という状況が恒常化してしまったことでありましょうぞ。

なんせ2010年代終わりまでは、海外メイジャー歌劇場や音楽祭の最新演出やら、あちこちのオーケストラや室内楽演奏会で披露される現役作曲家の最新作やらが、オンタイムでいきなり貴方のお宅のスピーカーやらテレビパソコン画面から眺める、なんてことがあればもう大騒ぎ。マニアファン関係者、事前に大盛り上がりで、様々な告知もなされ、みんなオンエア時間を待つ、って状況だった。ライブ中継ではなかったけど、年末のバイロイトへの人気指揮者の登場の放送なんて、そわそわワクワクしてその日を数えたものでしたねぇ。なんだか大昔のような懐かしさ。

2022年春の今、もうどんなものが放送されようが誰も驚かない、それどころか、「コロナ終わって今は戦争報道がインなのに、またそんなもんやってるのか」って空気すら漂う今日この頃であります。情報過多、良い物食い過ぎ、もう結構、ってことになろーとはねぇ。

そうはいっても、たまには当無責任電子壁新聞的には紹介しておきたいライヴもあります。こちら。
https://www.chambermusicsociety.org/watch-and-listen/live/new-milestones-visions-and-illuminations/?utm_source=wordfly&utm_medium=email&utm_campaign=Watch%26Listen4.27.22&utm_content=version_A

やっとシーズン復活なったリンカーンセンター室内楽協会が、先々代エンペラーお誕生日の朝を祝いニッポン時間でかつての天皇誕生日朝8時半という極めてアクセスしやすい時間に無料ライブで流してくれるのは、カリフォルニアのエリート校出身、何故かニッポンではまるで名前が知られないままでここまで来ちゃってる北米若手エリート団体のトップのひとつたるカリドールQが披露する今を代表する作曲家の作品。演目をコピペしちゃえば

Sofia Gubaidulina Quartet No. 4 for Strings with Tape (1993)
Anna Clyne Breathing Statues for String Quartet (2019) (CMS Co-Commission)
Joan Tower White Water for String Quartet (2011)
Jörg Widmann Jagdquartett for Strings (2003)

って、いかにもな「現代音楽」ばかり。もうすっかり古典となったグバイドゥーリナの作品群の中にあってあんまりやってくれない第4番、CMS委嘱の新作、北米の売れっ子ジョアン・タワー、そして恐らくは21世紀に書かれた弦楽四重奏文献の中で最も頻繁に演奏されるであろうヴィドマンの大ヒット作。なるほど、これが「2020年代マンハッタンのプッシュするメイジャーな弦楽四重奏作品かぁ」と思わせてくれるようなラインナップとなっておりまする。

首都圏の皆様とすれば、今世紀に入ってからはお祭りの時間だった大連休が一転、拍子抜けみたいな空白シーズンに戻ったこの春、まずは一発目にマンハッタンからの作品演奏ともにインな弦楽四重奏をお聴きあれ。皆々様におきましては、戦争もコロナも船の沈没も無縁な、良き黄金週間をお送りになりますよーに!

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