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ヴァインベルク16歳と50歳の映画音楽 [演奏家]

アムステルダムの湾に浮かぶようなムジークヘボウで、「ヴァインベルク・マラソン」が始まりました。
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そのオープニングを飾る最初のレクチャーで、オランダ人音楽学者ラマール氏がとんでもないことを教えてくれました。っても、オランダ語のレクチャーで、終わってからノコノコ近くに行って、さっき流してた音楽ってつまりこれこれですかぁ、なんて情けなあああぁい質問をしなければならなかったんだけどさ。

ええ、なんでモロに商売もんの話を宿に戻ってきて直ぐにこんな無責任電子壁新聞に記しているかと言えば、残念ながら紙媒体では伝えようがないことだからです。勿論、「サラサーテ」の記事にはURLくらいは記す可能性はあるけどあくまでも参考で、紙媒体の仕事はそういうことじゃあないですからねぇ。

んで、何かというと、なんとなんと、明日明後日とレクチャーにやってくる現時点で西側唯一のヴァインベルク評伝の著者たるダヴィッド・ファニング氏の著作の最初にも出ているんだけど、ワルシャワ音楽院に通い始めたヴァインベルク少年が最初に手がけたメイジャーな仕事が、映画音楽なんですわ。で、その映画の本編が、なんとまるまるYouTubeにアップされていて、誰でも簡単に観られるのだそうです。ほれ、こちら。

いやぁ、冒頭のタイトルクレジットの中に、M.Weinbergってガッツリ書いてありますもんねぇ。

立ち話できいたところでは、ラマール先生も実は数日前にこんなものがYouTubeに落ちていると知り、腰を抜かしそうになったそうな。いやぁ、凄い世界になったものでありますなぁ。

まあ、この大戦間時代のポーランドのコメディ映画を全部見てやろうなんて殊勝な方がいらっしゃるとも思えないけど、ともかく、これが作曲家ヴァインベルクの出発点なのだ、ということ。この翌年には、本日最初に演奏された弦楽四重奏曲第1番が作曲されているわけであります。

ちなみに、ヴァインベルクの恐らく最も有名な仕事は、ソ連時代のこちらでありましょう。
1969年のソ連アニメ『くまのプーさん』ですぅ。この冒頭のチェンバロで始まる音楽をやってるのが、かの《パサジェルカ》を完成した直後のヴァインベルク、作曲家として最も油ののりきった頃の作品なんですわ。

いかがでしょうか、当電子壁新聞を立ち読みなさってる皆様にも、このヴァインベルクという作曲家が少しは身近に感じられたかな。

さてと、「ヴァインベルク・マラソン」二日目の明日は、いよいよ大戦直後の第1期傑作の森の3曲と、逮捕投獄から解放された後、ショスタコーヴィチとの関係が本格的に深まり始めた第2期前半の3曲が披露されまする。明日に備え、もう寝ましょ。外は冬の嵐がゴーゴー鳴ってる運河の街。

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