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今どきの雑用仕事 [売文稼業]

落ち葉はまだ全然舞わない新暦葉月の一日、やっと梅雨が明けた関東地方を抜けて、甲斐の国を超えて信濃の入り口(なんだろーなぁ)、茅野まで日帰りし戻るJR中央線各駅停車の中です。膨大な量の動画データをメモリーカードからパソコンを経由してUSBメモリーに落とし込んでおりまする。

GOTOしろと言ったり、都民はやっぱり駄目と言われたり、流石に人が良くノンビリした国民納税者の目にも「政府崩壊」の実態が隠せなくなったニッポン国、遅い夏の夕暮れの甲府盆地を見晴らしつつ笹子トンネルに向けて登っていく各駅停車の車内は、例年のこの季節のこの時間ならいっぱいの熟年ハイカーやら貧乏青春18きっぱーでロングシートに座るところがなくなる筈なのに、甲府近辺の運動部高校生が三々五々下車していくと、妙に閑散としてら。新橋駅前の金券屋激戦区のオヤジが「今年は青春18の出物が少ないねぇ」と申しておりましたが、確かに、この貧乏人切符の真の愛用者たる高年齢層が凄く数を減らしてます。

やっとやってきた妙な夏、やくぺん先生ったらコロナで収入が激減した1割にしっかり入っているわけで、今日も今日とてボランティアお仕事。某認定NPOのAdviserなるお仕事、日本語では「顧問」とか言って、隠居後には顧問業で生きよう、などど老人初心者向け記事にはしばしば美味しい言葉が踊るが、なんのことない、積み上げたノウハウと人脈を報酬を考えずに世間に提供しましょう、ということ。要は「雑用」です。本日も、一眼レフボディふたつ(スチール撮影用と動画撮影用)、コンパクトデジカメ(シャッター音がしないスチール撮影&動画バックアップ)、広角から短望遠ズームと標準固定レンズといつもの300ミリ望遠の一眼レフ用レンズ3本、一昔前のやたらと重い三脚とミニ三脚、それに念のために小型録音機を背負子に突っ込み、公式撮影係としてのボランティアでありました。

やくぺん先生のような若い頃は自分で白黒フィルムの現像やって新宿にしかなかったヨドバシカメラでTRY-Xの100フィート管を買ってきてフィルムを自分で巻いてたような老人初心者世代とすれば、撮影とは、スチールです。動画を撮影したり編集したりするなんて、あくまでもちょー特殊な8ミリマニアさんの世界。落としてもたたきつけても壊れるところのないペンタックスSV自動露出無し一眼レフに始まり、ある時期に露出計内蔵のSPになり、それからスチールは半世紀弄ってきているけどぉ、動画なんてまるでやったことがない。今の若い人は知らないでしょーが、こんなカメラ。まだどっかにあるぞ、葛飾オフィスには。
http://www.mediajoy.com/mjc/cla_came/pentax_sv/index.html
https://sunrise-camera.net/user_data/blog/detail?p=24919
ちなみに、デジカメ時代になってから諸処の事情でCanonになり、ある時期からCANONをNikonに全面的に変更した。経団連会長だったCanonの御手洗会長が「違う意見の人と議論するのは時間の無駄だから意味が無い」という発言をしたのを目にし、嗚呼こりゃダメだ、こいつの会社の製品は使わぬことにしよう、と決意したのがきっかけでありまする。今もバックアップでCanonはあるけどねぇ…

もとい、で、てなわけで、やくぺん先生としましては、「雑用」仕事はいんちきカメラマンとしてのNPO公式写真撮影がもっぱらでありました。職業柄、ホントの凄い技術を持ったプロの方と接してるわけで、自分のやってることがどれほど技術的に酷いものであるかは死にたくなる程判ってる。特に露出はもう決定的で、昔は「現像や紙焼きのときになんとかするしかない」、今は「後でPhotoshopで弄るしかない」で済ませるわけですな。ま、それはそれで、ホントのトップクオリティが求められているわけでなく、必要な瞬間の必要なショットがあればいいわけで、どっちかというと「場の空気と流れを読み、タイミングを見計らう」ことの方が大事なのでありまする。それなら、ま、出来るわけでね。最近は輪郭線さえあればなんとでもなるんでしょ、あとは野となれ山となれ、使う方の編集担当者さんがてきとーにしてくださいな、あ、クレジットはあたしの名前じゃなくてNPOの方にしてね…

ところがどっこい、この数年、そんな状況が大いに変化してきている。原因はもうはっきりしている、そー、「動画」でありますよ。

あらゆるところに監視カメラが設置され世間が見張られ、この地球上に生きる人類の恐らく20億人くらいが常時ポケットの中に小型動画撮影マシンを忍ばせている21世紀の20年代、広報でも動画が常識。スチール写真は紙媒体やら紙ポスターやらのための特殊なフォーマットとなりつつある。

具体的に言えば、クァルテット・エクセルシオも押っ取り刀でYouTube上に自分らのチャンネルを設置し、そこにこれからの演奏会のコメントとか、練習再開の動画とか、あれやこれやをアップするようになったのであります。
https://www.youtube.com/channel/UCTuH2bbsQZISuhB7lT8XZiQ
となると、その動画制作素材が必要になる。演奏会も、アーカイブはこれまでのように音だけではなく、可能な限り動画も収録しておきたい。

てなわけで、スチール写真撮影じゃなくて、動画の撮影が「雑用」の大きな課題となってきたわけでんがな。ふううう…

今時は一眼レフで低予算映画だって撮っちゃうわけで、映像を収録するだけなら専用のヴィデオカメラはなくてもなんとかなる(音は、今時のホールはちゃんとした録音機材があるので、そっちを貰って御映像に合わせればOK)。だから、いんちきカメラマンでもなんとかなる…と思うでしょーがあぁ、それがそーゆーわけにはいかんのですわいな。

決定的に違うのは、映像撮影はスチール以上に「素材」集めであると言うこと。必要な映像がどういうものなのか、自分が編集してヴィデオクリップを作るわけではない。となると、どのような要求であれ全て応えるのは無理だけど、可能な限り様々な素材を集めておかねばならない。こことここだけ押さえれば良い、というわけにはいかない。

もうひとつは技術的なこと。動画は手ぶれなどの動きがあるともの凄くハッキリ判る。でも、プロの動画カメラマンならぬ我が老体、自分を三脚のようにしてじっとして数十分も微動だにしない、なんて絶対に不可能。だから、三脚が不可欠になる。とはいえ、スタジオではない状況が殆ど、聴衆の皆さんが入る会場なので、好き勝手な場所に陣取るわけにはいかない。だから、どういう状況でもある程度は対応出来る、それなりに頑丈でしっかりした三脚を連れていかねばならないわけですは。ほれ。
DSC_0003.jpg
今は軽い三脚もあるのだけど、20世紀末くらいから使い慣れたデカく、やたらと安定した重い奴が結局はいちばん安心。アウトリーチなどでは、子どもが弄って動かせちゃうようなもんじゃ困るのであーる。

そんなこんな、スチールのみの撮影の三倍くらいの機材を抱えてえっちらおっちら出かけることになる。トウキョウはGOTO除外の今は関係ないけど、荷物がありすぎて遠距離の場合はLCCを使えない。いやはやぁ…

てなわけで、甲斐国から武蔵国に向けての山越えの最中に、やっとデータがUSBメモリーに全て転送されました。あとは佃縦長屋に戻ったら、直ぐにレターパッドに突っ込んで映像編集担当ボランティアさんのところに送りつけてしまい、それでお仕事はオシマイ。クラウドにあげるとか、ネットでデータを送ればいいじゃないか、とお思いでしょうが、辿り付いた先ではいつテレワーク会議やらネットでのシンポジウムやらをやってるやもしれず、回線をガッツリ占拠するのは極力遠慮せねばならないこのコロナ世界なのであーる。

もうすぐ高尾。都会に戻ったのが良く判る点だけは、なんとも素晴らしい中央東線であることよ。秋になってもまだまだ続くコロナ禍、この先のへっぽこ動画撮影担当ボランティア仕事は…幸か不幸か、予定はないわいな。

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