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さかいのあっちゃんは指揮もするのだっ! [演奏家]

昨晩はインバウンドさんたちが観光バス待ちをする銀座通りはヤマハホールに行き、酒井敦さん、ってか、「名古屋のあっちゃん」が仲間たちと奏でるガンバの妙なる響きに浸っておりましたです。

皆様ご存じのように、20世紀最後の10年くらいにスタジオ・ルンデの鈴木さんが「とんでもない天才少年がいる」と大いに賞賛し、その後、順調に、というべきか、いろいろ紆余曲折あって、というべきか、東京ではもう誰も覚えていないと思うけど最後の頃のカザルスホール・チェロ連続リサイタルの若手ばっかり並べた年に登場。パリに渡り研鑽を積み、いつのまにかコアン弟子となってチェロからガンバにメインの楽器を持ち替え、今ではなんといってもカンビニQのチェロ奏者としても高い評価を得ている。日本はすっかり疎遠になってしまい、やくぺん先生が斉藤秀雄賞の選考委員なんてものを仰せつかっていたときには、毎年騒いだのだがやはり日本拠点ではないことがハードルになったか、やっと選考委員最後の年に見事受賞に至りました。これで日本でも一気に…と思ったけどなかなかそういうもんでもなく、東京春音楽祭で受賞コンサートはあったものの、今回のガンバ2台とチェンバロの三重奏での来日で、やっとその真価を発揮することになった次第でありまする。なんとも目出度いことでありますっ。
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そんな終わっちゃったコンサートの話を聞かされてもちっとも有り難くないぞ、とお思いの皆々様。大丈夫、なんとなんと、来月の末に東京は池袋でさかいのあっちゃんのもうひとつの顔、恐らくこれまでニッポン国ではちゃんと見せてくれたことがなかった指揮者としての才を開陳して下さるのでありまする。ほれ、こちら。
https://toshima-theatre.jp/event/000031/
http://joy-ballet-studio.com/les_paladins/4445/

会場はなにやら劇場都市にしたいらしい豊島区肝いりでやってる区役所近辺再開発のひとつとして出来る新しい劇場。一応、こけら落としシリーズのひとつのようでありまする。これまた目出度いことでありますなぁ。

昨年だか、このガンバとチェンバロのツアーをなんとか実現すべく動いていらっしゃった頃、いろいろお話をして、なかなか大変だよねぇ、なんてため息漏らしていた中で、「オペラの指揮もしたいんです」などと仰っていて、おおおお壮大な夢を抱くのは素晴らしいことだが、うううん、今は東京は北区とか川口とか、神奈川は県立音楽堂とか、はたまた大阪はいずみホールとか、バロック系オペラに関心を持つ適当な規模のところはあるにしても、どこも欧州からのメイジャーどころの売り込みが激しいし、なんせクラシック業界でもキャラの濃い方々が揃ってる古楽界だからねぇ…なんて無責任なことしか言えなかった。どういう風な経緯だったかなーんにも知らないのだけど、とにもかくにも実現出来たのだから、やっぱりさかいのあっちゃん、ただ者ではありません。いや、ホント。

昨晩も低いピッチのニ短調とニ長調、それにト長調の世界にじっくり浸っていると、わしらが普段耳にしているソナタ形式とかって、こういう世界から眺めるとホントにとてつもない妙な、ってか、強引な世界だよなぁ、なんてどーでも良いことを考えたりしてさ。

新帝都のオペラ好きの皆様、今、世界でいちばんとんがった舞台が観られる可能性があるのはバロックオペラの世界でありまする。ま、トレイラーを眺める限り、この舞踏団が既に何度も出している定番演出のようで、今時のヨーロッパで大流行の演出家やりたい放題なんでもありのバロック・オペラ演出とは違うようですが、逆にこの類いの音楽の基本が「舞踏」であることをしっかり判らせてくれるんじゃないかな。さあ、来る11月27日にはにはみんなで池袋西口へとはせ参じましょうぞ。

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