SSブログ

ピアチェンツァでコロナ追悼《ヴェルレク》 [音楽業界]

昨日日曜夕方、日本時間では早朝というか深夜の月曜午前1時、エミリア・ロマーニャ州の北西の端っこ、ポー川鉄橋を越えればもうロンバルディア州で特急ならミラノまであと一駅という北イタリアの川口みたいな古都ピアチェンツァの市立劇場で、コロナ犠牲者追悼のヴェルディ《レクイエム》が演奏され、ライヴで無料配信されました。こちら。

ご覧のように、なんと指揮はドミンゴ御大という豪華版、オケはパルマから州のオケたるトスカニーニ管が来てますな。

ライヴで眺めようと頑張ったけど寝ちゃって、今、起きてサイトに行ってみるとちゃんと眺められます。いつまで写るか知らないけど、お暇ならどうぞ。なお、始まってまず、このようなときには圧倒的に場違い感が漂う陽気で元気なイタリア国歌斉唱があったあと会場は暗転し、コロナで亡くなった方々への追悼の医療従事者の活躍を描くモノクロ映像があり、追悼演奏本編は13分くらいから始まります。

映像を眺める限り、客席はひとり空け着席でマスク必須。演奏する側は、弦楽器はピットを下げてその中に入り、マスク使用。管楽器は高くなった舞台の上に並び、奥の打楽器はマスク着用。合唱団は舞台の奥に立ち、それなりに間隔を保っているようですが、フェイスマスクやらシールドはないみたいですな。

バイエルン州某市の評論家さんから教えて貰ったイベントで、その方は昨今のドミンゴ御大の活動にはもの凄く批判的なんだけど、ま、これはこれでありでしょう。確か、ご本人もコロナを経験したわけだしねぇ。演奏そのものは、なんせ歴史的名演キラ星の超名曲だけに、いろいろ仰りたい方も多いでしょうが。
https://www.asahi.com/articles/ASN3R32YVN3RUHBI00P.html

やくぺん先生とすれば、この演奏会が気になる理由はもうハッキリしていて、ピアチェンツァという街が来月第一週から始まる予定になっているボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールの舞台となるレッジョ・エミリアと同じ州にある、という事実に尽きます。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-05-13

なんせ、ミラノ中央駅から「走れば速いぞ」で知られるトレニタリアに乗りレッジョに向かうと、若きモーツァルトがミラノに入れずに長逗留となり暇つぶしに最初の弦楽四重奏曲を書いたローディを過ぎ、ポー川の大鉄橋を越えたらピアチェンツァ。そこからは「イタリアの高崎線」と呼ばれるヨーロッパでもいちばんつまらん車窓が続き、次はパルマだっけ。そこまで来れば、レッジョまでもうちょっと。新幹線駅はあったっけか。

ま、ともかく、そのような場所でこの規模のイベントが本日の時点で開催されているということは、2019年9月のバンフ以来のメイジャー弦楽四重奏専門大会たるレッジョのボルチアーニ大会も不参加団体続出覚悟での強行は出来る、ということなんでしょうか。エミリア・ロマーニャ州は活動規制が最も緩い場所という話もあるし。

コンクールが出来ようが出来まいが、レッジョのコンクールスタッフがみんな元気でありますように。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽